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カメラを買ったけど、なんだか思っていたような写真が撮れない。なんて言葉を周りでチラホラ聞くことがあります。
今までは自由に好き勝手撮ってたけど、そろそろ初心者からステップアップしたい。そんなあなたにオススメしたいのが「構図(こうず)」です!
構図ってなんだ!?
写真の批評を見ていると「うむむ、これはいい構図」だとか「もっと構図を工夫しよう」なんてのを目にすることがあるかもしれません。
じゃあ、構図ってなんだ?
写真を写すとき、あなたには「写したい何か」があるはずです。例えばこのお花ステキ!とか、今日食べたランチを撮りたい!とか、目の前の絶景を写したい!てな具合に。
そんな時、その写したいものを写真という四角の枠にどのように配置するかが、構図です。ちょっと難しくなってきましたね。もう少し難しくしますよ。
そのもっとも写したい主題をどこに配置するか。同時に写しこむ副題をどのように入れるか。背景をどう配置するのか。ボカすか絞るか。明るく写すか、暗く写すか。
1枚の写真の中には様々な要素が絡み合って構図が決定されます。それこそ1cm、1mmカメラの位置を動かすだけで構図はまったく変わってきます。
んで、思うわけです。「そんな難しいこと、やってられっか!」
構図を覚えよう
カメラを始めたばかりの頃は、構図なんていわれてもピンとこないと思います。僕もそうでした。そんな小難しそうなことを考えるよりは楽しく写真を撮っていたい。
けどね、安心してください。
実は「良い構図」っていうのにはいくつかパターンがあるんですよ、奥さん。
そして、したり顔で「うむむ、これは良い構図」なんて言っちゃってる初心者に毛が生えたくらいの僕なんかは、だいたいそのパターンに当てはめて写真を撮ってるわけです。なにそれズルい!
そして、そのパターンにあてはめればてっとり早くそれっぽいのが撮れるんですよ、奥さん!ログカメラではてっとり早くそれっぽいというのを推奨しております!
とうわけで、今日は今までよりちょっと写真を上手になりたい貪欲なあなたのために、そのパターンをドドンと紹介してみるよ!出し惜しみなしでいくからね!
全部自分で撮った写真なので、どんな意図で撮ったか、なんてのも説明してみたいと思います。
明日から写真を撮る時、必ずこのどれかにあてはまる構図が作れると思うので、小難しいって言わずに見てってくれよな!I☆KU☆ZE!
1.三分割法
とりあえず10個も小難しいこと覚えてられっか!っていう人もとりあえずこれだけ覚えておいてほしいのが「三分割法」
またすでに画数多くなってきたちょっとチカチカするんですが、やってることはかなり簡単。
上の図のように縦と横に3分割する線を引きます。んで、その交差するところに一番写したいものを配置するとなんかいい感じの写真になるっていうのがコレ。
さらに副題や背景なんかも他の交差点やはたまた引いた線の上に置いて行くとあら不思議、なんだかステキになるんです。マジで。
たったそんだけで?って思うじゃないですか。まあ、ちょっとやってみてくださいよ。今まで真ん中に写してたやつをちょちょちょっと動かすだけで、手っ取り早くいい感じになりますから。
三分割法の作例
蓮の花に蜜を集めに来ていたクマンバチ。
これはもうベタに3分割の交差点においてみます。これが他の位置だとちょっとまたイメージが変わってきますね。ここにハチがいるのがちょうどいい。
下の横線に花びらのラインを合わせているのもポイントです。
海を眺める人がいたので、三分割の交差点に置きました。
右下の岩場を線上に置くことで安定感が出ていると思います。水平線がちょっと外れていますが、あんまり細かいことばかり考えているとハゲるから気にしないことも大事です。
