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カメラの大敵である湿度。一度カビが生えてしまうと自力で清掃するのは難しく、修理センター送りとなってしまいます。
防湿庫があれば安定した湿度を保ってくれるため安心に保管できますが、初心者のうちはなかなか手が出しづらいもの。ですので、ドライボックスに乾燥剤を入れて保管しているかたが多いのではないでしょうか?
今日はそんな乾燥剤の性能がどのように違うのか比較してみたので記事にしてみたいと思います。
- なんとなく選んでいるけど、ドライボックスに入れる乾燥剤はどれがいいの?
- 各メーカーから4つの乾燥剤の吸湿力を比べてみた
目次 非表示
ドライボックスにおすすめの乾燥剤はどれだ!?
今回、「第1回チキチキどの乾燥剤の吸湿力がいいかグランプリ」のために買い揃えたのはこちらの乾燥剤たち。
- 左上:ハクバ「キングドライ」
- 右上:エツミ「CarattO(カラット)」
- 左下:Kenko「ドライフレッシュ」
- 右下:フジカラー「カビ防止剤」
どれも有名メーカーのものばかりで、レビュー評価も高いものを揃えました。
測定方法
それぞれの乾燥剤をタッパーに入れます。湿度計も一緒にいれて一斉に密封。
入れる数についてですが、それぞれの使用の目安は
- キングドライ:約22Lに1個
- カラット:約20Lに1個
- ドライフレッシュ:約15Lに1個
- カビ防止剤:10cm以内のスペースに1個
となっていますので、それぞれ1個ずつ、カビ防止剤のみ2個をジップロックの中に入れました。
各乾燥剤のスペックも一覧にまとめたのでこちらもご覧ください。
それではスタート!
ある程度、湿度を高めるために浴槽にお湯を沸かし、それぞれのタッパーをしばらく放置。だいたい湿度70〜80%くらいになったところで乾燥剤を入れ、タッパーの蓋を閉めます。
ちなみにこちらの湿度計は100均で買ったものなので、そんなに正確なものではありません。ただ、湿度が下がればちゃんと数値も下がるので生暖かく見守っていただければ幸いです。
開始直後
- キングドライ:85%
- カラット:82%
- ドライフレッシュ:70%
- カビ防止剤:78%
開始直後。だいたいどれも70〜80%をさしています。さっそく誤差がありますが、まあ100均の湿度計ということでなにとぞ。
1時間後
- キングドライ:75%
- カラット:65%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:62%
チキチキ乾燥剤猛レース、いち早く抜け出したのはドライフレッシュでした。「70→45%」といきなり25%も下げる除湿っぷり。その後を追うのは、カビ防止剤とカラット。キングドライはわりとのんびりと、ちょっとずつ除湿しはじめています。
2時間後
- キングドライ:60%
- カラット:49%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:53%
2時間経過。いち早く抜け出したドライフレッシュでしたが、2時間経過後も45%。マラソン大会ではりきってトップに出るもそのあと、ずるずると順位を下げていた飯塚くんを思い出しました。
カビ防止剤、キングドライはのんびりと湿度を下げていきますが、カラットはここにきてもペースを落とすことなく49%としっかり除湿していきます。
3時間後
- キングドライ:53%
- カラット:40%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:49%
3時間経過。飯塚くん、もといドライフレッシュは45%で完全に足踏み状態。その隙をねらってカラットが差し込んできました。前回よりもさらに10%下げ40%に。
カメラや機材の保管に最適といわれる40%に最速で到達したのはカラットでした。
そのあとを追うようにカビ防止剤が49%、キングドライはまだ最後尾で53%。
4時間後
- キングドライ:50%
- カラット:38%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:46%
さて、最速で40%に到達したカラット選手でしたが、いやいや、まだできる、おれはまだ除湿したる、という強い気持ちでさらに2%さげてきました。これ、どこまで下げるつもりかちょっと心配ですね。
最速で湿度を下げたドライフレッシュなんですが、この数時間は45%あたりで停滞中。気づけばカビ防止剤も46%まで下げてきました。
キングドライも気づけば50%と、追い込みを始めています。
5時間後
- キングドライ:45%
- カラット:32%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:42%
一気に抜き去った興奮が冷めやらないのか、カラット選手がまだまだ湿度を下げ続けています。現在32%
30%以下になるとカラッカラすぎて今度はコーティングやゴムにあんまりよくない湿度になってきます。大丈夫でしょうかね。
