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【ネタバレあり】君たちはどう生きるかを見てきた

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7月の三連休前に封切りとなり、しばらくは人が多いかなと思っていたのですが、僕は田舎に住んでいるので三連休のど真ん中にも関わらずレイトショーではそこまで混み合っていなかったので思わずチケットゲット。

両隣が空いているという快適空間で鑑賞してきました。

ということで、さっそくですがネタバレありで感想を書いていきます。

まったく意味が分からなかった

全編とおして意味がよくわかりませんでした。

どういう舞台の物語なのか分からなかった

舞台は昭和初期。第二次世界大戦中のころ。冒頭、主人公の母親がいる病院が火事になってしまい、母親が亡くなってしまうというシーンからはじまります。

戦中、火事のシーンから火垂るの墓みたいな物語なのかなと思ってしまいました。事前情報がまったくなかったということもあり、内容も分からなかったのですが、火垂るの墓みたいなちょっと重めの内容だったらそれなりに見る覚悟が必要だったなぁなどと思っていたのですが、シーンが変わっていくと印象が変わっていきます。

その後、母親の妹と再婚したであろう父親に連れられて田舎のほうにやっていく主人公・眞人(まひと)

ここもちょっとよく分からないのですが、当時の人は伴侶を亡くした後、その妹と再婚することがわりとカジュアルにあったのでしょうか?

僕としてはいきなり出てきた母親の妹・夏子(主人公のおばさん)が自分のお腹に手を当てさせて

「ほら、ここにあなたの弟がいるのよ」みたいなことを突然言ってきて、え?どういう展開?と思ったのですが、まあ、特に説明されることなく続きます。

田舎にいったらトトロみたいになった

田舎にある母親の妹の家に移り住むことになるこの雰囲気はどこかとなりのトトロみたいなイメージを受けます。

母親の家には、そこで住み込みで働いている7人のおばあちゃんたちがいるのですが、それらもいわゆるジブリアニメに出てくるおばあちゃん。

そんなトトロの世界で、なぜか夏子が突然行方不明になります。なかなか懐かない生意気な連れ子に嫌気がさしたのかよくわかりませんが、わりと唐突に、とくにそんな心理描写も感じさせないまま行方不明に。どうした夏子。

異世界にいったら千と千尋の神隠しの雰囲気に

そこから、キービジュアルに出てくるアオサギと出会い、行方不明になった夏子を助けるため、導かれるままに「下の世界」にいきます。

下の世界ではまるで千と千尋の神隠しの妖怪たちのような、不思議な生き物たちと出会うことに。もうこのへんから展開がはやすぎてまったくついていけていません。

7人のおばあちゃんずのうちの、一番いじわるばばあっぽいおばあちゃんと、なんだかおもわせぶりたっぷりに下の世界に落とされるので「え、もしかしてこのいじわるばばあが今作のヒロイン?これがいわゆるダイバーシティか」などと思っておりました。

しかし、いじわるばばあ・キリコはなぜか若返り、下の世界の住人として出てきます。なんで?

そして、なぜか火事で死んだはずの母親・ヒミも若返って戻ってきて主人公と再会。さらになぜか主人公とちょっといい感じになります。眞人、それ母親やぞ、目を覚ませ。

最終的にラピュタとナウシカになった

理解するヒマもないまま物語がすすんでいくと「下の世界」を作っている創造主である主人公の大叔父に出会いますが、こいつがなぜかラピュタとかナウシカみたいな格好をしとるわけです。おい、昭和初期の設定どこいった。

んで、最終的にバルスして下の世界が崩壊しはじめ、夏子を救い出し元の世界に戻ってきます。

まじでこんな感じで物語がすすんで、とくになんの結末の説明もなくスンッっと終わります。え?エンドロールが始まったけど?もう終わり?みたいな。

まったくかわいくない登場人物たち

まあ、いいんです。そういうんならそれで。見ている途中は「不思議の国のアリス」みたいなことやりたいのかなあとか思ってみてました。不思議の国のアリスを読んだことはないんですけどね。

