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全国1億3千万人の魚眼レンズファンのみなさまこんにちは。
今回はPERGEARさんからご提供いただいた魚眼レンズ「PERGEAR 7.5mm f2.8」のレビューをしてみたいと思います。
こちらはZマウントのAPS-C用 魚眼レンズ。ZだけでなくEOS-M、X、E、マイクロフォーサーズなどで展開しています。
ご依頼いただいた時に、いいとこも悪いとこも書いていいといってもらってるので、あれこれレビューしてみます。
この記事はPERGEARさんの提供でお送りします。
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魚眼レンズ「PERGEAR 7.5mm f2.8」
まずは作例から
森に入って撮影しました。魚眼レンズなので枝の伸びやかな雰囲気がしっかり表現できますね。
前景にシダをいれましたが最短撮影距離は0.12mなのでかなり寄って撮影できます。寄って撮影できる上、対角魚眼レンズなので足元から空まで画角に入れることができ非常にダイナミックな撮影ができます。
魚眼レンズは飛び道具的なトリッキーなレンズではありますが、その分ハマれば面白い構図になりますね。
なんだか作例が縦構図ばかりな気がしますが、気のせいではありません。
周辺にいくにしたがって、魚眼レンズならではの歪みがでてくるのでそれを活かそうとするとやはり縦構図が多くなってしまうわけです。横構図がうまく撮れなかったいいわけとかではありません。あえてです。あえて。
こちらも伸びやかな樹木を撮影。根本から見上げるように撮影しているのですがここでも魚眼レンズらしく、頭の後ろ側にあるであろう木々まで写りこんでおり不思議な感覚になりますね。広角レンズもこのようなパースのある写真は撮れますが、ここまでのパースはやはり魚眼レンズならではです。
レンズは球面であるため、それを平面のイメージセンサーに写すときいろんな弊害が出てきます。それを収差と呼ぶのですが今回は難しいのでサラッとすっとばします。
んでもって、その収差のひとつに「歪曲収差」というのがあります。レンズを通すことで形が歪んでしまう現象のことをいいます。詳しくはこちらをご覧になってみてください。
[blogcard url=”https://logcamera.com/shusa/#i-35″]
形が歪んでしまうとまずいわけで、普通のレンズでは歪曲収差が出ないようにいろんな補正がされています。しかし、この歪曲収差をレンズで補正しようとするといろんな組み合わせのレンズが必要になってきてレンズがデカくなったり高価になったりします。
そんな歪曲収差をあえて残しているのが魚眼レンズ。
上の写真のように直線もグイーンと曲がってしまうのがおわかりいただけると思います。魚眼レンズというのはこのグイーンと曲がってしまうのをうまく使いこなすのが一番の楽しみだと個人的には思っております。
歪曲収差を補正しないことで、無理なくレンズが作れるので、普通の広角レンズなどと比べるとコンパクトのものが多いです。例にもれずこのPERGEAR 7.5mm f2.8も非常にコンパクトに仕上がっています。
レンズ性能
ということで、さっそくレンズ性能を見ていきましょう。いいとこも悪いとこも書いていいって言われたのでまずは悪いところを見ておきましょう。
もう最初に言っちゃうんですが、周辺はまったく解像しません。最近は猫も杓子も開放からシャープでf5.6くらいで最高の解像度を得られるレンズばかりなのですが、魚眼レンズにまで周辺の解像を求めるのもやはり酷なわけです。
さらには後述しますが、この周辺の解像感なんて問題にならないくらいのメリットがあるのでこれだけ見て判断するのは尚早であるとも思います。
とはいえ、せっかくレビューの機会をいただけたのでレンズマニアとしては隅々まで等倍で眺めたくなるのでしばしお付き合いください。
解像
ではでは、さっそく見ていきましょう。中央と周辺の解像感を開放のf2.8からf5.6、f8と絞って比較してみます。
中央の解像
f2.8
以外にもといったら失礼なんですが、開放のf2.8でけっこう解像しております。気持ち甘いかしら、という気はしますがそれでも開放でここまで解像しているのであれば十分使えます。
f5.6
f5.6まで絞ると一気にシャープになります。やはりレンズはf5.6にかぎりますね。
f8
f8もしっかりシャープです。5.6とそこまで変わらないのであとは露光量で使い分けていったらいいかなと思います。f11も似た感じでf22までいくとやはり回折現象が起きて少し眠たくなりますね。
パンフォーカスや後述する光条なんかをコントロールするために絞るかどうか決めたらいいかと。
周辺の解像
ここから周辺の解像ですがいっきにいきましょう。
f2.8
f5.6
f8
絞ったところで改善する気配がなかったので、周辺はこんなもんだということを理解しておきましょう。
ここらで価格の話をしておこうと思うのですが、このPERGEAR 7.5mm f2.8、公式サイトで現在13600円です。いやあ、びっくりするくらい安いですね。
