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Nikon大好きsaizouです。こんにちは。
NikonからNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIが発表されました。じつに6年ぶりとなる標準域の大三元レンズのリリース。しかもこれ、単なるマイナーチェンジではありません。クラス初のインターナルズーム機構と世界最軽量の675gを実現し、従来の常識を覆す革新的なレンズに仕上がっています。
今日はこのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIがどんなレンズなのか?旧型と比べてどのように進化しているのか、まとめてみたいと思います。
スペック比較:数値で比べてみる
項目 | S II(新型) | S(初代) | 進化 |
---|---|---|---|
全長 | 約142mm(一定) | 約126mm(伸縮) | インターナルズーム化 |
最大径 | 約84mm | 約89mm | 5mm小型化 |
質量 | 約675g | 約805g | 130g軽量化(16%減) |
フィルター径 | 77mm | 82mm | サイズダウン |
レンズ構成 | 10群14枚 | 15群17枚 | 3枚減で軽量化 |
最短撮影距離(広角) | 0.24m | 0.38m | 大幅改善 |
最大撮影倍率(望遠) | 0.32倍 | 0.22倍 | 大幅向上 |
絞り羽根 | 11枚 | 9枚 | より円形のボケ |
革新的な特徴:何が変わったのか
1. クラス初のインターナルズーム機構

最大の進化点は、24-70mm f/2.8クラスでは世界初となるインターナルズーム機構の採用です。
メリット:
- ズーミング時に全長が変化しません(142mm固定)
- ジンバルでのバランスが一定に保たれます
- 防塵・防滴性能が向上しています
- レンズ内への塵・水滴の侵入を最小限に抑制します
インターナルズームに限らないんですが、今回の新型24−70mmで強烈に印象深いのがやはり動画を見据えた進化してきたなという部分。
ここ数年、ずっとNikonさんは動画やりたいんだなという感じがありましたが、標準の大三元レンズでここまで動画やりたい欲を出されると、本気なんだなというのがひしひしと伝わってきます。
うわさされている、動画専用機も現実を帯びてきましたね。
インターナルズームのメリットは動画だけではありません。ズーミング時に全長が変化しないため余計な隙間ができず、レンズの防塵防滴性があがります。
2. 世界最軽量675gの衝撃
130gの軽量化は数字以上のインパクトがあります。初代でも十分軽かったのですが、675gという重量は他社製品も下回ります。
参考:他社との比較
- Canon RF24-70mm F2.8L IS USM:約900g
- Sony FE 24-70mm F2.8 GM II:約695g(S IIがわずかに軽量)
やはり軽さは正義です。まさか旧モデルよりも130gも軽量してくるとは思いませんでしたね。
レンズ3枚へらした恩恵が大きいとは思うのですが、じゃあMTFが悪いかというと向上しているので、軽量化と高解像度を両立させるスーパー進化をとげています。
こちらもやはり動画を意識しているのでしょう。ジンバルなどは重量の制限がかかってしまうのでカメラとレンズ合わせて1kgちょいくらいだと、使えるジンバルも増えてきますよね。
あと、レンズ情報パネルは外されました。これ、あってもほとんど使わず有名無実化していたので英断だと思います!