とはいえ、3分割法のキモはその線を意識すること。水平線など線になるものはきちんと水平・垂直をとるようにしましょう。とくに海や湖などの水平がとれてないと非常に気持ち悪いです。
これなんかは盛大に交差点から外れていますが、いいんですよあんま細かいこと気にしすぎなくても。だいたいこの線のあたりに納めればいい感じになる、というのが三分割法のいいところです。
とはいえ、水平線は上の横線に、太陽は左の縦線に重なるよう配置しています。棚田のシルエットは下の横線に沿うように。バランスよく撮れたと思います。
稲佐の浜の弁天島という島の写真。
主題である弁天島を左下の交差点に配置。副題で北極星のグルグルを右上の交差点のあたりに。こうすることで対象的な感じもでておもしろいです。
桜の枝に止まっていたヒヨドリ。
真ん中に配置しそうなところをグッと我慢して、右下の分割点に。目線を左上の分割に意識させることで、写真の中でストーリーが生まれますね。何か考えてるような。
左上の交差点に主題であるダンボーを配置。その左の線上に切り株を置いています。これもベタな三分割法ですね。
縦構図でも三分割法は効果的です。
左上の交差点にカエルをその線にそって蓮の花の中心を入れています。これもただ真ん中に置くよりもおもしろい構図ですね。
これもベタな構図。睡蓮の花をちょちょっと右上に配置することで、なんかそれっぽい写真になるので不思議です。
メインの被写体である桜を右下の交差点に。副題の星の中心点を左上に。このパターン、さっきも見ましたね。
これも同じパターン。ね?鉄板の構図ってあるもんでしょ?こういう感じで鉄板のパターンを覚えておくと、構図づくりがやりやすくなります。
2.日の丸構図
メインの被写体を日の丸のようにど真ん中に配置することを「日の丸構図」といいます。
構図のことをなんにも考えずに写真を撮るとついついやりがちなこの構図。日の丸構図で撮らないようにしよう、なんてのを目にすることもありますが、構図をなんも考えずに撮るとダサくなりがちなのですねこの構図。
しかしですね、被写体の圧倒的な存在感や愛があればこの構図以上に被写体を引き立てられるものはないと思います。要は愛だよ、愛。
日の丸構図の作例
美しいボタンの花があったので。日の丸構図にするとともに、周辺を暗くすることでその存在感を強めています。
クラゲって見てると落ち着きますよね。これもかっこいいフォルムだったのでど真ん中に置いてやりました。
どっしりとしたかっこいい門があったので。日の丸構図にすると共に、少し煽ることでその重厚感を表現しています。これは後にでてくる三角構図との組み合わせですね。
皆既月食の赤い月。日の丸構図ならぬ月の丸構図ですかね。
月もいろんなアプローチの仕方がありますが、やはりベタな1枚は日の丸構図で。
非常にインパクトのあるクチバシを持った鳥。
もう、こんなインパクトのあるやつは余計なことを考えずに日の丸構図で撮っちゃったほうがシンプルでかっこいい。
直島にある草間彌生さん作のカボチャのオブジェ。こちらも作品自体にとてもインパクトがあるので日の丸構図にしました。
前や後ろをボカすことでカボチャを引き立てています。
フクロウの瞳ってすごいかっこいいですよね。これもシンプルに目を真ん中にもってきた日の丸構図。
周辺を暗くすることでトンネル効果でさらに瞳に目が行くようにしています。
日の丸構図ということでお日さまの写真も1枚。宍道湖の嫁ヶ島に沈む夕日。
これもいろんな構図の作り方がありますが、やっぱり日の丸構図はインパクトがあります。
美しい睡蓮の花があったので。え?さっきは三分割法で撮ってたじゃないか!?細けえことはいいんだよ!