じゃあ、周辺も解像してないし安かろう悪かろうなのかというと、そんなことはないなあというのが率直な感想でした。中央の解像感なんかはしっかり出ているので現像でもコントラストやシャープネスを上げても破綻しない。
こちらの作例なんか見てもらったらわかるんですが、中央の樹木の細かいディティールなんかはしっかり出ているわけです。周辺が解像しなくてもこの作例のようにアウトフォーカスさせておけば、違和感なく中央への視線の誘導させることもできています。
周辺を等倍で眺めるのは我々レンズマニアくらいですからね。作品の本質と周辺の解像は必ずしもイコールではないので、あまり神経質になりすぎるのも良くないと思うわけです。
逆光性能
では逆光性能を見ていきましょう。強い光源を入れるとご覧のとおり円状にゴーストが出ます。とはいえ、これはほんと真正面に捉えたときだけ出るので、多くの場合は画角外になります。真正面のときだけ気をつけましょう。
中央から少しずらすと光源の反対方向にこのようなゴーストが出ます。これもまたびっくりしたんですが、思ったよりゴーストがでないなという印象。
例えばこちらタムロンの15−30mmの作例。これなんかは魚眼レンズのような出目金になっており、画角内に太陽があるともうひっちゃかめっちゃかになってしまいます。
出目金レンズなんて多かれ少なかれこんなイメージだったんで、ゴーストの出なさにびっくりしました。まあ、まったくゼロというわけではないので、表現としてうまく使うといいかと思います。
歪曲
前述の通り、歪曲収差の補正はされていないのでしっかりと歪みます。壁があったので撮影してみました。どれくらい歪曲するかの参考になれば。
中央よりも端のほうが歪みが顕著なのがわかりますね。これをうまく使いこなせるかが魚眼レンズで上手に撮れるかのキモとなってきます。
最短撮影距離
最短撮影距離は0.12m、つまり12cmです。最短撮影距離というのはピントが合う最短の撮影距離なんですが、その距離の基準となるのはセンサーです。つまりレンズの先端からはもっと近くになるんですね。
ということで一番近くまで寄ってみたらここまで近づけました笑。ファインダー越しだとまだまだ距離があるように見えるのでレンズをぶつけないよう注意しましょう。
魚眼レンズは近づけば近づくほどパースが出て、おもしろい構図になります。
[blogcard url=”https://logcamera.com/perspective/″]
画角
対角魚眼レンズなのでおよそ180度くらいの画角があります。レンズの横に配置したダンボー2体。
しっかり画角内に写り込んでいることがわかりますね。撮影時などうっかりしていると自分の指なんかも入ってしまうので気をつけましょう。
スペック
外観
PERGEAR 7.5mm f2.8の外観はこんな感じです。非常に小さいのがおわかりいただけるでしょうか。重要は約300g。
APS-Cにつけるのにぴったりなコンパクトなサイズ感です。
左がZ50+PERGEAR 7.5mm f2.8、右がZ7+NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctです。いかに普段重たいカメラで撮影しているか気付かされますね…。
Z50自体がコンパクトで軽いので取り回しも軽快です。たまにはAPS-Cのシステムもいいですね。
絞り・フォーカス
絞りもフォーカスもレンズ側で設定します。フォーカスはマニュアルフォーカス。
f値は開放のf2.8から、f22まで絞ることができます。リングの作動はとてもなめらかです。
裏蓋
裏蓋は専用のもの。これもひとつ不満な点なんですが、この裏蓋を別のZマウントのレンズにつけたらうまくハマりません…。
レンズ交換したあとは裏蓋使い回すことになるんですが、他のレンズにハマらないのではちょっと使いにくいのでぜひ改善してほしいところです。
総評
魚眼レンズということで、周辺部分はどうしても流れるような描写になってしまうのですが、それを差し置いてのコストパフォーマンスと軽量・コンパクトさ。
ただ安いだけでコストパフォーマンスがいいっていうのはあんまり好きではないのですが、それでも1万ちょいで買えるレンズとは思えないくらいの性能を持っているのでやはりコストパフォーマンスがいいと言わざるをえないのではないでしょうか。
魚眼レンズというのはけっこうトリッキーな撮影が多く、飛び道具的な用途になりがちなんですよね。最初から魚眼の構図で狙いに行くときは別として、撮影地に持っていくか悩むレンズのひとつではないでしょうか。
そう考えるとこのコンパクトさというのはかなり大きなメリット。カメラバッグの隙間に入れておいてもそんなに負担にはならないわけで。
「困ったら魚眼レンズ」という我が家の家訓があるのですが、カメラバッグの隙間にあることで、どうにもならない場面に起死回生の構図が見つかったりするのは魚眼レンズあるあるではないかと思います。
まとめ
ということでPERGEAR 7.5mm f2.8のご紹介でした。
久しぶりにAPS-Cのシステムで撮影しましたが、軽くていいですね。これで星とかも狙ってみたいです。