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初めて単焦点レンズを購入する人は要注意!50mmは標準レンズじゃないぞーい!

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全国1億2000万人の単焦点スキーのみなさまこんにちは。今日も単焦点レンズでボケボケの写真を撮っては悦に入っているsaizouです。

え?単焦点レンズが欲しいって?そりゃあ、いいことですよ。てっとり早く一眼っぽい写真撮ろうと思ったら単焦点レンズはおすすめです。楽しいし。ただね、ちょっと今日は初めての単焦点選びの時に気をつけてほしいことを書いてみますよ。

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いつから「50mm」が標準レンズだと思っていた!?

中二病のイラスト(女性)

単焦点レンズといってもたくさんあるので、初めて購入されるかたはどれにしようか迷ってしまうかと思います。

カメラの本や雑誌、ネットでいろいろ調べているかたもいらっしゃるでしょう。

んで、どうですか?どの単焦点レンズ買うか決めましたか?いろんなところで初めての単焦点レンズは標準レンズがオススメ、なんて書いてあるかもしれません。

僕も初めて単焦点レンズを買うなら標準レンズをおすすめするかなー、と思います。望遠や広角の単焦点レンズもあるのですが、単焦点レンズはズームができないので、初めての単焦点レンズ、望遠や広角は使いにくいかもしれませんね。

じゃあ、標準レンズってどの何mmのレンズ買えばいいのよ!ってなりますよね。ここまででどうですか?

50mmレンズが標準レンズって思っていませんか?

そうなんですよ。

もう、なんかいろんな所で50mmレンズが「標準レンズ!」みたいなこと書いてあるんですよ。

おまけに各メーカーがラインナップしている「1本目の単焦点レンズとして手が出しやすい安価なレンズ」ってだいたい50mmなんですよね。なんで、いつのまにか「標準レンズ=50mm」って刷り込まれてしまうんですよね。

だが、僕は声を大にして言いたい!!!

50mmレンズは標準レンズじゃない!!!

いやいや、確かにいろんなところで50mmが標準レンズと書いてあるでしょう。けど、よく見てください!そのだいぶ後ろや、米粒のような注釈欄に「APS-C機だと30〜35mm」なんていうふうに書いてあるはずです。

初心者のかたの中には「何?APS-C機って?」なんて思う人もいるかもしれません。

あなたの持っているカメラがAPS-C機ですから!多分!!

Nikonの一眼レフカメラ(APS-C)まとめ – ログカメラ

エントリーモデルのほとんどがAPS-C機

家電量販店やネットで初心者用とか入門機とか書かれているもの、いわゆる「エントリーモデル」というのはほとんどがAPS-C機なんです。APS-Cとはなんぞや?と思う人もいるかもしれません。これはセンサーサイズの規格のことをいいます。ちょっと小難しくなってきましたね。

フルサイズとAPS Cのセンサーサイズ比較

一眼レフカメラっていうのは全部が同じじゃなくて、センサーのサイズで2種類に分けられることができます。センサーは大きい方が画質がいいのですが、その分ボディやレンズが大きくなります。

APS-Cとはフルサイズほどの画質ではないけれど、ボディやレンズを小型化でき、値段も安価に抑えることができるんですね。上の図がフルサイズ機とAPS-C機のセンサーの大きさの比較図です。APS-C機のほうが二回りくらい小さいのがお分かりいただけると思います。

具体的にどのカメラがAPS-C機かというと

各メーカーのAPS-C機

こんな感じです。あなたのお持ちの一眼レフカメラもあったのではないでしょうか?現行モデル(2014年11月現在)だけ羅列していますが、漏れがあるかもしれないので、お気付きの機種ありましたら、ツッコミお願いします。

APS-C機は焦点距離を1.5倍する

フルサイズ APS Cの焦点距離と画角の関係

そもそもカメラレンズの〇〇mmというのはレンズからイメージセンサーまでの距離のこといいます。なので焦点距離というんですね。

焦点距離とは – ログカメラ

上の図なんですが、赤色がフルサイズ、緑色がAPS-Cのセンサー。同じ焦点距離を通った時に写せる範囲を比較するとフルサイズ>APS-Cになっていることがわかりますか?

ちょっと小難しくなってきたので、ここらでダンボーの写真でも。

ダンボー35mmで撮った写真

例えばこの写真がフルサイズ機で撮った写真だとしましょう。APS-C機で同じ構図を同じ焦点距離のレンズで撮影するとこんな感じになります。

ダンボー50mmで撮った写真

ね?上の図のように焦点距離は同じだけど、センサーのサイズが小さい分写ってる範囲が狭くなってますね。

同じレンズを使ってもフルサイズとAPS-C機では写る範囲が違う、APS-C機のほうが範囲が狭いというところまで理解していただけましたか?

