るろうに剣心の志々雄編以降が蛇足という風潮に一言いいたくて

るろうに剣心の映画がけっこういい出来みたいで話題になっていますね。
作中でも一番の盛り上がりを見せた「志々雄真実編」の映画化なので、きちんと映画化されてるみたいなので嬉しいです。

そんな中、ネットをぼんやり見ていたらこんなのを見つけたのです。

ジャンプ漫画の三大蛇足「北斗の拳ラオウ倒した後」「るろうに剣心の志々雄真実倒した後」:哲学ニュースnwk

 

 

確かに志々雄真実編はるろうに剣心の中でも抜群におもしろかった反面、その後の展開が今ひとつだったのは否定できません。

志々雄真実編以降のるろうに剣心は果たして蛇足だったのか?

 

もう、小学生低学年の頃から週刊少年ジャンプを買い続けていいる現役少年saizouなのですが、実際当時連載中のるろうに剣心を読んでいて、僕も思ってましたよ、「るろうに剣心、志々雄真実倒してからあんまおもしろくないなあ」って。

そう、「るろうに剣心」という作品を単体で見た場合、志々雄真実を倒したあとのるろう剣心はまちがいなくトーンダウンしていました。なので、この2ちゃんまとめのような意見が出てくるのもうなずける話ではあるのです。

ただ、しかしですよ、蛇足とせざるをえない状況が当時合ったじゃないかと!僕は言いたいわけですよ!

週刊少年ジャンプ「暗黒期」

週刊少年ジャンプには、連載陣の層が暑く、発行部数がすごかった頃を「黄金期」、反面、看板マンガがなくなり部数が減少しマガジンに抜かれたころを「暗黒期」なんて呼んだりします。

るろうに剣心が初めて連載されたのは1994年の週刊少年ジャンプ19号。ジャンプの発行部数が653万部を達成したピークが1995年の3−4号なので、その黄金期の一端をになった作品といえますね。

るろうに剣心が始まった頃の連載陣がこちら

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-:和月伸宏:新連載
■ドラゴンボール:鳥山明
■SLAM DUNK:井上雄彦
■幽遊白書:冨樫義博
■キャプテン翼 PRINCIPE DEL SOLE 太陽王子:高橋陽一
■とっても!ラッキーマン:ガモウひろし
■NINKU -忍空-:桐山光侍
■こちら葛飾区亀有公園前派出所:秋本治
■BOY:梅澤春人
■DRAGON QUEST ダイの大冒険:堀井雄二・三条陸・稲田浩司
■ジョジョの奇妙な冒険:荒木飛呂彦
■地獄戦士 魔王:苅部誠
■新ジャングルの王者ターちゃん:徳弘正也
■ろくでなしBLUES:森田まさのり
■ボンボン坂高校演劇部:高橋ゆたか
■影武者 徳川家康:隆慶一郎・曾川昇・原哲夫
■DNA2:桂正和
■翠山ポリスギャング:甲斐谷忍
■地獄先生ぬ~べ~:真倉翔・岡野剛
■王様はロバ -はったり帝国の逆襲-:なにわ小吉

1994年週刊少年ジャンプ

ドラゴンボールを筆頭にSLAM DUNK、幽☆遊☆白書、ダイの大冒険、ジョジョの奇妙な冒険など、看板マンガがひしめいている中、脇を固める連載陣も粒ぞろいでもうまさしく「黄金期」という名前に相応しい連載陣ですね。ていうか、いまさらながら思うけど、よくもこんな雑誌が作れてたな。

そんな中堂々の新連載を飾ったるろうに剣心。それ以前に読み切りも非常に完成度が高く、連載当初から良作の匂いがプンプンしていたのを覚えています。

次々に終了していく看板マンガ…

書類

1995年3−4合併号には最高発行部数を達成。とはいえ、看板マンガである「ドラゴンボール」も「SLAM DUNK」も終局にさしかかってきていました。

■SLAM DUNK:井上雄彦
■SHADOW LAY:桂正和:読切
■MIND ASSASSIN:かずはじめ
■ドラゴンボール:鳥山明
■みどりのマキバオー:つの丸
■とっても!ラッキーマン:ガモウひろし
■るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-:和月伸宏
■ボンボン坂高校演劇部:高橋ゆたか
■NANPO U DEN:梅澤春人:読切
■地獄先生ぬ~べ~:真倉翔・岡野剛
■ジョジョの奇妙な冒険:荒木飛呂彦
■キャプテン翼 ワールドユース編:高橋陽一
■こちら葛飾区亀有公園前派出所:秋本治
■新ジャングルの王者ターちゃん:徳弘正也
■DRAGON QUEST ダイの大冒険:堀井雄二・三条陸・稲田浩司
■影武者 徳川家康:隆慶一郎・原哲夫
■NINKU -忍空-:桐山光侍
■RASH!!:北条司
■ろくでなしBLUES:森田まさのり
■BOY:梅澤春人
■BAKUDAN:宮下あきら
■王様はロバ -はったり帝国の逆襲-:なにわ小吉

