この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
写真の適正露出を越え、明るくなりすぎてしまい絵が白くなっている状態を白飛び(しろとび)と呼びます。
今回は白飛びとはどのような状態のことをいうのうか?白飛びを防ぐためにはどうしたらいいのか?について詳しく解説します。
白飛びとは
白飛びとはこの空のように写真の一部分が白く飛んでしまうことをいいます。
白飛びの原因
白飛びは写真の中の一部が明るすぎる場合に発生します。例えばこの雪山の写真ですが、朝焼けの時間に撮影したのに空が白飛びしてしまっています。
実際に目に見えている光景はこのような朝焼けでした。目ではしっかりと見えていますが、カメラで撮影するとうまく写らないことがあります。白飛びもそのひとつ。
写真の中に明暗差があると白飛びが発生する
写真の明るさは、オートで撮影すればカメラがいい感じに設定してくれるのですが、写真の中に明るい部分と暗い部分があると、カメラはそのどちらかに合わせて明るさを決めてしまいます。
写真の中に明るい部分と暗い部分があることを明暗差があるといいます
目で見ているときは明るい部分の色が見えていても、写真で撮影したらその明るい部分の色が白飛びしてしまうのは、人の目に比べカメラのほうが明暗差に弱いからです。
カメラで写せる明暗の範囲をダイナミックレンジといいます
カメラのダイナミックレンジとは?白飛びさせないためには明暗差に気をつける
白飛びさせないためには、写真のなかに明るすぎる部分を入れないようにしないといけません。
ちょっと難しく言うと、明るい部分がカメラのダイナミックレンジを超えてしまうと白飛びしてしまいます。
どんなときに明暗差が激しくなるのか?
写真の中の一部に強い光がある場合、明暗差が激しくなります。
太陽が構図内に入る
太陽は非常に強い光源ですので、構図内に入れると大きな明暗差を生みます。
地上に比べ空が明るすぎる
空と地上も明暗差が生まれやすく、白飛びすることが多いです。特に朝夕、日が沈み始めてしまい影になっている場所などをしっかり明るく写そうとすると、まだ太陽に照らされている空との明暗差が大きくなり空の部分が白飛びしてしまいます。
夜の撮影時にライトなどの光源が入る
暗い夜なども、一部に強い光があり明暗差が生まれれば白飛びします。例えばライトアップしている光源などは強い光となるため白飛びしやすいので注意が必要です。
白飛びが嫌がられる理由は補正ができないから
ちょっといいカメラであれば、RAWという形式のファイルで撮影することができます。
このRAWファイルは、よく使うJPEGよりもたくさんのデータを記録することができるので一見白く飛んでいるように見える写真でも実はまだデータが残っている場合があります。
ちょっと長いですがRAWについて詳しく知りたい人はこちら↓も参考にしてみてください
徹底解説!RAWとJPEGの違いをできるだけ詳しく説明してみる!完全に白飛びしてしまうとRAWでも復旧できない
RAWファイルにデータが残っていれば、一見白く飛んでいる場合でもなんとかなったりするのですが、あまりにも露光量が多すぎて露出オーバーするとデータすら残らない完全な白飛びになってしまいます。
ちょっと言葉だとわかりにくいので動画を撮ってみたのでご覧になってみてください。
白く飛んでいるように見える写真でもデータが残っていればRAW現像で露出を下げてやることで階調を取り戻すことができます。
動画では白く飛んでしまっていた空の朝焼けの部分の階調を取り戻すことができました。
一方、露出オーバーして完全に白飛びしてしまった写真はRAW現像で露出を下げても、そこに『真っ白』なデータしか残ってないので白にしかなりません。
こうなっては後でどうにもならないので撮影の時点で白飛びしないうよう適正露出で撮影するのが大切なわけです。
白飛びに気づかず、データを飛ばしてしまうと後でどうにもならなくなるので、白飛びは嫌がられるんですね。
白飛びしてしまうときの対処法
それではここからは実際に白飛びしてしまう場合、どうやって対処したらいいか見ていきましょう。
白飛びしているかどうかはヒストグラムを見て確認する
カメラにはヒストグラムを表示できる機能があります。
ヒストグラムとは写真の明るさをグラフでデータとして見れるものです。グラフの左が暗いピクセル、右に向かって明るいピクセルが、写真のなかでどのように分布しているかということを客観的に見ることができます。
