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2月14日、NIKONのZマウントにおける大三元の1本目のレンズNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sが発表されました。
14-30と同時に発表され、これでかなりの画角をカバーできるようになりいよいよ本格的にZマウントレンズが充実してきます。
買うかどうかずっと悩んでいたのですが、先日購入した14−30mmがあまりにもいいレンズだったので、もうこれはさっさとZマウントに移行するべきだと思いきって購入しました!ふっとべオレの貯金!!!
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sのファーストインプレッション!歴史が変わるレンズが出てきた!!まずは撮って出しの作例から!
コントラストがすごく高い
14-30mmでも感じ、購入のきっかけにもなったのがコントラストの高さ。非常にこってりとした絵が出ます。このへんコーティングやらレンズ構成やらがよくなっているのではないかと考えてるんでしょうがどうなんでしょう。
今回、ナノクリスタルコートに加えこのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sからはアルネオコートという垂直に入射してくる光に効果を発揮するようです。
このコーティングがいいとどうなるかというとゴーストやフレアを低減できるのです。フレアというのはレンズの中で光が乱反射することで、写真が白っぽくなること。
フレアとは?ゴーストってなに?発生する原因と対策方!これは実はけっこう微妙なところでも発生しているもので、日中でなんかもやもやとした写真になってしまいがちなのはフレアの弊害があるんだと思います。
遠景の山など、お昼に撮るともやもやとしがちなんですが、このレンズだとそんな苦手な遠景のヌケがよくクリアに写っていてびっくりしました。
こちらちょっとアンダーなのですが、まあ撮って出しということで。空の青さもさることながら田んぼに反射した空のリフレクションにもゴッテリ色がのっています。
順光なんかで撮っちゃうとすごくキレイに色が乗るので、ただ空を撮っているだけでも楽しくなります。コントラストが非常に高く撮って出しからそれなりに色がのっているのでそこまで現像でいじることはないもしれませんね。まあ、いじりますけど。
開放からシャープ、ボケもキレイ
最近は猫も杓子も、レンズを語る際に「開放からシャープ」なんて言われますが、まあシャープです。
アップにしてみましょう。ブログにアップしているのでちょっとわかりにくいかもしれませんが、まあきれいに解像しています。Z7とも相まってバッキバキに解像しております。
またボケもいやらしさがないですね。こういう花を真上から撮ったときのボケかたってけっこう邪魔くさいボケ方することあるんですが、見せたい花にすっとピントが合い、他はきれいにボケています。
ぶっちゃけ、このレンズめちゃくちゃ解像するか?と問われると、14−30mmと比べた時のガリガリ感はまだそんなに感じられないのです。ただ、それはこのボケのキレイさに性能をふってるんじゃないかなと考えたりするわけです。
逆光には強い、けどゴーストは出るときは出る
f22に絞ったときの光条はけっこうキレイです。うにうにしていますね。
逆光に強いとされるナノクリスタルコートやアルネオコートですが、それでも日中の太陽を直接撮るとゴーストは出てしまいます。このへんNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはほとんどゴースト出ないので、まあおそろしいレンズだなと思うわけですが。
ただ、これだけ強い光源が背後にあってもコントラストは高いままなのでその逆光性能には舌を巻きます。僕は最近、太陽を構図に入れることが多いのですがこのレンズをつかうと非常に鮮やかに撮れるのでいい感じです。
旧型の24−70mmと撮り比べてみた
ってよく見るやつをやってみましょう。わりとめんどうなのでサラッと撮り比べてみました。
僕の持っているのは前々モデルになるAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED。
真ん中はだいたいどんなレンズだって解像するもんなのですみっこのこのへんを見てみましょう。
左が旧型、右が今回のNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sです。
ブログ用に縮小しているけれども、かなりはっきりとわかりますね。周辺の解像がかなり改善されています。
もともと、Fマウントの24−70mmの解像にはけっこう不満があったのですが、これはかなりいい感じですね。24−70mmってNikon以外でもバッキバキに解像するレンズってあんまりないイメージでしたが、新型ありよりのありですね。
突出したところはない、けれども必要なものがすべて詰まっているレンズ
さて、このNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S。まあ、僕は買っちゃったからあれなんですがあなたに必要なのか、そいういうところ考えてみましょう。
まずはスペックの面から見てみます。
詰め込み具合がすごい
NIKONのHPを熟読してみて感じるのは、まあよくもこんだけ詰め込んだなということ。Zマウントになってマウント径が広がったことによる設計の自由さの恩恵を存分に発揮されています。
