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LightroomにAIを使ったノイズ除去の機能が搭載!PureRAWとの違いはどれくらいあるのか?【2023年4月アップデート】

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2023年4月18日にLightroomがアップデートされVer.12.3になりました。今回のアップデートの目玉といえばなんといってもAIによるノイズ除去。

ノイズリダクションの性能や気になるPureRAWとの違いを検証してみました。

AIにより格段に向上したノイズリダクション性能

とりあえず、こちらをご覧ください。

補正前の写真はZ9・ISO4000で撮影。ノイズが分かりやすように100%等倍に切り出したものです。

補正前の写真はカラーノイズや輝度ノイズがたっぷりのっているのがわかりますが、補正後はつるつるになっていますね。いや、もう最新の技術はここまで来たかという感じです。

他の写真も見てみましょう。

動物の体毛の部分のノイズリダクション

こちらもZ9。ISOは8000とかなりの高感度なので体毛の部分のディティールがかなり潰れてる写真です。

AIがけっこう苦手なのが動物の毛の部分のノイズ処理。ノイズによるランダムなパターンなのかを判断しかねて、おかしな処理をしがちなところなんですが、今回のLightroomのAIでの処理では非常にきれいにノイズ除去されていますね。

潰れてしまったディティールも、いい感じで再現されているのではないでしょうか。

星のノイズリダクション

星にもノイズリダクションをかけてみました。Z7・ISO2500で撮影。こちらは200%に拡大しています。

星のノイズもけっこうキレイに取り除いてくれるのですが、やはりAIによるノイズリダクションでは星の処理はまだちょっと苦手なのかなという印象です。

星雲の部分のモヤモヤしているところとか、レンズによる収差の部分とかと、実際のノイズの判別がまだついていない感じがあります。

ただ、まあこのへんもたくさんの学習パターンを食わせていけばどんどん改善されそうではあります。

実際のノイズ除去のかけ方

どのようにノイズ除去をかけるのかということですが、まあめちゃくちゃ簡単です。

現像パネルの部分にノイズ軽減というパネルができました。

これまでのノイズ除去のパネルは「手動ノイズ軽減」という名前に変わり、ドロップダウンメニューとなっていて、普段は隠れています。今までのものが使いたい場合はクリックしてこのように表示させることができます。

ワンクリックでノイズ除去開始

「ノイズ除去」のボタンをクリックすると「強化のプレビュー」という画面になります。

ここで「ノイズ除去」の適用量を決めていきます。デフォルトでは50なんですが、ちょうどいい感じにチューンしてあるので、そんなにこだわりがなけばそのまま「強化」のボタンを押しましょう。処理が始まります。

もっとノイズを除去したいとう時は適用量を100に近づけていくと、さらにノイズを取り除くことができますが、その分ディティールも失われていきます。

PCの性能によって処理時間が変わる

現在、M2MacBook ProiMacを持っているので処理時間を比べてみたんですが、新しいM2MacBook Proのほうが1.5倍くらい早くノイズ除去を終えました。もし、時間がめちゃくちゃかかって困るという場合は新しいPCに変えてみるのもいいかもしれません。

処理後は新しいdngファイルとして書き出される

処理後は元のRAWファイルはそのままに、新しくdngファイルが書き出されます。このdngファイルもRAW形式になっているのでそのまま現像を続行することができます。

jpgファイルはAIでのノイズ除去ができない

AIによるノイズ除去ができるのはRAWファイルに限ります。jpgファイルの場合はこのように「ノイズ除去は現在、この写真の形式と互換性がありません」と表示されます。

今までの手動によるノイズ除去は可能なので、jpgで撮影する場合はこちらを利用しましょう。

saizou
saizou

jpgでのノイズ除去はカメラ内部でやったほうがキレイなので、jpgメインで撮影する場合はカメラ側のノイズリダクションをONにしておくのがおすすめです

PureRAWと比べてどうなのか?

AIでのノイズリダクションというと、やはりPureRAWというイメージが強いですね。というか、今回のLightroomのアップデート自体、PureRAWをぱk…げふんげふん。インスパイされたものといえるでしょう。

ということで、実際にPureRAWとのノイズリダクションも比較してみました。

PureRAWのノイズ除去がパワフルすぎるので今後の撮影が変わっていきそう

どちらも非常に高いレベルでノイズ除去されています。特別なこだわりが無ければLightroomによるノイズ除去でもまったく問題ないのではないでしょうか。

とはいえ、PureRAWがまったく用済みかというとそうでもありません。

PureRAWはノイズリダクションのソフトというイメージが強いのですが、実は他にもいろんな処理をしています。

  • 必要な部分にシャープニングを適用
  • ヴィネット、色収差、ディストーションなどのレンズによる欠陥を補正

この写真でも水しぶきの部分のディティールの細かさはPureRAWのほうがキレイに出ている印象があります。

PureRAWはレンズごとの情報を持っているので、一度の作業で周辺光量や色収差なども破綻させることなくキレイに処理してくれるので、Lightroomだけで全部できるかというとまだまだPureRAWにお世話になることは多いと思います。

先ほどのRAWファイルの露出を上げて、暗部を無理やり持ち上げてみました。

Z9やZ7ではシャドウを無理やり持ち上げると格子状のノイズがよく出るのですが、このLightroomで処理したものでもそれがちょっと出ていますね。

一方、PureRAWでは暗部を持ち上げたときのノイズ感までキレイに処理されています。

星のノイズリダクションもこんな感じ。PureRAWのほうがちょっと明るくなっているのは周辺光量の補正が入っているからです。

このへんは任意でオフにもできるのでお好みで処理しましょう。

まとめ

これまでプラグインを入れなければできなかったような、AIを使った高度なノイズ処理がデフォルトで使えるようになり、Lightroomがさらに使いやすくなりました。

AIを使った処理というのはソフト毎にちょっとクセが違ったり、得意なもの不得意なものもあったりするので、そのへんは柔軟に使い分けて行きたいですね。

ちなみに僕は昨年末にPureRAW買ったばかりなので、とても複雑な心境ですが、素直に歓迎したいと思います。

また、今回のアップデートにはAIのノイズ除去の他に以下のようなものも含まれています

  • 髭や服のマスクを自動生成できるようになった
  • アダプティブプリセットの追加
  • ビデオから静止画フレームの抽出
  • 新しいカメラとレンズのサポート

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