3. Nikon史上最速のAF
シルキースウィフトVCM(SSVCM)をズームレンズで初搭載しています。
AF性能の向上:
- 初代比で約5倍の高速化
- 望遠端のスキャンタイム40%短縮
- ズーミング時のフォーカス追従性能60%向上
- 動作音50%低減
こちらNIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR Sにも採用されているシルキースウィフトVCMを搭載。
旧型のNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sも十分に早いオートフォーカスでしたが、さらに早くなっているとは。どんな性能か試してみるのが楽しみです。
ここもまたまた動画。この駆動方式、非常に静音性が高いのでオートフォーカスの音声が邪魔になりません。
光学性能:S-Line最高クラスの画質
コーティングの進化
- メソアモルファスコートとアルネオコートの組み合わせ
- 強い逆光下でもクリアな描写を実現
- ゴースト・フレアの大幅抑制
旧型はナノクリスタルコートとアルネオコートの組み合わせでしたが、ナノクリからメソアモルファスコートという、しゃべっていたら噛みそうな名前のコーティングになりました。こちらもヨンニッパで採用されているもの。
フレアが抑制されヌケのいい絵が出てきそうです。
ボケ味の向上
新開発の11枚羽根絞りにより、開放から3段絞っても美しい円形ボケを実現しています。
作例見てもけっこういい感じなボケですね。
フォーカスブリージング
初代の半分以下まで抑制されています。動画撮影時のピント移動がより自然になり、シネマティックな映像制作に最適です。
こちらもまた動画に配慮された機能。
動画撮影者への配慮
新機能:コントロールリングクリックスイッチ
NIKKOR Zレンズ初となる機能で、操作感を切り換え可能です:
- ON:クリック感のある動き(静止画向け)
- OFF:滑らかな動き(動画向け)
その他の動画機能
- フィルター操作窓付きフード(HB-117)
- 円偏光フィルターや可変NDフィルターの操作が可能
- 上下どちらにも配置可能な設計
ここもまた動画用ですね。日中、動画撮影する場合は可変NDを使うことが多いのですがフードつけながら操作ができるというわけです。
実用性の向上
最短撮影距離の大幅改善
広角端で0.24m(初代:0.38m)という大幅な改善は、クローズアップ撮影の表現力を格段に向上させます。被写体により近づけることで、背景を大きくぼかした迫力ある描写が可能になりました。
また最大撮影倍率も70mmで0.32倍(旧型0.22倍)となっています。クオーターマクロ以上になっているので近接しての美しいボケの表現もできそうです。
価格と発売情報
- 発売日:2025年9月26日
- 予約開始:8月28日10時~
- 価格:371,800円(ニコンダイレクト)
買い替えるべきか?判断基準
買い替えを強く推奨する人
動画撮影メイン
- インターナルズーム機構の恩恵は絶大
- ジンバル使用時の安定性が向上
- フォーカスブリージング抑制の効果があり
機動力重視
- 130gの軽量化効果
- 長時間撮影での疲労軽減が期待できる
AF性能重視
- スポーツ撮影に適している
- 動体撮影が多い場合に有効
様子見でも良い人
画質に満足している
- 初代の光学性能も十分高い
- 描写に大きな不満がない場合
予算重視
- 約10万円の価格差は大きい
- 初代の中古価格下落を待つ選択肢もあり
まとめ:新世代標準ズームの完成形
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは、単なる改良版ではなく、新世代の標準ズームレンズとして設計された製品です。
特に印象的なのは:
- インターナルズーム機構による使い勝手の劇的改善
- 675gという驚異的な軽量化
- ニコン史上最速AFによる撮影体験の向上
もうこれはNikonからのメッセージですよ。「おまえら、動画です。これからの時代、動画を撮るのです」といった。
実際、僕もYouTubeを始めましたし、Instagramはリールをやらなきゃ伸びないような時代だし、TikTokの影響力はすさまじいです。
やはり情報量が桁違いなんですよね、動画って。スチルメインでカメラを始めた人は「動画ばかりに力いれてないで、静止画ももっとがんばってよ」なんて思ったりするかもですが、これも時代の流れといったところでしょうか。
僕も、その気持ち非常によく分かるのですが、とはいえ、時代の波にもしっかりのっておかないとなあ、などと動画を意識しまくったこのレンズを買う理由にしてしまいそうです。あと、ジンバルもほしいです。
まとめ
ということで、初代から6年間で蓄積された技術とユーザーフィードバックが結実した、まさに完成形と呼べるレンズに仕上がっています。
価格上昇は痛いですが、得られる性能向上を考えれば妥当な投資と言えるでしょう。特に動画撮影を重視するユーザーにとっては、買い替え必須のアップデートと断言できます。
え、僕ですか?
もちろん買うに決まってますよ(ウインクバチコーン