今まで狭いマウント径で試行錯誤しながら銘玉を作り続けてきた開発陣のフラストレーションが大爆発をしている感がハンパないわけです。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの特徴
具体的にはNIKONのHP見てもらったらはやいのでここでは簡単にまとめておきます。
- 今までもあったナノクリスタルコートに加え、垂直の光に対しても効果を発揮するアルネオコート。
- 至近距離での収差を軽減するマルチフォーカス方式。
- 動画撮影も意識した静粛性の高いAF駆動系。
- フォーカスリング、ピントリングとは別に搭載されたコントロールリング。 絞り値などがチェックできる情報パネル。
などなどなどと、てんこもりもりの内容となっています。
価格は329940円
ということで価格もモリモリの約33万円。
いくらか値段こなれてくるかもしれませんが、それでも20万円中〜後半くらいのとこが続きそうですね。
レンズのモリモリ具合から考えると、ある程度このくらいの価格設定があってそこに向けていろんなもの詰め込んだような感じもしないでもありません。 信者度を試されるいい機会ですね。
外観
単品で見てもいまいち大きさわかりにくいと思うのでD750&AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDとZ7&NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sで比べてみましょう。
上から見たらこんな感じ。ミラーレスになったから24−70mmもコンパクトになるいかと思いきやちょろっと小さくなっただけな感ありますね。
重量を比べてみると
- Z7(675g)+24−70S(805g)=1480g
- D750(840g)+24−70G(900g)=1740g
と260g軽い。前モデルであるVR付きの24−70mmはもうちょっと重いので、まあまあコンパクトになったと言えますかね。
フードを外して比べてみます。新型のほうは82mmのフィルター径なのとマウント径も大きいのでFマウントのものと比べると寸胴な感じがしますね。
また、コーティングがいいのかフードがけっこう浅くつくってあります。
レンズだけを並べてみましょう。ミラーレスだからといってそこまでコンパクトにせず、ぶっこむものはぶっこんでる感ありますね。実際、レンズの枚数は17枚と2枚増えています。
レンズの横には好きな機能を割り当てられるL-Fnボタン、レンズのディスプレイを切り替えられるDISPボタン。スイッチ類はAFの切り替えスイッチのみ。
ここのディスプレイに絞り値や焦点距離などが表示されるんですが、正直こんなとこ見る機会ないのでいらないかなあという感想。
リングは3ついていますが上からピントリング、フォーカスリング、そして一番根っこの部分についているのがコントロールリング。
このコントロールリングはカメラから「絞り値」「露出補正」のどちらかを割り当てられるという超絶微妙な機能のリング。
これもいらないからもう少し軽く安くしてくれませんかねぇ…
24−40 f4と比べてどうなのか?
さて、Zマウントのレンズというとすでに発売済みのNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sがあります。Z7やZ6のキットレンズとしてもおなじみですね。
via:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S – 主な仕様 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
via:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S – 主な仕様 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
この24-70 f4なんですが、キットレンズにもかかわらず非常に素晴らしい描写をするとかなり好評です。 実際に24-70のf4とf2.8のMTFなんか比べてみてもかなりいい感じなのがわかります。
というか、f4通しなので小三元のポジションなのかもしれないですね。これ。
いままで小三元というと120mmくらいまでの焦点距離のものというとイメージでしたが、24-70くらいにしておいて画質に振ったのかもしれませんね。その代わり小型みたいな。 さてさて、ということでf4とf2.8のどちらを買うべきか悩ましいわけです。
f4は軽くてよさそう
f2.8の方は重量約800gと、現行のFマウントの1070gに比べて270gくらい軽くなっています。
Fマウントのほうはレンズ側に手ブレ補正がついているぶん少し重かったのですが、Zシリーズになってボディ側に手ブレ補正を搭載したこともありかなり軽くなりました。 サイズもかなりコンパクトになりかなり携行性が増しています。
しかし、さらに軽いのがf4のほう。こちらは約500g。軽くなったf2.8よりさらに300gくらい軽いわけです。
僕はわりと登山して写真を撮ることがおおいのですが、300gも軽くなると登ったあとの体力の残り具合がかなり違いうわけです。
14−30mmも発表されましたが、こちらも採用すると1kgくらい軽くなりそう。やばい。1kgも軽くなったらビールだってたくさん持っていけるわけです。やばばばい。
「いい写真が撮れるのなら、どれだけ重かろうが持って登る(キリっ!」などと思っていた時期が俺にもあったのですが、まあなんつうか、ねえ。
やはり軽いのは?正義?みたいな?
