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広角レンズの特徴とその使い方!

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立山とチングルマ

広角レンズは広い画角で撮影できるレンズです。

最初はちょっと、とっつきにくい部分もあるかもしれませんが使いこなせると非常におもしろい写真が撮れます。

今日はそんな広角レンズの特徴と使い方を見ていきましょう。

広角レンズとは

14-30と14−24

広角レンズとはその名のとおり「広い角度を写せるレンズ」です。

写せる角度のことを画角ともいいます。画角が広いがゆえに、他のレンズではできないような独特の表現も可能になります。

焦点距離 何mmが広角レンズ?

レンズの焦点距離

レンズにはそれぞれ焦点距離が決まっています。

センサーサイズによって同じ焦点距離でも画角が変わってくるのでここではセンサーサイズごとに何mmが広角レンズか書いてみます。

広角よりもさらに広い画角を超広角とも呼んだりします。このへんは目安なので参考程度に。

フルサイズAPS-Cマイクロフォーサーズ
超広角14mm〜10mm〜7mm〜
広角20mm〜35mm14mm〜24mm10mm〜18mm

広角レンズの特徴

ここからは広角レンズにどんな特徴があるのか見ていきましょう。

広く写せる

北アルプス 涸沢 天の川 2016

まずなんといっても特徴的なのは画角が広いことです。

広い範囲が写せるので風景や星など、大きくてダイナミックなものの撮影に向いています。

広く写せるということはいろんな要素を入れられるということ。

標準レンズでは写せない範囲までしっかり写すことができます。

パースペクティブ

東京タワー 下から

パースペクティブは日本語に訳すと遠近感

広角レンズはこの遠近感が出やすく、近いものは大きく遠くのものは小さく写ります。

レンズによっては人の目で見るより遠近感が感じられることで独特の表現が可能になります。

詳しくはこちらもご覧になってみてください。

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パンフォーカス

立山とチングルマ

写真のピントが合う範囲のことを被写界深度といいます。ピントが合う範囲が広いことを被写界深度が深い、狭いことを被写界深度が浅いと呼んだりします。

広角レンズは被写界深度が深いため画面全体にピントが合った写真が撮りやすいです

画面全体にピントが合っている状態をパンフォーカスといいます。

風景写真などは画面隅々までピントを合わせたいことが多いので、広角レンズでのパンフォーカスと相性がいい被写体です。

手ブレに強い

広角レンズは手ブレにも強いです。

望遠レンズを覗いていると、ちょっと手を動かしただけでも被写体が大きく動きますよね?

逆に広角レンズ画角が広いのでその影響が小さくなります。

被写体に寄りやすい

唐松岳とイブキボウフウ

広角レンズは他のレンズは比較的、被写体に寄って撮影することができます

被写体に寄って撮影することでパースペクティブの「近くのものが大きく、遠くのものは小さい」という特徴が出しやすくなります。

広角レンズの苦手なこと

広角レンズにはいろんな特徴がありますが、反対に苦手なこともいくつかあります

これらもしっかり理解しておきましょう。

ボケにくい

広角レンズ ボケにくい

広角レンズの大きな特徴であるパンフォーカスですが、裏を返せばボケにくいということになります

上の写真もf2.8と開放で撮っており、ホントならテント内がけっこうボケそうなシチュエーションですがそんなにボケてないのがわかると思います。

f1.4や1.8の単焦点レンズなどもあるのですが、これらも被写体にけっこう寄らなければボケにくかったりします。

ケラレやすい

NiSi ホルダー ケラれ

広角レンズは広い範囲を写せます。どれくらい広いかというとレンズに装着したフードが時に写りこむくらい。

純正のフードを正しい位置でつけていれば問題ありませんが、少しでもずれてしまうとそのフードが四隅に入ってしまいます

また、フィルター類を使っている時も注意が必要。

フィルター1枚で使っているときはそうでもありませんが、2枚以上重ねてしまうとこれまたレンズの画角に入ってしまうことがあります。

このようにレンズの隅にフードやフィルターが写り込んで黒くなることを「ケラレ」と呼びます。

角形フィルターなどもケラレることがあるので注意が必要です。

出目金レンズになることがある

14-30と14−24

フルサイズ用の超広角などは、広い画角を写すためにレンズが前に飛び出ている「出目金レンズ」になることがあります。

ねじ込み式のフィルター類はつけられませんし、レンズが飛び出ているので取り扱いはちょっと慎重になってしまいますね。

ゴーストがでやすい

ゴースト

レンズの構造上、広角レンズは比較的ゴーストがでやすくなっています。

特に出目金レンズなどではよくでやすいので、太陽などの強い光源が画角内に入るときは注意が必要です。

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広角レンズの使い方

では実際に広角レンズをどのように使ったらいいのか、実際に僕が撮ったお気に入りの写真を上げながら説明してみたいと思います。

被写体に寄って視線誘導の入り口にする

姫路城と桜を船の上から

被写体にがっつり寄ることで手前に目を引きつけることができます。この写真では船に載っている人たちの視線が桜やお城に向かっていることが分かるので、視線誘導の入り口となります。