でっかいアヒルがいたので。こんなん日の丸構図で撮るしかないじゃないですか。存在感ありすぎ。
望遠レンズで撮ることで手前の人との圧縮効果も狙っています。アヒルのデカさが際立ちますね。
3.二分割構図
三分割法が大正義なのでちょっと目立たないのですが、二分割構図もおもしろいです。真ん中でズバッと分けてやることで対比だったり安定感を感じさせることができます。
撮りたいもののテーマがはっきり2つに分かれているのなら、余計な小細工せずに二分割構図を使ったほうがおもしろいかもしれません。
二分割構図の作例
美しい雲海と印象的な朝焼け。どちらもメインをはれるくらいの素晴らしい光景でした。なので、二分割構図で撮影。
もしどちらか片方をメインにしたい時は三分割法で主題のほうが大きくなるよう構図をとってやるといいですね。
鳥取砂丘の風景。手前に砂丘を前ボケにして、二分割構図で配置。ちょっとさみしい感じにしてみました。
こちらは雪が降った時の鳥取砂丘。きれいな青空と雪が素晴らしく美しかったのでこれもどちらもメインにしたかったので二分割構図に。
太陽も出ていたので、三分割法で左上の交点の部分に太陽を置きました。
富士山のご来光を待つ人達のシルエット。真っ赤に照らされた雲海と黒いシルエットを二分割構図にしてみました。安定感があるかなあと思います。
望遠レンズで撮っているので圧縮効果で雲が迫ってくる印象も加えてみました。
卵を売っているところをスナップ。白いタマゴと赤いタマゴがあったので対比になるよう二分割構図で。後述するシンメトリー構図に近いですね。
工場のギラギラした感じと真っ赤に焼ける夕焼けを対比させるように表現してみました。
真っ赤に紅葉したモミジ。赤色には黒がよく似合います。露出補正をマイナスし黒い部分を作り出し、赤と黒の対比の構図にしました。
角島へと続く橋。雲の流れが印象的だったので角島を中心におき、橋と雲を半々で入れています。後述する放射構図との組み合わせですね。橋のラインと雲のラインがで視線を角島に向くようにしています。
真っ赤に燃えるようなモミジとそれを背負うようなシルエット。これも構図の作り方でまた印象が変わると思います。
落葉したイチョウと奥の紅葉。晩秋が感じられるよう表現してみました。
4.三角構図
三角形を構図の中に入れるのが三角構図。この三角構図は二つに分けることができまして、頂点が上にくる三角形はどっしりとした安定感を表現できます。
逆三角形をつくると、こんどはぐらぐらした不安定な感じになります。意図した表現ができるよううまく使い分けたいですね。
三角構図の作例
ギラギラで重厚感がある工場。真ん中の鉄塔を頂点に、レンズを少し煽ることで三角形をつくっています。
どっしりとした感じになりますね。
島根にある日御碕灯台。ここもいろんな撮り方がありますが、下から煽るように三角を作ると迫力がありますね。
お城なんかは三角構図の典型ですね。日の丸構図とも合わせてどっしりと迫力ある松江城を。
メインの鉄塔を三角に切り取り重厚感を。手前に桜を後述する額縁構図っぽく配置することで構図がおもしろくなってると思います。これがひとつずつだと少し印象が変わりますね。
台湾にある中正記念堂。これも重厚感や迫力を出すために三角構図に。建物は三角構図が似合いますね。
こちらもお城。黒い感じがかっこいい岡山城です。こちらは正面からばばーんと撮ってますよ、ばばーんと。
山も三角構図作りやすいですね。この写真ではいくつもの三角構図が奥へと続いています。こうやって視線を誘導するようにしてやるとおもしろい写真になります。
ここからは逆三角形の三角構図。東尋坊の断崖絶壁を逆三角形に切り取ることで、切り立ったがけの不安感をだしています。
先ほどの台湾の中正記念堂の内部。
内部はとても大きかったのですが、それを表現したくて天井を逆三角形に配置してそのスケール感を出してみました。
大分の豊後森機関庫。今は使用されておらず見た感じ廃墟のようになっています。そのちょっとおどろおどろしい感じを出したくて逆三角形になるよう切り取ってみました。
夜の雰囲気とも相まっていい感じです。
5.シンメトリー構図
シンメトリーとは対称性のこと。二分割構図とよく似ていますが、上下、左右に分けた空間に対称の物を配置するのがこの構図。
鏡やリフレクション、など探してみるとおもしろいシンメトリーが見つかります。これを見つけるのも写真の醍醐味ですね。
シンメトリー構図の作例
桜の手前に水を張った田んぼ。ライトアップされるとその田んぼに美しく桜が映りこんでいたのでシンメトリー構図で。
