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こんにちはsaizouです。
今日はこれだけ覚えておけば、初心者のかたでも写真がメキメキ上達するという魔法のような構図を紹介したいと思います。
プロの写真家はもちろんレオナルド・ダ・ヴィンチや葛飾北斎など、過去の美術の巨匠たちもこれを使って作品を作り上げていた、というものです。
ちょっと難しそうに思えるかもしれませんが、やり方はすごく簡単なので写真の構図づくりに悩んでいる人はぜひ最後までごらんください。
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写真って難しい
ところでみなさん写真ってちょっと難しいな、うまく撮れないなって思っているんじゃないでしょうか?
せっかく高いカメラを買ったのに、なんだか変わり映えしない、SNSでよく見るような素敵な写真が撮れないって悩んでいませんか?なんなら自分にはセンスがないんだって諦めていませんか?
僕も初心者のころは、なんでうまく撮れないのか分からなくて悩んでいたこともありました。
写真って、うまく撮れたなっていう成功体験あることで長く続けられ、ちょっとずつ上達していくものなんですが、その最初の一歩も踏めないと、なんだかつまらない、カメラを外に持ち出すのもめんどくさい、だからいつの間にかやめてしまう、っていうふうになりがちなんですよね。
もちろん写真を撮るのにセンスは大事です。しかし、そういったセンスみたいなものに頼らないで上達できる方法っていうのも、あるわけです。
僕なんて特にそうなんですけど、とにかくセンスがない人間です。しかし、いい写真っていうのがどのように構成されているのか?というのは常に考えています。写真の構成をひとつひとつ紐解いていくと、それを素晴らしいものにしているものが何かっていうのがわかってくるんですね。
そして、今日紹介する構図というのは、最も簡単にもかかわらず、最も効果的な方法の一つなのです。
このチャンネルでは今回紹介する方法以外にも、写真の撮影テクニックや機材のレビューなと、写真に関する情報を上げていきますのでぜひ登録しておいてくださいね。
三分割構図
さあ、では誰でも簡単に、けれどもメキメキと上達する魔法のような構図がなにか紹介しましょう。それが三分割構図です。
ちょっと写真について勉強したことがあるかたならご存知かもしれませんし、なんだ三分割構図か、と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際に、なぜ三分割構図を使うといい写真になるのか?というところまで理解しているかたは少ないんじゃないでしょうか?
今日はこの三分割構図の使い方、実践例、そして、なぜ三分割構図を使うと写真がよくなるのか、というところまで解説していくので、ぜひ最後までお付き合いください。
三分割構図の作り方
三分割構図というのは構図の作り方のひとつです。
漢字がたくさんある名前の構図なので難しそうですが、やり方は簡単。
このように画面の縦と横を3つに分け、そこから線を引きます。そして、あなたがいちばん見せたいものなどはこの線が交わっているところに置いてやるだけ。簡単ですね。
さらには地平線や空、建造物などもできるだけこの交点や分割線上に置くことでさらに効果があがります。
実際の写真を見ながら、三分割構図をどのように配置するのかやってみましょう。
ここに花の写真があります。このように中央に被写体を置くのを日の丸構図といいます。
これでも悪くはないんですが、今回はこの花を左下の分割線の交点に置いてやりましょう。
ピントがあっている部分を下の線に合わせるように配置します。
日の丸構図では花があるな、というだけの構図だったのですが花を左下に置くことでこの右上の空間に余韻が生まれ、ちょっとストーリー性を感じるようになります。
こちらの馬の写真も日の丸構図ですが、これも三分割構図に置き直すとこんな感じ。
草を食む馬の向きが右側を向いているのでこちらに空間を開けることで、これもまたこの先の空間を想像できるようになります。
地面も下の三分割線に合わせることで空と地上のバランスもいい感じです。
もっと要素を増やしていく
三分割構図のいいところは、このように単体だけを置くのではなく、たくさんの要素を置いていったときにバランスよく配置できるという点です。
実際の写真を見ていきましょう。
こちらのコスモスの朝焼けの写真。
コスモスのボリュームある部分を下のラインに合わせています。空の部分は上のラインに。
そうすることで、全体のバランスがいいですね。
また、コスモス畑に通っている道がありますが、こういうラインになっている場所は視線を誘導しやすい場所です。そのラインの部分を右下の交点に置きました。なので、このように視線が動いていくような構図になっていますね。
さらに左上の交点に太陽を置くことで、視線が山を経由して太陽へと向かっていきます。この太陽がもっと端っこのほうになったらちょっとバランスの悪い構図になってしまいます。
三分割構図のラインを使うことで全体的になバランスが取れ、交点に見せたい被写体を置くことでそこへいい感じに視線が向くんですね。
こちらも空を上の三分割線に合わせることで、空と地上のバランスをとっています。
また、メインの被写体はこの赤い稲穂をつける赤米ですが、副題としてシルエットになっている五重塔を入れています。この五重塔を三分割の交点においています。
そして、この反対側の交点に赤米の稲穂に当たる太陽の光がありますね。これが五重塔と対比することで画面の中の要素がおもしろくなっていることがわかるでしょうか。
この稲穂が明るくなっている部分は現像時に少しここだけ明るくなるようにもしています。
この花のように要素が少ないものならいいですが、このようにメインの被写体があって、副題の五重塔があって、空も焼けてて印象的で、というように写真の中にたくさんの要素が入ってくる。これがゴチャつかないように配置したいんですが、三分割構図を使うことでそのたくさんの要素がバランスよく配置できるというわけですね。
なぜ三分割構図を使うと構図が安定するのか?