唐松岳とイブキボウフウ

この写真も手前にお花を置くことで視線を引きつけると共に、奥にそびえる高い山と対比させています。これらは広角レンズ、なかでも超広角レンズでないと構図として入りきらないようなシチュエーションです。

また、実際に人の目ではこのようには見えないのも構図としてのおもしろさに繋がっています。

パースペクティブを使うことで視線誘導のラインを作る

遠近感のある写真

広角レンズはパースペクティブのある写真を撮るのにも向いています。消失点に向かっていくような被写体というのは構図の中にラインが作りやすくなっています。この写真では並行に並べられた杭が消失点へ向かう際にラインを描いています。

ラインがあると人はどうしてもそれを目で追ってしまうので、構図の中に視線誘導を作り出すことができます。

馬ヶ背

視線誘導の先にポイントとなる主題を置くとさらに完成度が増しますね。この写真では柵がパースペクティブにより消失点に向かって収束していますが、その先に主題である人物が立っているという構図です。

パースペクティブを使う、ということは構図のなかにラインを描ける。じゃあ、そのラインをどのように、どこに向けていくかというのを考えながら構図を作ってみましょう。

ドンキホーテ

カメラをローアングルに構えて、下からあおるように撮るとパースペクティブが出やすかったりします。

大きくてダイナミックな被写体を写す

オーロラ イエローナイフ

空一面に広がるオーロラ。やはり大きくてダイナミックな被写体というのをただただ大きく切り取るというのは気持ちいいものだったりします。

この写真もやはり広角レンズだからこそ撮れた写真。

お大師桜 天の川

天の川もやっぱり広角レンズで撮るのにぴったりな被写体のひとつですね。何mmで撮ってもいいですが、20mmより広い画角で撮るのがけっこう好きです。

東寺 桜 ライトアップ

リフレクションを狙う場合も、実はけっこう広めの画角が必要になります。これも広角レンズと相性がいいですね。

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パンフォーカスを活用する

下栗の里 紅葉

このように手前に要素を入れたような写真では奥と手前の距離があってボケやすいものです。しかし、構図的に全体をパキッとさせたいというイメージがあるなら広角レンズを使えばしっかりパンフォーカスで撮影することができます。まあ、多少はボケますが…

涸沢 テント

こちらも広角レンズのパンフォーカスを活かした写真。テントの中から撮影、メインは足の先にある紅葉した山ですね。これも手前から奥までしっかりとパンフォーカスさせています。

テント内部がグワッと撮れるのも広角レンズの画角の広さのおかげです。

広角レンズでなんかぱっとしない時

僕は今では広角レンズ大好きなんですが、最初はちょっと苦手意識がありました。広角レンズで撮ってもなんだかぱっとしないことが多かったからなんですね。同じように思っているかたも少なくないのではないでしょうか。

ここでは広角レンズを使ってぱっとしなくなる理由を考えてみます。

目で見た風景はそのまま写らない

広角 失敗写真

山とか撮ってるとよくやりがちなのがこんな写真。登山で山頂から風景を見渡すと非常に美しかった。その景色を広角レンズでそれを残そうと撮ってみたけどなんだかぱっとしなかった。そんなって経験ありませんか?

写真というのは目で見たものを忠実に写せるような気がしますが実はそんなことはありません

特に広大な風景というのは、その目で見ているから感じるものであって写真という小さな四角の中に入れてみると広く写っているだけの写真になりダイナミックさやインパクトがなくなります。

唐松岳とイブキボウフウ

その大きさが対比できるようなものなどを構図の中に入れるなど、あなたが感じた広大なイメージを落とし込んでやる必要があります。

いろんな要素が入りすぎてしまう

梅園

広角レンズは広い範囲を写すことができるのがメリットである一方、たくさんの要素が入りすぎてしまうということがあります。

「写真は引き算」なんて言葉もありますが、写真の中に要素がありすぎと人はどれを見たらいいのかわからなくなってしまい結果としてなんだかつまらない写真という感想をいだきやすくなってしまいます。

また、たくさんのものが入ってしまうのでどうしても自分が意図しないようなものまで写りこんでしまうことがあります。この写真でも観光客だったり標識や看板などが写ってしまっています。

周辺が歪む

世界貿易センタービル 夜景

広角レンズはその特性上、周辺部分が歪んでしまいます。それが広角レンズの味ではあるのですが、被写体によってはそぐわないこともあります。この写真でも東京タワーが少し斜めに歪んでしまっていることがわかりますね。

水平垂直をキレイに出したいような被写体などは特に気をつけたほうがいいです。

人物も広角レンズで撮ってしまうと顔が伸びてしまいます。スマホの自撮り用のカメラで撮るとなんかキレイに写らないという経験もあるのではないでしょうか?あのカメラも広角のレンズを使っているので顔が変に伸びてしまうのです。

まとめ

広角レンズの特徴と使い方、いかがだったでしょうか。

最初はちょっと難しいかもしれませんが、慣れると非常に楽しく撮れるレンズです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。