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写真の定番構図のひとつに額縁構図があります。
これは言葉のとおり被写体の周りを額縁のようなものでぐるっと囲んでやることでなんだかあっという間にそれっぽくなる非常に使いやすい構図。
今日はそんな額縁構図を撮影するときのアイデアや、なぜ額縁構図でそれっぽい写真が撮れるのか解説してみます。
目指せ脱初心者!写真を撮るときに覚えておきたい10の構図と100の作例!
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額縁構図とは
写真の周囲を額のようにぐるっと囲んで、写真の中に絵画があるような構図のことを額縁構図といいます。
窓枠や建物などが作りやすいですが、花や葉っぱなど、とにかく周りさえ囲むものがあればそれが額縁構図となります。
なぜ額縁構図はそれっぽくなるのか?
周りをぐるっと囲むだけでてっとり早くそれっぽくなる額縁構図ですが、ではなぜそれっぽくなるのでしょうか?
構図を作るということはいかに視線を誘導させるかということ
写真を撮影するときに構図を考える時にはいろんな狙いがあります。主題をどう見せたいのか?この写真を見た人にどんな感情を抱いてほしいのか?状況はどんな状況なのか、などなど。
その中で「閲覧者の視線を、自分の思うように誘導させること」というのは大きなファクターのひとつになります。あなたが見せたいものをしっかりと見てもらうため、そして画面の中を隅々まで見てもらうためです。
素晴らしい写真や絵画を紐解いてみると実は緻密に計算された視線誘導の構図があったりするものです。
なぜ構図の中に視線誘導は必要か?視線誘導の重要性について考えてみた
視線を中央に誘導させられる
写真を構成するときに難しいことのひとつが閲覧者の視線をどのようにコントロールするか?ということ。
額縁構図のもっとも大きな効果が、周辺を額のようなもので囲むことで視線が中央に誘導することができるということです。
視線が抜けてしまうとそこで終わってしまう
例えばこのようなグラデーションをあなたはどのように見たでしょうか?
おそらく黒の部分から白の部分に向けて見ていったのではないでしょうか?
そう、視線というのは暗いところから明るいところへと向かって流れるという習性があります。
曇りの日などは撮影するのが難しいのですが、それは白く明るい空に視線が流れていってしまって戻ってこないのが原因のひとつだったりします。
写真の周辺というのはどうしても視線が抜けやすくなりがちなのですが、額縁構図はその抜けやすい周辺をすべて囲んでやることになるので視線を逃さないという効果があります。
複雑な視線誘導を構成するのって結構難しいのですが、この額縁構図ならとりあえずなんも考えずに囲むだけでいいのでてっとり早くそれっぽくなる、という訳です。
例えばこのクラゲの写真。まあ悪くはないんですが、どこを見たらいいのかよく分からないともいえますね。
水槽が丸くなっていたので、あえてちょっと引いて額縁構図を作ります。こうすることで、視線が自然と中央に集まります。
漫画における集中線なんかも視線を集中させるためのものなんですが、額縁構図もこれに似た効果があります。
額縁構図の撮影のアイデア
とにかく簡単、てっとり早いのが最高の額縁構図ですが、ワンパターンにもなりがちです。ここでは額縁構図を使った撮影のアイデアを紹介してみます。
建築物は額縁構図を作りやすい
建築物は額縁構図を作りやすいスポットなので、額縁構図初心者のかたには非常におすすめです。
窓や門など被写体を囲むためのアイテムがたくさんあるのでいたる所で額縁構図を作ることができます。
日本家屋などはお庭を見れるところがたくさんありますが、お庭をそのまま撮るのではなく一歩引いて室内も入れることで額縁ができました。
こちらも軒の向こう側に黄葉したイチョウ。ここでも少し奥のほうから額縁構図を作って撮影。
東京都庁を魚眼レンズで撮影。四角だけでなく丸い形も額縁構図となります。
日常のいろんな場所の額縁構図
周りさえ囲めればいいので、日常のいろんなところに額縁構図のヒントがあります。
こちらは車内から撮影して車の窓を額縁に。
雪に埋もれた山小屋から外を覗き見るように。
スマートフォン越しに撮影すると周りがボケてくれるので、それが額縁のようになります。これも立派な額縁構図。
周辺減光を使う
オールドレンズやちょっと安価なレンズなどでは絞り開放で撮影すると周辺減光といってまわりが少し暗くなってしまいます。
レンズの性能的にはあまりよろしくないため、最新のレンズではこの周辺光量落ちはかなり改善されているのですが、この描写が逆に味があってよかったりしますよね。
これもまた一種の額縁構図のひとつで、周りを暗く囲うことで中央に視線を誘導することができるのです。
Lightroomなどの現像ソフトでも周辺の露出を下げ、周辺を暗くすることができます。中央に視線を誘導したい時に使うといいでしょう。
花や木々で額縁を作ると、満開のように見える
花や紅葉した木々の葉っぱなどを使って額縁構図を作るというテクニックもあります。
これのいいところは額縁構図の視線を誘導することに加え、そんなに咲いていなくても満開のように見せることができることです。
例えばこちらの写真はモミジの木がちょっとしかないのですが額縁のように城を囲むことでたくさんのモミジがあるように見えます。
これも山間の集落を展望台の手前にある紅葉で額縁構図にした写真。
アイデア次第でいろいろできますね。
完全に囲めるといいのですがなかなかそうならないことも多く、そこから視線が抜けやすいので注意も必要です。
まとめ
額縁構図を使うことで、てっとり早くそれっぽい写真が撮れるようになります。もし囲むものがなにも見つからなかったらとりあえず周辺減光させてみるだけでなんだかちょっと写真のできあがりが変わってくるものです。
ぜひあなたの見つけた額縁で構図を作ってみてくださいね。