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レンズのスペックを表す言葉のひとつに最短撮影距離というものがあります。
これは字面そのまんまで、そのレンズで撮影できる最も短い距離のことをいいます。
ただ、ちょっと誤解しやすいので今日は詳しく最短撮影距離について説明してみたいと思います。
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最短撮影距離
最短撮影距離というのはピントが合わせられる最も短い距離のことを言います。
スマホのカメラなんかを使っているとあまり意識しないかもしれませんが、一眼カメラというのはあまり近づきすぎるとピントが合わなくなってしまうのです。
上の写真ではフルサイズ機のZ7にNIKKOR Z 50mm f/1.8 Sを装着しているのですが、これくらい離れないとピントを合わせることができません。
猫を撮ってたら、レンズに興味を持って近づいてきたのでピントが外れてしまったという経験はあなたにもあるのではないでしょうか?
そんな最短撮影距離ですが、レンズやメーカーのスペック表などに記載されています。
このレンズだと「∞〜0.4/1.32ft」と書いてあります。0.4、つまり40cm
∞というのは無限遠のこと。なのでこのレンズでは一番近くは40cmから遠くは無限遠までピントがあいます、といことがわかりますね。
レンズから被写体までの距離ではない!
ちょっと勘違いしやすいのですが、この最短撮影距離はレンズの先から被写体までの距離ではありません!
最短撮影距離というのは「被写体からイメージセンサーまでの距離」のことを言うのです。
レンズを外すと見える緑っぽい部分、これがイメージセンサーですね。最短撮影距離は被写体とこのイメージセンサー(フィルムカメラであればフィルムまでの距離)の距離のことを言うのです。
ただ、最短撮影距離を図るためにいちいちレンズを外して、イメージセンサーから測るわけにはいきません。そこで注目したいのが赤丸の部分。
「Φ」のようなマークが見えますね。これは距離基準マークといいまして、ここにイメージセンサーやフィルムなどの撮像面がありますよ、ということを表しています。
小さくて見づらいですが、カメラの右肩の部分の赤丸が「Φ」マーク。被写体にピントが合う一番短い距離は、このΦマークから被写体までの距離を言うのです。おわかりいただけたでしょうか?
最短撮影距離のあれこれ
望遠より広角のほうが寄れる
一般的に広角レンズのほうが望遠レンズに比べて最短撮影距離が短い、つまり近くまで寄ることができます。
上の写真は魚眼レンズのPERGEAR 7.5mm f2.8ですが、最短撮影距離は0.12mということなので12cmまで寄ることができます。イメージセンサーから12cmなので被写体にレンズがくっつきそうですね。
比べて、望遠レンズは最短撮影距離が長めのものが多いです。望遠レンズを使うときは思っている以上に近くにピントが合わないことが多いので注意が必要ですね。
マクロレンズはとても寄れる
マクロレンズと呼ばれる種類のレンズは、この最短撮影距離が他のレンズに比べて短くなっています。こちらはNikonのマイクロレンズNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sですが、最短撮影距離は0.29m。焦点距離が105mmという中望遠にも関わらず、とても近くまで寄れることがわかります。
近くまで寄れるということは、小さいものでも大きく写すことができるわけです。通常のレンズだと近すぎてピントが合わないような距離まで近づけるのがマクロレンズの魅力。マクロレンズの性能を表すもので、最短撮影距離と似たような言葉に最大撮影倍率というものがあります。マクロレンズはこの最大撮影倍率が1倍以上のものを指します。
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ズームレンズは最短撮影距離が変わるものがある
via:NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR – 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
ズームレンズの中にはズーム位置によって最短撮影距離が変わるのものがあるのでちょっと注意が必要です。
例えばZレンズの24−200mmは24mmで0.5m、200mmで0.7cmと、広角域のほうが被写体に寄れるということがわかります。
一方、ズーム域全体にわたって最短撮影距離が変わらないレンズもあります。
via:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S – 主な仕様 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
大三元レンズのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sはズームレンズですが、仕様表を見てみると最短撮影距離はズーム全域で0.38mと書いてあります。
まとめ
ポートレートやテーブルフォトなど、けっこう寄りたいタイミングってけっこうあるので、レンズ購入の際のひとつの目安として最短撮影距離をチェックしておくのもいいですね。