同じ場所でほぼ同じ構図ですが、風の少ない日などは田んぼにも星が写りこみます。星もシンメトリーにしてやるとおもしろいですよね。
これも田んぼにイチョウの木が映り込んでいたので。映り込みの空の青さが深くなっているのがいい感じです。
河津桜が等間隔に植えられていたので左右対称になるように。被写界深度を浅くすることで奥行きのある構図にもなりました。
水を張った棚田は綺麗に星を反射してくれます。棚田の美しい形に星空をシンメトリー構図で撮るとすごく不思議でおもしろい写真に。
天の川を撮るのって楽しいのですが、それだけだとなにか味気ない。ちょうど同じような形の木があったので天の川を中心にシンメトリーに切り取ってみました。
まるで双子の木のような感じになったかな、と思います。
和傘のライトアップ。こういう幾何学的な展示はシンメトリー構図を作りやすいです。あなたの身の回りにもありますよね、探してみてください。
紅葉のライトアップが池に映りこんでいたので。ライトアップもシンメトリーを探しやすい場面ですね。
広島県の千鳥別尺のヤマザクラ。こちらも田んぼ張られた水に写りこむ桜の姿が美しかったので。
非常に印象的な形の道路。左右対称になるよう構図をとり、アクセントでテールランプを入れています。ツツジの花も美しいです。
6.対角構図
二分割構図によく似ていますが、水平に分割していたラインを斜めにする対角構図。これによって二分割構図ではなかった動きが出てきます。水平垂直にするだけではおもしろくないものも、斜めを入れることで変化が出てきますね。
また、斜めのラインを中心に対照的なものを入れてみるのもありです。
対角構図の作例
山肌に咲き乱れているヤマザクラ。奥に重なる山も均等に配置することでリズム感を出しています。山の斜面は対角構図を作りやすいです。
春先の天の川は地平に寝そべるように見ることができます。この天の川のラインを対角構図でとることで視線を誘導することができますね。桜のシルエットが視線が動く始点になっています。
同じ場所で少し時期をずらして。初夏の頃になるとこのようにだいぶ立ち上がってくるので縦で対角構図をとってみました。さっきの写真と少し印象が変わってきます。
対照的な花火が同時に打ち上がったので対角構図で切り取ってみました。これが同じ高さに打ち上がってたら写真としてはすこしおもしろ味がかけますね。
対角構図に切り取った2つの部分。「赤と静」、「青と動」を対照的に写してみました。
斜めに降り注ぐ光芒を見つけたので対角構図で。光と影の雰囲気を出してみました。手前の柱をシルエットにすることで後述する額縁構図も組み込んでいます。
ダンボーとおもしろい模様の葉っぱを対角構図で。
光の陰影を対角構図で。なんてことない椅子ですが、光の入り方でドラマチックになりますね。
山の斜面を斜めに配置する対角構図。ダンボーの視線はそれと交差するように向いています。空に向かって伸びやかな思いが感じられるかなあ。
印象的なラインがあれば雲でも対角構図を作れます。三分割法で桜を左下の交点に配置。雲の流れと桜の向きを合わせることで春の空の広がりを表現しました。
7.放射構図
1つの点から放射状に伸びるものを意図した構図が放射構図。この図だとちょっと分かりにくいので作例を参考にしてほしいのですが。
絵を書くときに、きちんとパースペクティブ(遠近感)が付けられるように、消失点を付けるよう美術の時間で教わりましたね。その消失点からわーっと放射状にするのがこの構図。
ですので、遠近感であったり、消失点への視線誘導、また消失点からの広がりなどを表現したい時に使います。
パースペクティブのつけやすい広角レンズなんかと相性がいい構図でもあります。広角レンズをお持ちなら、放射構図を意識してみると面白いかもしれません。
放射構図の作例
広島県にあるエコリウムという近未来的なデザインがイカすゴミ処理場。通路の左右がガラス張りになっていて、とてもキレイでした。さらに奥の出口が明るくなっていたのでそこに向かって視線を誘導し、通路の奥行き感を出しました。
広角レンズを使うことでかなり遠近感を出すことができました。
コスモスが咲き乱れている様子を表現したかったので、広角レンズで下から煽るように撮影しました。
左右に大きくコスモスを切り取ることで奥からの広がりがあり、コスモスが踊っているような感じに撮れたと思います。
藤のトンネルの写真。トンネルなんかも放射構図が作りやすいですね。
白と紫の藤が等間隔に植えられているので、リズム感がありながら奥へと視線が誘導されます。