思い返せば、たしかに千と千尋の神隠しも意味がわかるかといえば、そんなに意味はわからんかった。なんかしらんけど不思議な世界に迷い込んでなんやかんや白と千がいい感じになってバルスして終わったような気がします(うろ覚え)

けどね、それでも千と千尋の神隠しなんかは出てくる不思議なキャラクターたちがすごく魅力的だったのです。

が、今作「君たちはどう生きるか」のキャラクターはぜんぜんかわいくありません(個人の感想です)

まずアオサギがかわいくない

キービジュアルにもなり、主人公・眞人を下の世界に案内し、作中のパートナーとなるアオサギ。こいつがもうぜんぜんかわいくない。なんならちょっと気持ち悪い。キモカワイイとかではない、気持ち悪い。不快。きらい。

なんかキービジュアルではちょっとキリッとした感じなので、こいつが同一人物であることが信じられなくて、途中で違うアオサギが出てくるのかしら…、主人公がこのアオサギの皮をかぶることになるのかしら…、といろいろ想像したのですが、最後の最後まで気持ち悪いままでした。

全体的に鳥類が多い

下の世界では「わらわら」という、千と千尋のコダマのような、いかにもグッズ化を狙っているようなキャラがでてきます。このわらわらは空に飛び立っていき「上の世界」で新しい命となります。

そんなわらわらの飛び立つタイミングを見計らって襲いかかるのはペリカンです。なぜか、ペリカンはわらわらを襲って食べてしまいます。これもまあ気持ち悪いですね。なんでペリカンなんだったんでしょう。

さらに、ペリカンは母親のヒミに花火で撃ち落とされます。撃ち落とされた瀕死になったペリカンは眞人に愚痴を言い残して死んでしまいました。ペリカン…。

下の世界に行ってしまった夏子を探しにいくと、途中で立ちふさがるのはインコ。こいつらも、まあ気持ち悪い。

これは個人的なあれで申し訳無いんですが、僕、鳥類全般、あんまり好きじゃないんですよね…。

おばあちゃんずもデフォルメしすぎてかわいくない

さらに言うと、夏子の家で奉公している7人のおばあちゃんずも、いかにもこれまでのジブリ作品の特徴的なおばあちゃんたちをデフォルメしてまっせ感が強く、コミカルをとおりこして不気味な雰囲気を持っています。

ただ、作品としてはこのデフォルメばばあがかわいいだろ?こういうのが好きなんだろ?みたいな感じで見せられるのでちょっとキッツーとなってしまいました。

鑑賞後、いろんな考察を見てなるほど、となった

とまあ、いろいろよくわかんねえ映画だったなというのが素直な感想です。

んで、みんなどんなふうに見てるんだろうと帰ってネットで調べてみると、これは宮崎駿だったりスタジオジブリそのもののメタファーなのだという意見が多くて、なるほどなと思ったわけです。

けっこういろいろと見てみると、それぞれのキャラクターが宮崎駿やそのまわりにいる人達ではないかと考察されている。

  • ラピュタのコスプレみたいな大叔父さまは宮崎駿
  • 大叔父が作った世界はジブリそのもの
  • 13個の積み木はこれまで宮崎駿が作ってきた作品の数と一致する
  • 大叔父である宮崎駿はこの下の世界(ジブリ)を血筋であるだれかに継いでほしい
  • 世界を継いでくれと懇願したものの、それを拒否した主人公が宮崎吾朗
  • トリックスターであるアオサギは鈴木敏夫
  • いやいや、大叔父である宮崎駿に謁見できジブリの世界をぶっ壊すインコの王が鈴木敏夫
  • 過去のジブリ作品がセルフオマージュされているのはこれがジブリの世界そのものだから

