本が出ました!「美しい風景写真のマイルール」

星景用の超広角レンズを探しています。おすすめはありますか?

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日御碕灯台 星 ぐるぐる

  • お名前:TKさん
  • 予算:10万円
  • 撮りたいもの:星景と、少しの夜景
  • 大きさ重さ:重いのはいや
  • 機材:D750、純正16-35mm/f4、samyang12mm/f2.8fiseeye、純正24mm/f1.8など

こんにちは。いつもブログ拝見しております。本日は星景用(と、少し夜景も)のレンズの相談です。

現在超広角域は純正の16-35mm/f4を使用しており、星景用にsamyangの12mm/f2.8魚眼も使用しております。 今年は星景をたくさん撮影しようと考えておりまして、魚眼でない星景用のレンズで迷っております。

候補はtamronの15-30mm/f2.8、samyangの14mm/f2.8、純正20mm/f1.8、sigma20mm/f1.4です。純正14-24mmやsigma12-24mmは設計の古さや価格、重さなどからあまり考えていません。

tamronの15-30mm/f2.8

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

(メリット)

  • 純正16-35mm以上、場合によっては14-24mmを凌ぐ画質
  • 星景以外の景色にも使うことが出来る ・旅行に持ち歩き振り回せるような筋力がつけば、昼間の景色も撮れるし、夜に突然星が撮りたくなっても大丈夫。夜中に街中スナップをしたくなっても大口径+手振れ補正があるので安心。

(デメリット)

  • 重すぎてたぶん持ち歩かない、持ち歩くなら純正16-35で十分。自分は海外旅行にもよく行き、片手で振り回すことが多いので、軽いは正義。また、レンズがカメラ本体より重いときに片手で振り回すとマウントが歪みそう。片手でシャッター切れるくらい軽くないと。
  • 16-35mmはどの距離も使っているけど、たぶんこのレンズは広角端しか使わない気がする。
  • 三脚に乗せるなら手振れ補正は不要。というか、手振れ補正が必要なシーンが夜のスナップくらいしか思いつかないが、それなら今持っている24mm/f1.8や35mm/f1.8で十分。

samyangの14mm/f2.8

samyang 14mm f2.8

 (メリット)

  • 昼間は純正16-35mm、夜はsamyangと使い分けが出来る。
  • 星景専用と割り切るので、AFも不要
  • 比較的軽い。純正16-35mmと両方持って、tamronと同じくらいの重さ
  • 絞り羽根が6枚で、夜景で絞ったときの描写が好み

(デメリット)

  • 品質に不安 ・設計が古い
  • 単焦点にしてはそこまで明るくない。それなら純正20mm/f1.8やシグマ20mm/f1.4でもいいかも。でも、24mm/f1.8は持っているので20mmにそこまで魅力は感じない。
  • その画角から、本当に星景でしか使わない。使えない。

純正20mm/f1.8

Nikon 20mm f1.8

(メリット)

  • 軽い。これと24mmスタートの標準ズームがあれば、16-35mmは持ち歩かなくてもいいかも。
  • 小さい。バッグにすっぽり。

(デメリット)

  • 純正24mm/f1.8を持っている

sigma20mm/f1.4

SIGMA 20mm f1.4

(メリット)

  • f1.4

(デメリット)

  • 純正24mm/f1.8を持っている
  • 単焦点にしては重い

saizouさんが超広角域のレンズをどの程度使っているかも合わせて、アドバイスください!

TKさんこんにちは。

星景写真は楽しいですよね。星という小さな点を隅々まで解像させたいので、レンズ選びにいろいろ迷ってしまいますね。



星景を撮るのに適したレンズはどういったものか?

すでに単焦点をいくつもお持ちなので、いまさらかもしれませんが、どういったレンズが星景に適しているのかちょっとまとめてみたいと思います。

明るいこと

日周運動を撮るにしろ、天の川など星を止めて撮るにしろ、夜間の撮影は高感度ノイズとの戦いになってくるので明るいレンズであるというのは必須条件ですね。

広角であること

山王寺の棚田

星景は星と風景を写します。星との絡め方はいろいろあるのですが、やはり広角であるほうが使いやすいです。

どの画角を選ぶかは悩ましいところですが、天の川の根本から先まで入れてさらに風景までとなるとやはり15mmくらいの広角レンズが欲しいところです。上の棚田と天の川の写真がちょうと15mmくらいの画角になります。

とはいえ、広すぎると今度は風景が小さくなりすぎて何撮ってるか分かんないこともあるので、やっぱり悩ましいです。

開放でもしっかり写ること

普段撮る風景と違って、どうしても星景だと明るさを得るために開放付近で撮ることが多くなります。絞ればシャープなレンズでも開放付近になるといろいろと問題がでてくることがありますよね。