美しく咲いた桜の足元に、これまたかわいい水仙があったので、下から上に広がりを感じさせるよう放射構図をとりました。
広角レンズでしたから煽るとともに、しっかり絞ることで手前の水仙、奥の桜どちらにもピントがあっています。
屋久島にあるウィルソン株という杉の切り株。この切り株が空洞になっており、下から見上げるとその切り株の形がハート形に見えます。
切り株を放射構図にすることで、中央のハート形に視線を誘導しています。
木や高いタワーなどを下から煽り、消失点に向けて遠近感出してやるのも放射構図の一つです。
これは台北101という台湾で1番高いタワー。これも広角を使い放射構図にすることで、さらに高さを強調しています。
川に飛び交うホタルの光をとらえた写真。
ホタルの光跡が放射構図になるよう構図を意識します。川の流れにそってこちらへ向かってくるような印象になりました。
タワーなどと同じように、巨木を見つけたら下から放射構図で撮ってみましょう。
しっかり根本の部分を入れ、空に向かって高く伸びていく様子が表現できます。空を少し白く飛ばしてやると爽やかで、巨木の神々しい感じがでます。
真っ直ぐ伸びていく道も放射構図が作りやすいですね。道にそって真っ直ぐな柵があったのでそれを放射構図に使いました。奥行き感が出ると共に、道にそって生えている竹林が美しく表現できたのではないでしょうか。
京都にある南禅寺の水路閣。同じ形の橋桁が等間隔で並んでいる撮影スポットのひとつ。
消失点に向かって放射構図で視線を誘導、どこか異世界に迷い込みそうな感じになります。これは単焦点レンズを使い手前や奥をボケさせることで立体感を出しています。
8.額縁構図
メインの被写体を額縁のようなもので囲うのが、この額縁構図。
額縁のようなもので囲うと絵がしまり、視線がメインのものに集中しやすい、という効果を得られます。
額縁のようなものって、なかなか見つけられないような気がして案外よくあったりするものです。特に建造物などは直線が多いので額縁にしやすいと思います、ぜひチャレンジしてみてください。
額縁構図の作例
兵庫県にある安国寺というお寺のドウダンツツジ。
これは構図を作る以前に、額縁になるようお寺とドウダンツツジが配置されていますね。こういう場所を探すのが手っ取り早いです。
まわりがシルエットの黒になることで燃えるような赤がさらに印象的になります。
別に周りを黒くする必要もありません。こちらは錦帯橋を桜の花びらで囲ってみました。桜だけだとなかなか主題になりにくいですが、こうやってメインを彩る副題にするのもおもしろいです。
こちらも手前に桜を配置し、奥に五重塔を。とりあえず囲んでやりましょう。
額縁は窓を探してみるのも見つけやすいです。こちらは窓から漏れた光が駅のベンチを照らしている様子。周りの影が額縁になって絵がひきしまっています。
こういうベタなところを切り取るのもありですね。桜が額の中に入れられた絵のような雰囲気がでます。
水族館なども展示されているところは明るく、周りは暗いというところが多いので額縁構図が作りやすいですね。手前に人をシルエットでいれるとドラマチックになるのでオススメです。広角レンズで狙えば手ブレも軽減されますし、額縁構図つくりやすいです。
路地のようなところに印象的な被写体があればぜひ額縁構図で狙ってみましょう。路地まで明るく撮るとごちゃごちゃしてくるのでこれもシルエットで撮るといい感じですね。
周辺光量不足な写真が時にいい感じになるのは、額縁構図のように視線がメインの被写体に誘導されるからです。フルサイズ機にAPS-Cのレンズをつけると盛大に周辺がケラれるのですが、逆にそれがおもしろかったので額縁構図を狙ってみました。
明暗差のあるところってカメラは弱いのですが、あえてそれを逆手にとると印象的でおもしろい写真になりますね。光と影を操りましょう。
通路の奥に印象的な被写体があったので。通路から出て全体図を撮ってもいいですが、あえて通路の出口を入れることで額縁構図にしています。
9.S字構図
ファインダーの中にSの字になるようなものを探して入れるのをS字構図といいます。
Sの字のものも、無さそうで案外たくさんありますので、積極的に探してみましょう。S字構図も視線誘導のテクニックのひとつです。Sの字を描いているものが奥行き感を出してくれます。
また、そのしなやかなラインは柔らかさや妖艶さを表現するのにも向いています。
S字構図の作例