1995年週刊少年ジャンプ

とんでもない連載陣ですね。そりゃあ最高発行部数達成するわ。

ただ、この黄金期を支えていた作品たちがこのあと次々と連載を終了していくことになるのです。

1994年32号 幽☆遊☆白書 最終回

最高発行部数を達成する少し前に、「HUNTERXHUNTER」の作者である冨樫義博先生の前作「幽☆遊☆白書」が最終回を迎えます。

最後のほうは今でも冨樫先生の作品に見られるような「ラフな感じw」になってきて、なんとなく尻すぼみな感じではありましたが、個人的にはめちゃくちゃ好きな作品でした。アニメにもなった、間違いなく看板マンガの一つがその幕を閉じます。

1995年18号 新ジャングルの王者ターちゃん 最終回

黄金世代を支えたマンガの一つ。ターちゃんが終了します。脇をがっちりかためるマンガの一つでした。

1995年25号 ドラゴンボール 最終回

当時、絶大な人気を誇っていた「ドラゴンボール」。もうちょっとだけ続くんじゃ、と言いながらなかなか終わらなかった巨星も、とうとう最終回を迎えます。

あまりにも作品が大きくなりすぎて、作者や編集の一存では終われなかったなんて話も聞きますがそれでもやはり終わりというのはやってきます。当時はかなり衝撃的だったことを覚えています。

1996年27号 SLAM DUNK 第一部完

ドラゴンボールの後を追うように、SLAM DUNKの第一部が完了します。今なお第二部が始まらないことから、事実上の最終回ともいえるでしょう。

山王戦前、いくつもの伏線を張りながらの終了だったのでびっくりしました。

1996年52号 ダイの大冒険 最終回

ダイの大冒険もジャンプの誌面を賑わせた作品のひとつ。かなりの大長編になったものの大団円をむかえることができました。

1997年10号 ろくでなしBLUES 最終回

不良マンガの金字塔、ろくでなしBLUESも1997年に終焉が訪れます。9年間の連載でした。

看板マンガ不在の1997年

ろくでなしBLUESが終了した1997年10号の連載陣がこちら

■私のカエル様:川島雄輝:新連載
■るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-:和月伸宏
■すごいよ!!マサルさん:うすた京介
■封神演義:藤崎竜
■地獄先生ぬ~べ~:真倉翔・岡野剛
■BOY:梅澤春人
■魔女娘ViVian:高橋ゆたか
■遊戯王:高橋和希
■真島クンすっとばす!!:にわのまこと
■ジョジョの奇妙な冒険:荒木飛呂彦
■とっても!ラッキーマン:ガモウひろし
■ろくでなしBLUES:森田まさのり:最終回
■こちら葛飾区亀有公園前派出所:秋本治
■みどりのマキバオー:つの丸
■BE TAKUTO!!:野口賢一
■キャプテン翼 ワールドユース編:高橋陽一
■WILD HALF:浅美裕子
■幕張:木多康昭

1997年週刊少年ジャンプ

おもしろくないマンガが無い!というわけではありませんが、「週刊少年ジャンプ」という雑誌を引っ張っていくようなエネルギーをもったマンガが無いのも事実です。

志々雄編が幕を閉じた時のるろうに剣心のコミックが17巻。その発売日は1997年の10月です。つまり、1997年には看板マンガである、るろうに剣心の渾身作とも言えるそのシリーズさえも終了するのです。

このころもきっちり週刊少年ジャンプを毎週購入していたのですが、もうはっきり覚えています。

「週刊少年ジャンプがぜんぜんおもしろくない!」

黄金期を支えた連載陣がジャンプを去っていくのに、始まる新連載はことごとく打ち切り。かたや、「初めの一歩」「GTO」「サイコメトラーEIJI」「金田一少年の事件簿」「シュート」など、粒ぞろいになっていくマガジン勢。発行部数が抜かれたのもうなずけますし、僕も当時はジャンプを定期購読しながらも「マガジンおもしろいなあ…」と思っていました。

るろうに剣心は終われなかったんじゃないだろうか……

 

 

SLAM DUNKが山王戦で有終の美を飾ったように、るろうに剣心も志々雄編で終わっていればよかったかもしれませんよ。

けどね、当時ジャンプという雑誌を購入させる力を持ったコンテンツは唯一るろうに剣心だけだったのではないかと、個人的には思っています。それが、だんだんと力を失っていっているのを、読者や編集、作者でさえもなんとなく気づいてはいたのではないかもしれません。

けど、あの状況でさー、「やめまーす♪」って言って連載終了できるような状況じゃなかったじゃん。っていまさらながら僕は思うんです。

蛇足だろうが、なんだろうが、とにかくるろうに剣心が終わっちゃったらもうそれこそ週刊少年ジャンプを定期購読してた人たちが全部マガジンに行っちゃうような、そんな危機感があったじゃないか。少なくとも僕はそうだったよ。

ジャンプが再び看板マンガを掲載するまで

暗黒期を抜け、ようやくジャンプがおもしろくなってきたころっていつ頃ですか?