などなどといろいろと考察がされていました。

たしかに、なんの話かわかんねえなとなるより、作品を読み解いていくといくのも大事ですね。

いや、知らんし

作品を見てただ分からない、というよりも、どういったものであったか読み解いていくのも大事だと思いますが、いや知らんし、となっております。

今年に入ってから見た映画がそういうのが多かったからか、そんなんこっちに求められてもなと思うわけです。

誰もがジブリマニアや宮崎駿マニアじゃない…

今回、久しぶりジブリアニメを見にいきました。一番最後に見た作品は千と千尋の神隠しです。よく考えれば20年ぶりのジブリ作品でした。

その間のポニョとかハウルとか風立ちぬとかは未見。なので、僕の中ではジブリといえばラピュタとナウシカとトトロのイメージでしかないんですね。

今回もそういう作品が見れると思って見に行ったのにこれは「宮崎駿のメタファー(ニチャア」とか言われても、いや、知らんがな…としかならないわけです。当たり前のように語られていましたがアオサギのモデルだっつう鈴木さんって誰やねん…。

もちろん、作中にオマージュや小ネタを仕込んでおいて、気づく人は気づくっていうのはぜんぜんいいと思いますよ。そら楽しいですよね。けど、それを知ってないと楽しめないっていうのはそれどうなのよ…と思っちゃうわけです。

先日鑑賞したスパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースは作中めちゃくちゃオマージュが仕込んであったようです。スパイダーマン知らない僕でも「あ、このシーン、もしかしてあれかな?」みたいなのがいくつかありました。けど、そんなん知らなくてもめちゃくちゃおもしろかったし、あとで仕込まれた小ネタを調べてさらに楽しいわけです。

【ネタバレあり】スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースがめちゃくちゃおもしろかったのでみんな見ろ

全体的に投げっぱなしジャーマンみたいな内容で、受け取り方はこちらに委ねられているっつうのは聞こえはいいんですが、それならそれで先に言っといてくれよ…。

よく考えればシン仮面ライダーもそうだった

こないだ見たシン仮面ライダーもそういやそうだったなと、これを書きながら思い出してきました。

あれも、なんかオリジナルリスペクトのわかるやつだけわかるみたいなオマージュを散りばめた結果、結局なにがなんだかわからない作品でした(個人の感想です)

さすが庵野!そこに痺れる憧れる!みたいな人もいましたが、おれは庵野を見に行ったわけではなく仮面ライダーを見に行ったのだ。なんか子供のころに見たおぼろげながらも痛快でおもしろかったあの仮面ライダーの新しいものを見に行ったのに、なんかマニアが見たらニヤリとする、みたいなやつを見せつけられてぜんぜん楽しめなかった。

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大御所監督のやつは合わないかもしれない…

この記事を書きながら自分の考えを整理しているので、なんかとっちらかって申し訳ないんですが、そう考えると僕は大御所監督の作品は合わないのかもしれんなあと思い始めました。すずめの戸締まりもあんまり好きじゃなかったし。

いろいろと結果を出してきた監督が、ポッと出のころはできなかった自分のやりたいことをやるっていうのは、それはそれでしょうがないのかなとも、なんとなくは理解できます。

庵野監督は自分の好きなマニアックな仮面ライダーをやりたかったんでしょう。

宮崎駿監督は今作を自分の作品の集大成として、自分が作ってきたものを託したいけど託せないという現状を作品にした。今後のジブリに関わる人間たちに「君たちはどう生きるか」と問いかけていると考えると、そのタイトルすらも、まあ納得するわけです。

けど、んもう、そんなの飲み会の2次会くらいで酔った勢いで発散しといてくれよ…。と思ってしまう僕は、そういった大御所監督の作品は合わないんだろうなと思いました。すずめの戸締まりも新海監督の「こういうのが好きなんでしょ」を隠そうともしない雰囲気が好きじゃなかったし…。

あんまり映画自体も詳しいほうじゃないので、なんも考えずに見れてドエンタメしているような作品のほうが合っているんだろうなと自己分析ができました。

君たちはどう生きるか
評価
 (1.5)
まとめ

というわけで、スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの続編が楽しみです。