本が出ました!「美しい風景写真のマイルール」

「西洋絵画のみかた」を読んで絵のみかたが変わりそうな件

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西洋絵画のみかた

写真における構図づくりの参考にすべく、絵画をたまに見ているのですがまあ、学がないのであまりよくわからないことがあるのです。

とはいえ、ちょっとずつ勉強して絵のどんなところを見たらいいか理解を深めていくのはとても勉強になる

以前「絵を見る技術」という本を読んだのですが、とても参考になりました。

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とはいえ、やはりまだまだわからないのは「なんでこの画家は優れているのか?」という疑問。

これってもしかしたら絵を見るだけではなく「どのような歴史をたどってきたのか」というのを理解しないとイマイチわからんのではないか?と思い今回、手にしてみたのがこちら「語れるようになる西洋絵画のみかた」という本でした。



「語れるようになる西洋絵画のみかた」のここがいい!

Job gakugeiin man

さて、この本ですが、なにがいいかといいますとたくさんの有名な画家の作品を美術史に沿ってわかりやすく紹介してくれるということなんです。

僕みたいな素人からするとレオナルド・ダ・ビンチもピカソも同じように考えてしまうんですが、その実彼らが活躍した時代というのは500年くらい違っていたりします。

同じ絵画というジャンルながらも、それを書いた時代背景や歴史、風俗などはもうまるっきり違っているんですね。

最初にやった人はすごい

Music punk rocker

ブルースからの流れでロックを奏でたレッド・ツェッペリンや、プログレやハードロックが隆盛していたころにカウンターカルチャーとして現れたセックス・ピストルズなどなど。

それまでの時代の流れを変えるようなものを生み出した人たちというのはやはりすごいわけです。

けど、今の若い人が突然セックス・ピストルズのアナーキーインザUKを聞かされてもやっぱりピンとこないかもしれません。その時代にその国で歌われたからこそ与えた衝撃、というのがやっぱりあったはずでしょう。

んでもって。

そういった時代の流れ、潮流、そしてそんな流れを打破しようとする新しい風。そんな時とともに移ろう時代の趨勢と、時代を変えるようなエネルギーを持った画家や作品というのが美術史にもあるわけなんですね。

そんな移り変わりを作品と共に学ぶことができる

西洋絵画のみかた目次

ということで、そんな美術史の移ろいや、時代を変えたゲームチェンジャーのような画家たちをルネサンス期から20世紀美術まで知ることができるのが本書「西洋絵画のみかた」というわけです。

まあ、これがめちゃくちゃおもしろかった。

レオナルド・ダ・ビンチが天才ともてはやされる理由、レンブラントの用いた表現方法が斬新だった理由、写真の発明により新たな表現をもとめた印象派などなど。

なるほど、これが名画といわれるのはこういう流れがあったからなんだな、というのがよく分かるし、たしかにこの流れでこの表現ができたらそれは名画といえるわ、みたいなことが理解できます。

西洋絵画のみかた相関図

画家やパトロンなどの人物相関図などもあります。

好きに絵をかける今の時代とは違い、絵の具さえも高価であった時代ではそれを発注するパトロンなども必要であり、それらをとりまく政治や宗教、歴史なども当時の絵画に大きな影響を与えているわけです。



現在の写真の流行り廃りにもあてはまることがたくさんあるなあと…

立山とチングルマ

僕が写真を始めてからたかだか数年ではありますが、そんな数年でも好まれる写真というのはちょっとずつ変わってきたなあと思っております。

もちろん、写真といっても膨大なジャンルや作品があるので僕の観測範囲なんてとても狭いのですが、その狭い観測範囲の中でもやはり変化がすごい。

音戸の瀬戸公園ツツジHDR

フィルムからデジタルに移行してきたフォトグラファーたちが過度なデジタルレタッチをあまり好まなかった中、異なる露出を合成させ明暗差が少なく高コントラストを得られるハイダイナミックレンジ合成。

それを少し柔和にして棘っぽさをなくしながらも、シャドウを上げハイライトを下げ、彩度を増したような写真。

海外ではPhotoshopを駆使しし、絵画のような写真を作り上げるフォトグラファーもたくさん出てました。

スマホが普及し、SNSが一般的になると、その小さい画面で見るため、色やコントラストにインパクトのあるものがわかりやすくシェアされやすくなります。

そういった写真がSNSにあふれかえるようになると、カウンターとなるような、フィルム調の低コントラストで浅い色の写真が流行りはじめたり。

情報は早く、移り変わりも激しい

スマートフォン

ネットのおかげで、様々な情報にアクセスしやすい今の時代、いいものがあれば一気にその表現が流行ります。

流行り方も爆発的であり、消費されるのもまた早いというのも昨今の流れのひとつかなあなどとも感じる今日このごろ。

個人的にはどんどんおもしろいものが出てきてくれると嬉しいので、次はどのような表現が流行るのか楽しみにしています。昔流行ったものが再燃することもあるし、まったく新しい何かが生まれることもある。

そして、本書を読んでみると、そういった時代の流れ、表現の移り変わりは昔からのことなのだなあと学ぶことができるわけです。

まとめ

この「西洋絵画のみかた」を読むことで、ざっくりとした美術史の流れや、その画家がなぜすばらしいかというのが理解できたのはとても勉強になりました。

写真における構図作りに、絵画を参考にすることは多分にありますし、絵画と写真の表現の違いというのも今後の作品作りのヒントになるのではないかな、などと考えております。

次はどんな表現が人の心を打つのか。そして、願わくばその一端を担えるといいな、なんて思いました。