僕はワンピース、HUNTERXHUNTER、NARUTO、シャーマンキング、ヒカルの碁、ROOKIESなどが掲載されたぐらいから「お?なんか、最近のジャンプもけっこう勢いあるやんけ!」という感想をもったなあっていうふうに覚えています。

んでそれぞれの連載作品の掲載時期がこうですよ。

  • ONE PIECE-1997年34号
  • ROOKIES−1998年10号
  • HUNTERXHUNTER−1998年14号
  • シャーマンキング−1998年31号
  • ヒカルの碁−1999年2−3号
  • NARUTOーナルトー−1999年43号

いまやドラゴンボール以来のジャンプの看板マンガとなったワンピースも97年の連載当初はまだまだ実力は未知数でした。しかし、このころから少しづつではありますがジャンプの雑誌としての勢いが復活していっているのがわかります。

1993年43号に連載開始した「NARUTO」とその幕を閉じた「るろうに剣心」

 

 

今回、この記事を書くにあたって、色々調べてみて気づいたんですが、「NARUTO-ナルト-」の新連載された時と「るろうに剣心」の最終回って同じ「1993年43号」なんですね。

僕ぁ、もうね、これみてホント感極まってしまいました。

■NARUTO -ナルト-:岸本斉史:新連載
■ONE PIECE:尾田栄一郎
■世紀末リーダー伝たけし!:島袋光年
■ヒカルの碁:ほったゆみ・小畑健
■ライジングインパクト:鈴木央
■HUNTER×HUNTER:冨樫義博
■るろうに剣心:和月伸宏:最終回
■封神演義:藤崎竜
■テニスの王子様:許斐剛
■シャーマンキング:武井宏之
■I"s<アイズ>:桂正和
■花さか天使テンテンくん:小栗かずまた
■明稜帝梧桐勢十郎:かずはじめ
■ホイッスル!:樋口大輔
■こちら葛飾区亀有公園前派出所:秋本治
■ZOMBIE POWDER:久保帯人
■ROOKIES:森田まさのり
■サバイビー:つの丸
■CHILDRAGON:あずまけいしん
1999年週刊少年ジャンプ

コレ見てもらったらわかると思うですが、ようやく、ようやくですよ?なんとか「週刊少年ジャンプ」という雑誌になってるんですよ。

ボロボロといっても過言ではない「週刊少年ジャンプ」という看板をたったひとりで守り続けた「るろうに剣心」がやっと、次の新人である「NARUTO-ナルト-」にバトンを繋げた瞬間です。それは、蛇足だなんだと揶揄された中の、その瞬間です。いかん、なんだか泣けてきた。

その後のジャンプは再びマガジンを追い抜き、発行部数1位の座に返り咲いたことはみなさんも記憶にあたらしいと思います。

るろうに剣心は偉大な作品だった

るろうに剣心

るろうに剣心という一つの作品として見た場合、間違いなく志々雄編以降はトーンダウンしています。それだけ、志々雄編の熱量がすごかったというのもありますが。

しかし、ジャンプの歴史で見た時、るろうに剣心は無くてはならない屋台骨だったことを僕はもう一度、ネットの片隅から皆様にお伝えしたいわけです。

それは途切れてしまいそうな、まるで蜘蛛の糸のようだったのかもしれません。けれど、それを次世代にきっちりつないだ作品の終盤をただ「蛇足」の一言で片付けるのは、ずっとジャンプを愛読している僕からしたら、なんとも違和感を感じてしまうのです。

また、るろうに剣心時代のアシスタントからは人気作家を多数輩出したのも有名です。そのアシスタントたちは

  • 尾田栄一郎(ONE PIECE)
  • 武井宏之(仏ゾーン、シャーマンキング、重機人間ユンボル)
  • 鈴木信也(Mr.FULLSWING)
  • しんがぎん(鬼が来たりて)
  • いとうみきお(ノルマンディーひみつ倶楽部、グラナダー究極科学探検隊ー)

と、まさしく次の世代を担った作家さんばかりです。

だいぶ昔の作品になっていまったるろうに剣心。今、再び映画化されて久しぶりにスポットライトを浴びることができ、新規でるろうに剣心に触れる読者もいるでしょう。

そして、冒頭の2ちゃんまとめみたいな感想を持ってしまうのも分からないこともないのですが、それでも、当時こんなんだっんだなあってちょっと思っていいただければ幸いです。

まとめ

なんか、逆算していけば僕の年齢がわかってきそうな気もしますが(;´Д`)

それでもいまだに「週刊少年ジャンプ」を定期購読しているので、まだまだ少年だと思っています。

関連記事

-ライフ
-, ,