ドライフレッシュはその後ぴったりと45%を維持。カビ防止剤が湿度を下げ42%、キングドライもドライフレッシュに並び45%となりました。
6時間後
- キングドライ:40%
- カラット:29%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:42%
ドライフレッシュはこのあとずっと45%で停滞していました。ドライフレッシュはシリカゲルが使われています。シリカゲルは除湿作用と同時に調湿する特徴もあるため、45%くらいのところで下げ止まるのかなと思いました。
カビ防止剤もシリカゲルに防カビ剤を浸透させた商品なので40%付近で湿度が安定してきましたね。
一方で、生石灰タイプであるカラットはぐんぐんと湿度を吸って29%に。同じ生石灰タイプであるキングドライは包材がナイロンであるおかげか、カラットに比べると吸湿がゆっくりです。
8時間後
- キングドライ:38%
- カラット:25%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:41%
シリカゲル組のドライフレッシュとカビ防止剤は45%と41%で横ばい。
一方で生石灰組のキングドライとカラットは38%と25%とさらに湿度を下げていきます。カラットちゃんはちょっと下げすぎじゃないですかね。
10時間後
- キングドライ:34%
- カラット:22%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:40%
シリカゲル組はもうほとんど変化がなくなりました。
生石灰組はさらに湿度を下げ、カラットが22%、キングドライが34%に。
12時間後
- キングドライ:32%
- カラット:20%
- ドライフレッシュ:45%
- カビ防止剤:40%
12時間経過。ここらで最終結果としたいと思います。生石灰タイプであるカラットはさらに湿度を下げ20%に。キングドライはナイロン製の包材のおかげか、湿度の下がり方はカラットよりゆるやかで32%。
シリカゲルの特徴のおかげかドライフレッシュは45%。カビ防止剤は40%あたりで安定しました。
総評
では、今回の吸湿レースを終えてみての総評をしてみましょう。
フジカラーカビ防止剤
フジカラーカビ防止剤ですが、カメラの保存にいいとされる湿度40%をきっちりとキープ。吸湿スピードも封入から3〜4時間くらいでしっかり湿度を吸ってくれていました。
今回、小さいタッパーに入れていたのですが、9.5Lのドライボックスに入れての実験の際も、やはり40%くらいを保ってくれていたので、調湿性能は高そうです。
さらにはカビを防止する気化性防カビ剤も含浸させているので、カビの発生もしっかりと抑えてくれるのも嬉しいポイント。
他の製品よりも若干価格が高くはあるのですが、この性能なら納得といったところでしょう。昔から愛用されているだけある、すばらしい製品だと思いました。
ドライフレッシュ
今回の他にも、いろんなシチュエーションで試してみたのですが、けっこう吸湿性にムラっけがあるのがドライフレッシュ。
今回のタッパーよりも大きな9.5Lのドライボックスでは、もっと湿度を下げていたのですが、今回は45%くらい。逆にもっとせまいジップロックみたいな入れものだと、そんなに湿度の上げ下げもありませんでした。
ただ、調湿性はありそうで、ある一定の湿度になるまでが早く、そこからその湿度をいつまでも保ってくれているのがドライフレッシュでした。
1枚あたりの価格は他の乾燥剤よりも高いものの、繰り返し使えるのでコスパは良さげです。
ちょっとでかいので、カメラバッグの隙間にいれておくみたいな使い方はあんまりできなさそう。そういう場合はスティックタイプも売っているのでそちらを選ぶといいでしょう。
キングドライ
知名度はいちばんなキングドライ。性能もしっかりしたものでした。吸湿力もしっかりと高く、効果的にドライボックス内の湿度を下げてくれます。ナイロンででてきているせいか、湿度の低下は同じ生石灰タイプのカラットよりゆっくりではありましたが、そのぶん湿度を下げすぎないというメリットがありそうです。
しかし、あまりせまいタッパーなどにいれているとちょっと湿度が下がりすぎるので中身を調整したり、定期的に開け閉めする必要があるのかなとも感じました。
コストは非常に安いため、梅雨前にドサッと買ってドライボックスはもちろんカメラバッグなどいろんなところにいれておくのが良さそうです。
CarattO(カラット)
カラットはとにかく吸湿力がよく、グングン湿度を下げてくれる一方で、なかなか下げ止まることがなく小さいタッパーなどでは20%くらいまで下がってしまいました。
あまりにも湿度が下がりすぎるのはあまり機材にとってよくないので、カメラボックスの中身を調整したりカラットの数を少なくしたりするなど工夫がいりそうです。
しかし、そのぶんコストも非常にやすく、こちらも梅雨前にまとめ買いしておくとよさそう。
また、結露してしまったカメラをジップロックなんかに入れて湿度を下げてやるのにも役立ちそうです。
まとめ
湿度はカメラの大敵。
うっかりカビを生やしてしまって後悔するまえにしっかりと対策をしておきたいですね。