本が出ました!「美しい風景写真のマイルール」

絞り・シャッタースピード・ISO感度

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

前回、露出とはなにかについて解説しました。

露出

ざっくりおさらいすると

・露出とはカメラの撮像素子(センサーやフィルム)に光を当てること

・適正露出とはちょうどいい明るさで写るように光を当てること

でしたね。

光が入ってくる量によって、明るくなったり、暗くなったりしてしまいます。では、どのようにしてその光の量を調整するのでしょうか?

光をちょうどよくセンサーに当てるために、その量をコントロールするものが3種類あります。

それが

  • 絞り
  • シャッタースピード
  • ISO感度

の3つです。

今回もなんだか小難しいのですが、まずはさらっと「こんなものもあるのか」とさらっと読み流してみてください。



絞り・シャッタースピード・ISO感度とは

絞り シャッタースピード ISO感度

レンズから取り込まれた光は図の順番に通りセンサーまで届き露光します。

①絞り

絞りとはレンズの中にあり、これを開いたり狭めたりすることで取り込む光の量を調節します。

開いていると光をたくさん集められますが、ピントが合う範囲が少なくなります。逆に絞ると、入ってくる光は少なくなりますが、ピントが合う範囲が広くなります。

視力が悪い人が遠くの物を見るとき目を細めますが、これと同じことをやっているのですね。

②シャッター

絞りを通過した光を、どれくらいセンサーに露光させるか決めるのがシャッターです。

シャッターのスピードは早いもので1/8000秒。長く開けたければ何時間でも開けていることができます。

シャッタースピードが早ければ光を取り込む量は少なく、長ければたくさんの光を取り込むことができます。

③ISO感度

デジタルカメラはセンサーに当たった光を電気信号に変えて画像を保存しています。

その電気信号を増幅させる度合いを調節するものがISO感度です。ちなみに「いそかんど」と読むのですが、なんだか野暮ったくて僕は「あいえすおーかんど」と呼んでいますどうでもいい。

感度を上げれば上げるほど、小さい光を増幅させて記録させることができますが、たくさん増幅させすぎるとノイズが出てきます。

スピーカーで小さい音を電気的に増幅させるとノイズがでるじゃないですか。あんな感じだと思ってもらえばいいです。



絞り・シャッタースピード・ISO感度を変えて撮影してみる

では、これらの設定を変えるとどのようになるのでしょうか?

絞り・シャッタースピード・ISO感度

ここにダンボーとおもちゃの機関車が走っている写真があります。

1.絞りを開けて写す

絞りを開けて写す

このように絞りを空けると、背後にあるダンボーがボケているのが分かりますね。

2.シャッタースピードを遅くして写す

シャッタースピードを遅くして写す

シャッタースピードを遅くして移すと、機関車がブレているのがわかると思います。

絞りとシャッタースピードには相関関係がある

ここで注目して欲しいのが、明るさです。これら3枚の写真は明るすぎず、暗すぎず、ちょうどいい明るさで撮られていますね?そう、「適正露出」が得られているのです。

そして、その適正露出を得るために

  • 1では絞りを開けたくさん光を取りこめたので、シャッタースピードを短くでき機関車のブレが無い
  • 2ではシャッタースピードを長くしてたくさん光を取り込めたので、絞りを絞ってピントがたくさん合っている

となっているのが分かるでしょうか?

絞りとシャッタースピード

被写体をブレさせたくないからたくさん絞りを開けて撮る、ピントを隅々まで合わせたいし動かないからシャッタースピードを長めにして撮る、などその状況に応じて絞りとシャッタースピードの設定をしましょう。

絞りもシャッタースピードも変えられない時はISO感度を上げよう!

とはいえ、被写体をブレさせたくないし、ピントも隅々まで合わせたい、なんてシチュエーションもあると思います。んで、じゃあ実際やってみるとこんな風になります。

絞ってシャッタースピードを早くしたら暗い

マックラデスネー。

んで、こんな時にどうするか?そう、ISO感度を上げてやればいいんです。

絞りで遮られ、シャッターもあまり開けられず、微細な光しか取り入れられなかったら、センサーに当たった光を増幅させる。

とうわけで、ISO感度を上げて撮った写真がコチラ。

ISO感度を上げて撮った写真

機関車もブレず、奥のダンボーもボケすぎないくらいにはピントがあっていますね。

そして、ちゃんと明るい「適正露出」が得られているのもわかると思います。ただ、拡大してみると分かりやすいのですが、なんかちょっとザラザラした感じがありますね?

高感度によるノイズ

そう、これが先ほど説明した「ノイズ」なのです。



ボケとブレとノイズをコントロール

絞りやシャッタースピードを説明する時、ボケやブレをどう出すか?といったことに注目が集まりがちなのですが、本来は「いかに適正露出を得るか」という目的のために「絞り・シャッタースピード・ISO感度」の3つの要素を設定するわけです。

この順番を間違えないようにしてくださいね。

適正露出を得るためには何かを犠牲にしなけれいけない場合も多々あります。そういうシチュエーションになって「ボケ・ブレ・ノイズ」の何を残すか選択する必要が出てくるんですね。

この3つをきちんとコントロールできるようになりましょう。

まとめ

なんとなく体感的に「絞り・シャッタースピード・ISO感度」を弄っていることも多いと思います。もちろんそれで「適正露出」を得られていられるのならなんにも問題はありません。

ただ、この3つの要素をきちんと理解して操れるようになると、写真の表現がいろいろと広がっていきますよん。

今日覚えておきたいのは

  • 適正露出を得るためには「絞り・シャッタースピード・ISO感度」をきちんと設定する
  • 「絞り・シャッタースピード・ISO感度」の3つの要素はそれぞれ相関関係がある
  • 「ボケ」や「ブレ」を出すために絞りやシャッタースピードを変化させるのではなく「まず適正露出を得るため」

この3つです。

次回はこれらの要素がどんなものか、ひとつひとつ見て行きましょう。

関連記事

露出