川の流れはもっともS字構図を作りやすい被写体の一つ。これはさっきの額縁構図と合わせ技ですね。桜並木が続いている感じを表現してみました。
棚田を走る車のヘッドライト。棚田の中をSの字にゆるやかにカーブしている様子が棚田のいいアクセントになっています。
最近有名なラピュタの道。なんでこの何でもない道が美しいかって、そこにSの字があるからなんですね。
線路や道もS字を見つけやすいですね。電車を写されるかたも少なくないと思います。ぜひS字に美しくカーブしているところを探してみましょう。
吉野の山が桜で彩られた様子がS字に続いていました。山頂から裾のまでヤマザクラが咲いていて奥行き感が出ています。視線もこのSの字にそって誘導されていきます。
川のほとりに紅葉したモミジの葉っぱをSの字に配置。川のゆるやかな流れを表現するとともに対角構図で青と赤の対比を描いています。
こちらも道がS字に見えるような場所を狙って。さらに誘導された視線の先に鳥を配置しています。鳥の場所は三分割法を使って左上に配置しています。
こちらも川のが流れがS字になるような場所を選んでみました。画面に奥行きが生まれ、ホタルが奥深い森の中で舞い踊っている様子を表現しています。
雲海の流れがS字になっていたので。これも奥行きが生まれ、まるで雲が川のようになっているような絵にしてみました。
川の流れはS字構図の鉄板ですね。浮き上がった川床が緩やかな曲線を描いていてとても美しいです。
10.引き算の構図
「写真は引き算」なんて言葉をよく聞くかと思います。ステキな光景!と思いあれもこれも入れていまうと結局何を撮りたかったのかわからないゴチャゴチャとした写真になってしまった、という経験があるかたもいらっしゃるかもしれません。
撮りたいものを明確にし、それ以外のものを引いてやる「引き算の構図」を使うことで主題が明確になり、何を伝えたいか分かりやすくなります。
ボケやシルエット、露出差などを使うことでいろいろなものを画面の中から「引く」ことができます。
引き算の構図の作例
単焦点や望遠レンズでボカした写真がなんだかいい雰囲気なのは、この引き算の構図の効果があるからです。背景をボケで処理することで、何が写したいかハッキリします。
露出をマイナスにすることで、光があたっている場所以外をグッと黒くすることができます。ライトアップやちょっと明暗差があるところで使うと作りやすいです。
ここでは金魚鉢を浮き出るようにてみました。
こちらもライトがついていて明暗差ある場所で。あまり明暗差があると白飛びすることもあるので要注意です。
たくさんのモミジがある中、お地蔵さんの頭にある1枚にピントを合わせ、背景はうっすらモミジが分かる程度に引いてやります。
暑さにうだるネコがかわいかったので。その表情に視線を誘導したいので他の部分はボカして引いています。
こちらもダンボーに注目させたかったので。手前に足跡をつけたのでそれはわかるように。海岸線がうっすらわかるぐらいに引きます。背景が印象的ならボカし過ぎは注意ですね。
シルエットも引き算のテクニックの一つ。あえて全てを写さないことで、ドラマが生まれます。シルエットは逆光で作りやすいのでぜひ狙ってみましょう。
赤いもみじが非常に印象的だったので、それ以外の場所を露出補正で黒くしました。実際はこの後ろ側は河原になっていて、それまでいれると画面が煩雑になっていました。
もみじの赤とマイナス補正した黒は相性がとてもいいです。
こちらも赤つながりで、彼岸花に木漏れ日が当たっていたので、明暗差を利用し周りを真っ黒に。やっぱり赤と黒は相性いいですよね。
真っ直ぐな瞳がとても印象的だったダチョウ。こんな時は日の丸構図も使ってババーンと。まわりもしっかり引いてやります。強い眼差しが表現できます。
まとめ
さあ!どうだったでしょうか!?
写真を撮りに行かれるときに、この中の一つは当てはまるような被写体や場面にきっと出くわすことがあるはずです。
パターンにはまりすぎるのもアレですが、きちんと知識として知っておくことはあなたの写真をググッとよくしてくれるはずです。
そして、このいろんな構図を試してみましょう!あなたの大好きな被写体を日の丸で三分割で対角で、といろんな撮り方で撮影し、最高の1枚を見つける。これが写真の最大の楽しみだと思います。
ちょっと構図が違うだけで、まったく表情が変わってきますからね!
なんだか四角ばって難しそうな「構図」。けれど、やってることはあんがい簡単デショ?
さあ、あとはもっと簡単です、カメラを持って被写体に出会いに行きましょう!撮れば撮るだけ、また構図がよく分かってくるはずです。