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紅葉撮影の基礎知識とかっこよく撮るための8つのアイデア

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清水寺 ライトアップ

秋の撮影のメインイベントである紅葉。

とってもキレイな赤や黄色の木々をかっこよく撮影するために、その基礎知識といくつかのアイデアをまとめてみました(๑´ڡ`๑)



そもそも紅葉って何だ?

紅葉をキレイに撮るには、まずはキレイな紅葉になる場所に行かなくては話になりません。ということで、まずは紅葉って何か?どういう条件になると紅葉するのか知っておきましょう。そんなのめんどくせー!手っ取り早く撮りたいんだ、急いでんだってかたは適当にすっとばしてくれよな!

紅葉とは

yusien-momiji.jpg

落葉樹は、光合成の効率の悪くなる冬を迎える前に、葉っぱに老化現象がおこり落葉する準備が始まります

モミジなどの赤く紅葉する種類のものは老化の過程で緑色の色素であるクロロフィルが分解される一方、アントシアニンという赤の色素が生成されます。

イチョウなどの黄色く黄葉するものはもともと黄色く見えるカロチノイドという色素を持っていて、緑のクロロフィルが分解されることで黄色が目立つようになってきます。

どんな条件で紅葉しだすのか

紅葉と涸沢小屋

最低気温が8℃以下になると紅葉が始まります。ですので、桜前線とは逆に北の方や高度の高いところから順々に紅葉が始まっていき次第に南下していきます。

キレイに紅葉する条件としては以下のとおり

  • 気温差が大きい
  • 昼間に充分な日光がある
  • 適度に雨や水分がある

気温差が大きい

8℃以下で始まる紅葉ですが、夜間に急激に冷えこむことで鮮やかな色になります。できれば最低気温が5℃くらいで日中は晴れているような日が続くとグッと紅葉が進みます

山や盆地などはこの寒暖差が大きいので紅葉の名所が多いんですね。

昼間に充分な日光がある

昼間にしっかり日光があたる場所のほうが、アントシアニンの生成が活発になります。なので、日陰のほうにある葉っぱは紅葉が遅いです。

適度に雨や水分がある

秋から冬にかけては空気が乾燥してくるので、雨や水分が無いと紅葉する前に枯れてきてしまいます。

紅葉の期間はけっこう短い

早いところでは9月から、遅いところで12月ごろまで見れる紅葉。基本的には北から南、高所から低所にかけて下りてきます。

その見頃の期間というのはかなり短く1週間〜10日くらい。山などの紅葉は鮮やかなかわりにそのピークの時期はもっと短く4〜5日くらいだったりします。

天気も不安定な秋の時期、テレビやネットSNSなどを活用して見頃の時期を外さないようにしたいものです。



紅葉を撮るために覚えておきたい基礎知識

何時頃を狙うか

やっぱりベタなのはマジックアワー

大山 鍵掛峠の夕景

紅葉に限りませんが、やはり写真を撮影するのに最も適しているのは日の出・日の入りのころのマジックアワーを狙うのがベストですね。何をどう撮っても大勝利なマジックアワー、さすがです。

特に紅葉というのは赤く染まった感じを表現したいので、赤がさらに日の光で赤く染められているとさらに雰囲気が増します。ちょっとくらい茶色くなっててても陽の光で赤く染めてもらえば気にならなくなります(白目

朝、夕のどちらのマジックアワーを狙うかが気になるところですが、紅葉の場所によってベストな時間帯が変わると思うのでいろいろ調べてからいきましょう。太陽の方向を狙うのもいいですが、あえて斜光が紅葉一体を染めているのを狙うのもありです。

お昼でもあまり陽が高くならない時間に

金言寺 イチョウ お昼

青空と紅葉を合わせるのもキレイなんですが、それでもあまり陽が高くならないうちに撮りたいものです。

太陽が高くなる日中は明暗差も大きくなり、どうしても写真撮るのが難しい時間帯ですよね。スマホでとっても変わんない時間帯。スマホタイムです。

天気

そりゃあ晴れるのが1番なんですが、秋ごろはそうそうお天気の良い日って少ないですからね。また天気悪い!ってへそまげて家に閉じこもっているとせっかくの紅葉の時期、酒飲んで終わってたなんてこともあるので、とりあえずは外にでかけましょう。

晴れ

大正義。あとは爆焼けを狙うなり美しい光線を狙うなり、とにかくやりたいように撮りましょう。

曇り

紅葉 曇り、

曇りの日にはとにもかくにも空を入れないような構図を狙いましょう。鮮やかな紅葉も真っ白な空に引っ張られてしょんぼりした画になります。

曇りってあんまりいい条件でないような気がしますが、晴れの日と比べ葉っぱに明暗差が出にくく、案外わるくなかったりします。ちょっと鬱蒼とした森の中の紅葉とかを狙ってみるのもいいかもしれません。