35mm換算

また難しい言葉が出てきましたがついでなので覚えて帰ってください。細かい説明はすっとばしますが、フィルムカメラの焦点距離を他のセンサーサイズで使う時の計算式を「35mm換算」といいます。

よく分からない人も下の式だけは覚えておいてください(焦点距離と書くと語弊があるかもしれないですが……)

「APS-Cの焦点距離×1.5(Canonは1.6)=フルサイズの焦点距離」

じゃあ、計算してみましょう。

標準レンズと言われている50mmですが、これをAPS-C機に装着すると「50mm×1.5=75mm」となります。50mmや75mmと言われてもなかなかピンときませんよね。では一般的に何mmのレンズがどういうレンズなのかをちょっと見てみましょう。

焦点距離と画角

ざっくりと分けるとこんな感じですよという表です。参考までに。

んで、この表を見ると75mmあたりはすでに「中望遠」あたりに分類わけされそうな焦点距離です。ちなみに下のダンボーの写真が75mmです。

つまり標準レンズと言われる50mmレンズをAPS-C機につけると中望遠レンズに近い画角の75mmになるわけです。

もっと詳しく知りたいかたはこちらも参考にしてみてください。

初心者がつまづきやすい35mm換算を徹底的にわかりやすく解説してみる! – ログカメラ

50mmと75mmの違い

実際に50mmと75mmのレンズではどんな写真が撮れるのでしょうか?

これは僕個人の感想なのですが、35mm〜85mmあたりまでの焦点距離のレンズは自分自身の目で見る感じの画角だと思っています。

目で見る光景、と一口にいっても

  • 自分の視界全部
  • ボーっとしている時に見ている光景
  • 何かに注視している光景

と、自分の意識の違いで視界って変わってきませんか?

これをレンズで当てはめるとこんな感じかなあ。

  • 35mm ー 自分の視界全部
  • 50mm ー ボーっとしている時に見ている光景
  • 85mm ー 何かに注視している光景

50mmで撮った写真

これは50mmの画角で撮った写真。目で見た光景とファインダーを通して見た光景がほとんど同じなので、自分が見たそのまんまを写すことができます。

背景のボケた写真

これが75mm。自分が「コレ!」って思ったものに注目した写真が撮りたい時はこの画角を選ぶことが多いです。が、やはり中望遠なのでレンズ覗いた時に狭いなあと思うことが多々あります。



APS-C機の標準レンズは「35mm」

だいぶ長々と書いてきましたが、今回言いたいことはコレ。

目で見た景色とファインダーを通してみた光景が同じような描写をしてくれるレンズを標準レンズと呼ぶなら、いろんなところで「50mm」が標準レンズと言われているのもよく分かりますね。

そして、その標準レンズである50mm、それと同じ画角をAPS-C機で得るためには35mm換算して50mm÷1.5=33.3333…つまり、35mmのレンズがAPS-C機での標準レンズになるわけです。(Canonだと50mm÷1.6で30mm位)

カメラの用語や画角ってわかりにくすぎる

なんで今回このエントリーを書いたかというと、僕自身が「50mmを標準レンズ」と思いこんでて、初めての単焦点レンズに50mmを選んだからです。

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ただ、このレンズはよくボケるし、自分がこれを撮りたい!って思った被写体を切り取ることができるので1本目の単焦点レンズとしても充分楽しむことができます。

しかし、「標準レンズというわりには狭いなぁ……」と思うことも多々あり。よくよく調べてみると、僕の持っているD5100はAPS-C機というやつで、焦点距離は35mm換算して計算しないといけないということに後々気づくわけです

だいたいそもそもさぁ、初心者なんてほとんどがAPS-C機を買うんだからそろそろフルサイズ基準で物事を考える感じやめたらどうかなぁと思うですがね。

用語自体も難しいものばっかりじゃない?今回出てきたものだけでも「焦点距離」「画角」「35mm換算」etc.etc……今日は説明しないけど「35mm換算」の35mmってなんやねん!って思ってる人もいると思います。

ちなみにそれ以外のレンズを35mm換算してみると

難しいことはすっ飛ばして、あなたが持ってるAPS-C機にこの焦点距離のレンズつけたら画角はこうなるよーっていう表を作りました。

APS-C機の焦点距離と画角

この表は目安でしかないので、レンズを選ぶときは実際にカメラに着けてみて試してみるといいと思います。ズームレンズを持っている人は、いろんな焦点距離を試せるのでどのくらいが自分が使いやすい焦点距離なのか比べてみるのもいいですね。

まとめ

エントリーモデルの標準レンズは35mm、というたった一言を言いたいだけなのに、悪い癖でまた長々と回り道しまくってしまいましたね(もっとサクッと書き上げるつもりやったのに……)

なんだか小難しいことばっかり書いていますが、使いやすい焦点距離のレンズを使ったらええねん。50mmも楽しいし、35mmも楽しいし、あれだったら両方買ったらええねん。

一眼レフカメラ初心者の人に分かりやすいよう説明したかったので、画角や焦点距離の解釈がいったりきたりしてたり、説明しきれていない部分たくさんあるのですが、また別の機会にガッツリやりたいと思います。

ただ、ホントに説明しだすとまた小難しくんるんだよなぁ(;´Д`)

写真はよけいなこと考えず、楽しく撮ったらいいと思うんです。

焦点距離の差たった15mmでも、カメラに着けてみるとかなり印象が変わるので実際購入する際は思う存分試してからにしてくださいねー。

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