コマ収差

サジタルコマフレア

開放付近で撮った時、周辺の星が尖ったようになることがあります。これをコマ収差といいます。赤丸がよくわかると思いますが、その周辺の星もすべてコマ収差がでています。

絞ることで解消されるのですが、開放で撮ることが多いのでどこまで絞るか気になるところです。

周辺の星のながれ

星が流れている

中央部ではピントがあっていても、周辺部ではどうしてもゆるくなってきてしまいます。そういった周辺の星がながれたり、解像があまくなったりするのも気になるポイントの一つです。

周辺減光

天の川 周辺減光

天の川などの星は、普通に写すとモヤのようにしか見えません。くっきりとさせるには現像ソフト等でコントラストをあげて強調処理をします。

コントラストをあげるとレンズを開放付近で撮ったことによる周辺減光が目立ってきます。この写真の四隅も減光しているのがおわかりいただけると思います。

これらの問題は全部開放付近で撮ることによる現象です。とはいえ、どのレンズを使ったところで多かれ少なかれこういった問題にぶち当たると思うので、あんまり神経質になりすぎる必要もないと思います。

あるていどおおおらかな気持ちでいるか、ほんとに気に入らなければ、様々な画像処理をする、という方法などもありますが、ここでは蛇足なので省きます。

逆光に弱くない

完全に星だけ狙うのなら、真っ暗なところで空だけ向ければいいのですが、星景となるとどうしても街灯などが入ってくるシチュエーションもあります。

広角レンズはどうしても逆光に弱くなりがちなんですが、それでも使い物にならないくらいのフレアやゴーストが出るものもあるので、あまりにも弱いものは避けたほうがいいと思います。



星を撮るのにはどの広角レンズがいいのか?

ではでは、今回候補にあげていただいているレンズについて、僕なりの感想を。

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

涸沢の天の川

TAMRONの15−30mm。純正の14−24mmに匹敵する解像感との評価もよく見ます。僕はこれ持っていますが、かなり満足感のあるレンズです。

とはいえ、今回あげられている4本の中では唯一のズームレンズ。単焦点と比べてしまうと少し分が悪いところもいくつかあります。

開放で撮ると、広角端の周辺はやはりけっこう緩いです。このへん、神レンズと呼ばれる14−24mmとどのくらい違うのか気になるとことですが、14−24mmを使っているかたの話を聞く限りそういった話を聞かないのでやっぱり14−24mmは神なのかもしれません。

重さも純正を超える1100g。おまけに出目金なので、お世辞にも振り回しやすいとは言えません。けれど、僕は山にも海外にも持って行きます。15mmの超広角から30mmのわりと使える画角までカバーして、f2.8通し、おまけに手ブレ補正。ありそうでない、見た目以上に「使いやすい」レンズです。

今回の質問が最初の1本、であれば間違いなくオススメできるレンズです。

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SAMYANG 14mm F2.8 IF ED UMC

14mmってなるとかなり広角。なんもかんも写っちゃうので、被写体を選びそうな画角です。さらにマニュアルフォーカスですし、使う場面がけっこう限られそう。また、samyang製品は個体差がけっこうあるという話も聞きます。

また歪曲がすごいので建造物を入れた夜景は気を使う必要がありそうです。

そういったデメリットも実売3万円台という価格が全部ひっくり返すほどのコストパフォーマンス

14mmという画角も、必要な時にはやっぱり必要ですからね。この明るさでこの画角、あとはNikonの14−24mmぐらいかと思います。

写り自体もその価格からは考えられないくらいよさげです。

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AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED

Nikon 20mm 作例

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED – 製品特長 | レンズ | ニコンイメージング

20mmという画角なんですが、天の川の根っこっから先のほうまで全部いれるとけっこうギリギリになりそうですね。これに風景を入れてとなるとけっこう窮屈な感じになるかもしれません。構図に工夫がいりそうですね。

レンズ自体の性能はかなり良さそうです。

サジタルコマフレアは出るようですが、これは開放付近ではどうしようもないもの。f2.8くらまで絞ると収差も減光もかなり気にならなくなります。せっかくのf1.8のレンズなのに、と思うかもしれませんが、開放がf2.8でゆるいレンズと、開放f1.8でそこから絞ることができるというのはまた意味合いが違ってきます。

ナノクリもあり逆光にも強い、軽い、周辺までシャープとかなり満足度の高い1本かと思います。

ボケなどもキレイなので、日中のスナップなんかでも楽しそうです。

この4本の中では唯一出目金レンズではないので前玉にフィルターが装着できます。星景では各種フィルターを使うことも多いと思うので便利ですね。

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SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art

SIGMA 20mm 1.4

SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art – 株式会社シグマ

Artラインの広角単焦点レンズ。Artラインはどのレンズも評判いいですよね。

とはいえ、こちらのレンズもサジタルコマフレアはしっかり出ます。Nikonの20mm同様、f2.8くらいまで絞れば解消されますが、同じ画角のレンズとして比較した時、f1.4のメリットは星撮りとしては活かせないかもしれません。

ただ、20mmでf値1.4というのは現在のところこのレンズだけですからね、SIGMAさんの変態ぶりがよく出ていてすごくいいと思います。

描写に関しても、作例見るかぎりかなりよさそうです。各種収差も抑えられていますのでこのへんはさすがArtラインといったところです。

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saizouのおすすめ

千鳥別尺の天の川

12mm fisheye、16−35mm、24mmと広角域レンズを豊富にお持ちなので焦点距離を埋めるのなら14mmがいいかなあとも思ったのですが、16−35mmって使っててどうですか?