匹見峡の紅葉

雨の日だってワンチャンあります。雨にしっとりと濡れた紅葉は非常に妖艶な雰囲気を醸し出します。あまり豪雨だと葉っぱがブレて撮影どころではないかもしれませんが、小雨程度だったらカメラやレンズなどの雨対策だけしてやって撮影にでかけましょう。僕はお酒でも飲んでますが。

レンズの選び方

広角

本谷橋からの紅葉

目の前いっぱいに広がる紅葉を撮りたいならやっぱり広角レンズですね。とはいえ、広角ってわりと何撮りたいか曖昧になりがちなので気を付けましょう。

山の紅葉などは広角映えする被写体ですよね。

マクロ

マクロ 紅葉

マクロレンズで小さい秋を見つけてやるのもいいですね。ただ、マクロは主題ばっかりになってしまいがちなのでなにかしら一工夫いれたいところです。

望遠

三滝寺 紅葉

紅葉撮影で案外使えるのが望遠レンズ。印象的な場面を切り取ってやるもよし、独特の前ボケや後ボケできれいな色を出してやるも良し。こちらも主題ばっかりにならないように一工夫を。

カメラの設定

紅葉を撮影するときにカメラ側の設定で気をつけたいことをチェックしておきましょう。

彩度をあげすぎない

赤 飽和

キレイな紅葉を鮮やかに写したく、カメラ側の設定を「ビビッド」などの設定にされるかたも多いと思います。ただ、カメラってけっこう赤色が苦手で彩度を上げるこれらの設定をしていると「色飽和」を起こしてしまいます

色飽和 紅葉

本来なら葉っぱの細かい部分が残っていなければならないのに、彩度を上げすぎて赤が強くなりご覧のとおりのっぺりとした画になってしまいます。彩度を上げる際は、きちんと拡大して色飽和してないかチェックしておきましょう。

ホワイトバランスでいろんなイメージを

ホワイトバランスごとの違い

ホワイトバランスを変えることで紅葉の雰囲気もグッと変わってきます。

「曇天」や「日陰」などを使うと暖色系の色になるので、紅葉っぽさがでます。また、電球や蛍光灯などもおもしろい雰囲気になりそうです。とはいえ、背景や他の被写体にも色がかぶってくるのでやりすぎも注意が必要です。

それでも僕は好きなんで、曇天で撮りますが

露出補正でも雰囲気が変わる

露出補正をすることで、同じ被写体でもいっぺんに雰囲気が変わってきます。何が正解ということもありません、いろいろ試してみましょう。

モミジ アンダー

僕が好きでよくやるのが、背景が真っ暗になるまでの、どアンダー。被写体が浮き上がるような雰囲気になるので、明暗差があったらとりあえず撮ってます。

モミジ 透過光い

反対に透過光なんかを撮りたいときはプラス補正してやるといい感じになります。逆光の場所を見つけたらチャレンジしてみましょう。

あると便利なもの

PLフィルター

葉っぱがよけいな光を反射している時があるので、それを抑え、あざやかな色を出すのにPLフィルターが1こあると便利ですね。

お昼に撮りたいときは空もきれいな青にすることができます。

ハーフNDフィルター

山の紅葉が夕日や朝日に染まるのを峠から狙ったりするとき、明暗差がけっこうキツイのでハーフNDフィルターがあると便利です。

現像ソフトで段階フィルターをかけたり、HDR合成なんかでも代用できますが、現地でできることは現地でやっておくにこしたことはありません。

三脚

有名な場所など禁止されていることが多いですし、禁止されてなくても人の多い場所ではその使用を注意したいですが、それでもやっぱり三脚があるといいですね。

特に夕焼け、朝焼けを狙うなら1本ほしいところです。

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紅葉をかっこよく撮るための8つのアイデア

さてさて。とりあえず基礎的なことはここまでにして、やっぱりあれですよね、手っ取り早くそれっぽいの撮りたいですよね。ログカメラは手っ取り早くかっこよくがメインテーマです。

ここでは、紅葉を撮るときにかっこよく撮るためのいろんなアイデアを書いてみます。

1.リフレクションを狙う

永観堂 紅葉 ライトアップ

みんな大好きリフレクション

いつもはなんてことない光景でも、木々が鮮やかに紅葉しだすとその雰囲気が一変するような場所たくさんありますから、いろんなところをチェックしておきましょう。

有名な庭園の池なんかはベタなので抑えたいですし、沼や湖、川や池などいろんなところにリフレクションのチャンスがあります。風がピタリと止めば、まさしく鏡のような世界になります。その瞬間をしっかり待ちましょう。




リフレクションの撮り方!鏡のような逆さまの世界を切り取ろう!!