下界ではかなり威勢のいいことを行ってても、あんまり重いものを担いでいくとですね、上に登ってから疲れちゃってすぐにビール飲んじゃうんですよねえ。
ということで軽いf4よさそうだなあと思っています。
あと、やっぱりお値段がねえ…
あとまあ、ぶっちゃけお金がないわけです。Z7だけでもウン十万円するわけですよ?さらに30万の標準ズーム?なんぼ僕が信者だからといって払えるものと払えないものがあるわけです。
かたやキットであれば追い銭7万、実売でいま11万くらいで買える24−70f4。これはねえ、悩ましいよねえ。なんでキットで買わなかったのかと今ちょっと後悔しています。
いや、どうせf2.8が出たらそっち買うつもりでいたから買わなかったんですが。
ただ、やっぱり大三元はいるわけですよ
風景を撮ることが多いからどうせ絞るし、なんて思っててもやっぱり必要な場面がででくる、というのが世の常なわけです。
なんで大三元がこんなに高いかというと、ありとあらゆる場面で卒なくこなすことができるからなわけです。いくら24−70mmf4の描写が素晴らしいとはいっても、f値2.8にはならない。
山に持っていって、絞って風景撮ってよっしゃと思っていたところに、夜に天の川が出てきた。f4じゃやっぱり撮れないわけですよ。いや、撮れるかもしれんけど、ねえ。やっぱりf2.8で撮りたい。
なんぼ手ブレ補正がついているとはいえ、限界があります。f4ではブレる場面でもf2.8では止められるかもしれない。
f値だけじゃありません。
1本しか持っていけない場面なんてけっこうあるんですが、そういうときの標準ズームの大三元っていうのはほんと卒なくこなすことが求められると思うんです。
レンズなんて価格に比例して性能がよくなるものではないのですが、それでもそのちょっとの差がシャッターチャンスを逃してしまうと考えると買わざるをえないわけです。
このレンズはなんにもできない。けれど、なんでもできる
単焦点に比べればボケない、明るくない、解像しない。24−70mmf4に比べて大きい、14−30mmf4より高いのにゴーストがギャンギャン出る。
このレンズはなんにもできない。なのに20万余裕で超える値段がする。クソコスパ悪そうに見えます。けれどね、これじゃないとダメなんすよ。
1本でなんでもできるレンズ。これが大三元の一角である24−70mmf2.8に与えられている命題ではないかと個人的に思っております。
24mmなら広角ならではのパースが出る、70mmならぎりぎり圧縮効果も感じられる、f2.8だから天の川だって撮れる。
なにかに突出するのではなく、その平均点を可能な限りあげて世に送られるのがこの24−70mmf2.8なのだと。突出した性能が欲しくてそれを用意できるのなら突出したレンズを用意すればいいのです。
このレンズはどうにもならないあらゆるシチュエーションでの歩留まりを最大限にあげてくれる。そんなレンズなわけです。
だから、もうね、買わざるをえないわけです。だっているんだもん。これ1本しか持っていけないシチュエーションなんて山ほどあるんだもん。
まとめ
ということで、Zマウント初の大三元レンズが我が家にやってきて、そして我が家からたくさんの、たくさんの諭吉がどこかに行ってしまいました。諭吉なんですぐ死んでしまうん。
これで基本的にはZマウントでの運用ができるようになったのでシステムもかなりコンパクトになりました。
これからガンガン撮影に持っていきたいです。
追記
デジタルカメラマガジン9月号の特集でNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sについて写真の掲載と記事を書かせてもらいました。こちらも合わせてご覧いただけると嬉しいです。
デジタルカメラマガジン9月号でNikonのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sについて記事を書かせてもらいました!