作例を見ると広角端のf4、かなり甘い印象を受けました。星撮るならf4ってけっこうぎりぎりなf値だと思いますし、星景にはちょっと使いにくいのかなと。これが日中絞って使うには焦点距離も使いやすいので、実用的ではあるのですが。

ということでTAMRONの15−30mmを星景用に入れ替えるのもありかなあ、などと。単焦点レンズに比べてしまうとさすがに甘さもありますが、これ1本あったらどんな星景にも対応できると思います。それこそ、天の川から日周運動、将来的に赤道儀を使いたくなっても持ってて損はないレンズだと思います。ただ、やはり振り回すように使うには少々重すぎるかもしれません。

長沢のしだれ桜 天の川

明るさと軽さを両立させるのなら20mm。2.8まで絞れるのがいいところだと思います。かなりコンパクトなレンズなのでカメラバッグに忍ばせておくのにもいいですね。明るさを求めるならSIGMAもいいですが、これもけっこう大きなレンズ。コンパクトさを重視されているので、星撮るならNikonの純正のほうがよさそうです。

あくまでも個人的な考えでレンズを選ぶとするなら、15−30mmですね。重いのは重いですが、これ1本で広角域がなんもかんもできると考えるとわりとカメラバッグもすっきりします。出目金も慣れますし。

ただやっぱり持ち歩かないと本末転倒でもありますし、軽い、明るい、広角のNikonの20mmがいいのかもしれませんね。

追記:こちらもおすすめ

星を撮影するレンズ選びにおすすめの本が発売されました。こちらも参考にしてみてください。

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補足コメント

あれっくすさんより

こんちには。AF-S16-35mmF4所有しております。

星景撮影に使用した感想ですが、四隅は緩いですしサジタルコマフレアでまくります。それに saizouさんご指摘の通り開放F4ではちょっと厳しいですね。

収差を消すため絞るとISOを上げざるを得ずノイズが載ってきてしまいます。露光時間を 増やすと星の日収運動の影響が出ます(後で合成してグルグルにするならいいですが^^)

STさんより

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED持っていますよ。

軽いですし、いざとなればf1.8まで行けますし、AFもついています。これらのスペックに惹かれて購入しました。ただ、実はほとんど使っていません^^;

愛用されている方には大変失礼と承知で記載しますが、20mmのf1.8って結構中途半端でした。20mmってもう少し狭めの24mmでもいい場面で画角が大きすぎたり、逆に10mm台が欲しくなっちゃう場面が案外多くて。

※20mmが中途半端というのは本当に個人的な意見というか僕の感性から出てくる意見ですから20mmがダメとは全く思いません。

あと、個体差なのかもしれませんが僕の所有する20mm f1.8は解放での描写が甘いと感じます。そのため解放から使用する気になれず実質f1.8ではないんです。。。

Saizouさんのおっしゃる通り開放が f2.8なのとf1.8を絞ってf2.8にするのとでは意味が違う、けど逆に「1.8までスペック上は行けるのに使えない」、と悶々とするのが嫌であまり 使う気にならないのです。

僕は結局超広角レンズとしてはCarl Zeiss Distagon T*2.8/15mm ZF.2を使用しています。収差も比較的よく抑えられていますし星景写真を撮るなら15mmくらいあっても全然OKです。

Tamron 15-30mmいいと思います。値段も予算程度で15mmまで広角端で行けつつ20mm前後も包括されていてf2.8と明るく星景写真にもってこいだと思います。

まとめ

わりと細々したことを書いてきましたが、気になるといっても等倍にして隅々まで眺める、といったことをしなければそこまで気にしなくてもいいのかもしれません。あんまり、収差だ四隅の甘さだ、などと言っているとそればっかり気になりますからね。そんなに難しく考えなくても星は撮れます

今回、候補にあげられたレンズの中で僕が所有しているのは15−30mmだけだったので、他の3本に関しては作例を調べてみての感想になります。星を撮っていて、これらのレンズ所有されているかたがいらっしゃたらぜひ補足お願いします。

TKさんも他にご質問ありましたら、コメント欄で受け付けますのでぜひお気軽に♪

機材購入の相談はこちらをご覧ください(๑´ڡ`๑)

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