2.ライトアップされた紅葉を撮る

清水寺 ライトアップ

こちらもみんな大好きライトアップ

ライトアップの何がいいかって、多少紅葉してなくても、なんか光が当たってそれっぽく見えることですwwもちろん、しっかり紅葉しているとさらにキレイですが。

暗いので三脚が欲しいところですが、京都などは使えない場所もたくさんあるので、そういう場所では気合の手持ちで撮りましょう

3.山に登る

紅葉と涸沢小屋

山の紅葉は平野部で見る紅葉とはまた違ったダイナミックさがあります。見頃の期間が非常に短く、なかなか狙うのが難しいのですが、その分美しいところはハンパなく美しいです。

登山までしなくてもケーブルカーで上がれるようなお手軽な山の紅葉もあるので、探してみましょう。

4.シルエットを狙う

鰐淵寺 紅葉とシルエット

赤に合う色って、いろいろありますが、やっぱり黒との相性はバツグンです。

紅葉で有名なところはどうしても人がたくさんいらっしゃるのですが、そういった時はいっそシルエットにしてしまうとかっこいいわけです。

5.渓流を副題にする

匹見峡の紅葉

流なんかも紅葉と合わせてやると、手っ取り早くかっこよくなる副題。水の青さと紅葉の赤、静と動。他にも滝の側でキレイに紅葉するような場所もおもしろい画が撮れると思います。

NDフィルターがあると長時間露光で、渓流をヌルっと表現できるので僕は好きです。

6.落葉を狙う

鰐淵寺イチョウとモミジのグラデーション

ぼやぼやしてたら、見頃の時期を過ぎてしまった!なんて時も慌てない。落葉を狙うのも紅葉の楽しいのひとつ。

特にイチョウの大きい木などは、まるで黄色い絨毯のような落葉するので狙い目です。

7.星と撮る

鍵掛峠 北天 大山 夜景

秋にスカっと晴れる日ってなかなか少なかったりするんですが、それでも星空指数なんかを見てよさげな日があったらぜひ狙いたい紅葉と星。

夜はかなり寒くなってくる時期なのでしっかり防寒対策をしておきましょう。

8.額縁構図を狙う

安国寺ドウダンツツジ

紅葉がキレイな寺社などでは、建物の中の窓から庭園の紅葉が見えたりする場所があります。京都の源光庵の「迷いの窓・悟りの窓」なんかが有名ですね。

目の前いっぱいに広がる紅葉もいいですが、額縁のように切り取られた紅葉というのも美しいものです。

額縁構図を狙える場所は限られますが、見つけたらバシバシ撮ってみましょう。



紅葉する植物の種類

赤・黃・茶などいろんな色に紅葉する植物。けど、案外どんな植物が紅葉しているか知らなかったりします。ここでは秋に紅葉する植物で撮影するとかっこいいものをまとめてみました。

モミジ

鰐淵寺の紅葉

紅葉と書いてモミジと呼ぶくらいの、キングオブ紅葉。赤く紅葉する植物としてはカエデも有名ですね。これらはどちらもカエデ科カエデ属の植物なんですが、葉の切れ込みの深いものをモミジ・葉の切れ込みの浅いものをカエデと呼びます。

イロハモミジ・オオモミジ・ヤマモミジなど、日本にはたくさんの種類のモミジがあります。

イチョウ

金言寺の大イチョウ リフレクション

紅葉するもので1番有名なのがモミジであれば、黄葉する植物はやはりイチョウが出てきますね。

イチョウは1本の木がものすごい大きくなるので、大イチョウの有名な所に行くと、迫力満点の姿を見ることができるでしょう。イチョウ並木なんかを撮るのもいいですね。

銀杏(ぎんなん)のつく雌株はけっこうかぐわしいかおりがします。

ドウダンツツジ

ドウダンツツジ 安国寺

ツツジ科の植物、ドウダンツツジ。モミジに負けず劣らず真っ赤に紅葉します。

葉っぱが小さいので離れたところから見るとまるで炎が燃えているような雰囲気。

ナナカマド

涸沢 パノラマコースから見る紅葉

バラ科の落葉樹であるナナカマド。こちらも真っ赤に染まります。

涸沢など、山できれいに紅葉してるのを見る他、北海道や東北では街路樹としても植えられています。

ダケカンバ

涸沢の紅葉

山で赤く染まるのがナナカマドなら黄色く美しいのがダケカンバ。

シラカンバ(白樺)とよく似ていますが、シラカンバよりも標高の高いところに生えています。

メタセコイア

メタセコイア

樹高25〜30mのけっこう大きい木。細い葉っぱで、紅葉すると赤茶色になります。

並木道などに植えられていることもあり、滋賀県のメタセコイア並木などは有名です。

まとめ

冬の前、植物たちが色鮮やかに染まる紅葉のシーズンというのはホントに楽しいものです。

せっかくの紅葉、ぜひキレイに撮ってくださいね。

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