ヒストグラムについては詳しくこちらに書いているので参考にしてみてください。
カメラのヒストグラムのてっとり早い見方と使いこなす方法!このヒストグラムが右側にはりついてしまっているような状態が『白飛び』です。このヒストグラムが右側にはりつかないよう写真の明るさを調節しましょう。
カメラのハイライト表示も白飛びの確認に便利
カメラの中にはハイライト表示ができるものがあります。これをONにしておくと白飛びしている部分に色をつけて表示してくれるのでこちらも参照してみましょう。
露出補正をマイナスにする
白飛びさせない方法で一番かんたんなのは露出補正をマイナスにしてやることです。各オートモードでいい感じに露出を補正してくれるので思ったとおりの露出にすることができます。
カメラはきちんとうまく明るく写るよう、オートで絞りやSS、ISOなどをコントロールしてくれるのですがそれが自分の思ったとおりの明るさになっているとはかぎりません。
露出補正を使うことで、カメラをコントロールしてあげるのです。
ISOは低く
ISO感度を上げると光を増幅してしまいます。ですので、光が強い場合はなるべく低くしておくといいでしょう。ISO100やカメラによってはもっと低感度のISOにすることができます。
マニュアルモードを使う
マニュアルモードは絞りとシャッタースピードを自分で設定するモードです。
ちょっと難しいですが、その分細かく明るさをコントロールすることができます。
それぞれ
- 絞りを絞る
- シャッタースピードを早くする
ことで光の量を少なくできるので、白飛びを防ぐことができます。
NDフィルターを使う
日中、光の強い時間帯でも絞りを開けてボケた写真が撮りたいとか、シャッタースピードを長くして水が流れている雰囲気を出したいという場合があります。
そういうときはカメラ側ではどうにもならないことがあるので「NDフィルター」という光を吸収してくれる黒いフィルターを使うと白飛びを抑えることができます。
光を減光させる量によってさまざまなフィルターがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
NDフィルターとは?NDの選び方・種類・使い方をまとめてみた!HDR合成する
白飛びは明暗差が激しく、カメラが撮影できる明暗差の範囲を超えてしまったときに発生します。この明暗差の範囲のことをダイナミックレンジと呼びます。
こういった場合、明るい写真、普通の写真、暗めの写真を複数枚撮影して後でそのいいところだけを合成するHDR(ハイダイナミックレンジ)合成というテクニックもあります。
最近ではカメラの中に搭載されているものもありますし、Lightroomなどの現像ソフトでも簡単に合成することができます。
【簡単3ステップ!】HDR合成を使って空を白飛びさせずにきれいに写す方法!!センサーの大きいカメラをつかう
カメラのセンサーが大きいと、ダイナミックレンジが広くなります。
ダイナミックレンジが広いと明暗差にも強くなるので、その分白飛びしにくくなります。
カメラのイメージセンサーのサイズ比較とはいえ、白飛びも一つの表現
ただ、なんでもかんでも白飛びが悪いというわけではありません。
例えばこの写真では曇りの日にモノトーンな雰囲気を出したかったのであえて白く飛ばしています。そうすることで静寂感が感じられますし、背景に情報がないぶん鳥居がぐっと存在感を増します。
明るい場合に白飛びするのですが、それはそのまま眩しさや明るさを表現することができます。
この写真でも太陽の部分が白飛びしていますが、フレアも入っていることで眩しい雰囲気の写真になっています。
このミツマタの写真も右上の部分が白飛びしていますが、これも森の中に日が差し込んでくる清々しさを表現したかったのであえて白飛びさせました。
なんでもかんでも白飛びが悪い、というわけではなく表現として意図的にやることも写真の大事な要素のひとつです。
明るくするのは後でもできたりするのでデータは白飛びしないようにしておくと後処理がしやすい
明るさは後のRAW現像調整できます。
このように露光量を上げることで簡単に白飛びさせることができます。
白飛びしてしまった写真を後で補正しようと思ってもできませんが、後処理で白飛びさせることはできるのでまずは撮影するタイミングでは適正露出で撮っておくといいと思います。
まとめ
白飛びしてしまうと、せっかくのすばらしい写真も後で補正できなくなってしまいます。
撮影時に注意して、自分の意図した光をコントロールできるようにしましょう。