さて、ここまで見てきて、ちょっと思いませんか?いやいやいや、これこじつけなんじゃないの?みたいな。
というわけで、ここでひとつの絵を見てもらいましょう。
はい、葛飾北斎の書いた絵画、富嶽三十六景 神奈川沖波裏(ふがくさんじゅうろっけい かながわおきなみうら)
先日、1000円の新紙幣にも採用された非常に有名な絵です。
こちらの絵には、黄金比と呼ばれる比率が用いられて構図を作られています。それも一部ではなくあらゆる部分の構成に黄金比が使われています。
この黄金比とは約1:1.618の比率であり、古来、この比率を用いて芸術や建築で美しさの基準として使用されてきました。
古くは古代ギリシャの頃からたびたびこの比率を用いていることが確認されます。例えばギリシャ建築で最も有名なものの一つ、パルテノン神殿の設計にはこの黄金比を使われたとされています。
自然界で度々観測された比率
じゃあ、この黄金比、どこから出てきたのよ?という話になります。古代ギリシャ人は何を持ってこの比率が美しいことに気づいたのでしょうか?そう、それは自然界にあったのです。
例えばオウムガイ。このオウムガイには黄金比の螺旋形が見られることが知られています。
ある線を黄金比の1:1.1618で分割し、この分割線からさらに1.1618で分割していく。
そして、その分割した点を経由して描いた螺旋、これを黄金螺旋というのですがこの螺旋とオウムガイ貝殻のパターンや、ひまわりの種のパターン、松ぼっくりの鱗模様など、この黄金螺旋に近いパターンを多々見出すことができます。
さらには人のDNA分子だったり、銀河などにもそのパターンを見出すことができるそうです。
では、なんでこの黄金比のパターンが自然界で散見されるのか?
それは最小限のエネルギーを使って効率的に成長できるからです。例えば植物の葉が黄金比に従っているのは、葉が重ならないように配置され太陽光を最大限に受け取るためだと考えられます。
人が快を感じるのは生きていくうえで必要不可欠だから
もうちょっと脱線するのですが、人が美しいとか美味しいとか感じるのってなぜだと思いますか?おいしいからおいしい、美しいから美しい、ではないんですね。
こういうのって生きていくうえで必要不可欠なものを快く感じるようになっているんです。
例えば常温の水を飲むより冷やしたお水を飲んだほうがおいしいって感じますよね?これって冷えた水のほうが雑菌がわきにくく、冷たい水を「おいしい」と感じる人たちが雑菌に汚染された水で病気になることなく生き残ってきた結果だといわれます。
黄金比もこれがあてはまるといえるんですね。生きていくうえで必要最小限のエネルギーを効率的に運用できてきたものだけが生き残っており、人間も長い年月を経てそういったもに触れてきたため、美しいと感じるようになってきたといえるわけです。
富嶽三十六景と黄金比
というわけで、さきほどの葛飾北斎の富嶽三十六景の絵に戻ってみましょう。この絵にはいろんな場所に黄金比が用いられているので、気になったかたは詳しく調べてみていただきたいのですが、今回は簡単に、縦横を黄金比である1:1.1618で区切る線をこのように引いてみます。
すると、どうでしょう。例えばこの波の一番高い部分は黄金比のラインに沿っていたり、下の波野部分は黄金比の交点にある。
奥に見える富士山もだいたいおおよそ、この黄金比の交点に位置しています。さらにはそらと海の比率が黄金比を意識して書かれていたりということがわかりますね。
これは単なる偶然ではなく、葛飾北斎がきちんと黄金比というもの知っており、それを構図づくりに効果的に用いているといえます。
黄金比の比率を簡単にしたのが三分割構図
黄金比はいろんな場面で使われているということはなんとなくおわかりいただけたと思います。
絵を描くのであれば細かく黄金比の1:1.618のラインを引いて構図を決めればいいのですが写真を撮影する場合に、いちいちここからここまでが1:1.618で…みたいに構図を決めるのは難しいですよね?黄金比を図っていてシャッターチャンスを逃してしまえば元も子もないわけです。
んで、この黄金比ってあれ?なんか3分割したのとだいたい同じじゃね?なんならこの3分割したやつ使ってもなんかいい感じになるんじゃね?って昔の偉い人が言ったのか言わなかったのかさだかではありませんが、黄金比を簡易的に使えるようにしたのが今回ご紹介している三分割構図なんですね。
さきほどの葛飾北斎の富嶽三十六景の絵に3分割構図をあててみます。こうやって見ると、3分割でもだいたいいい感じに構図が配置されているということがわかりますね。北斎自身もこれを「三ツワリの法」と呼び、略画早指南(りゃくがはやおしえ)という自身の書いたハウツー本の中で紹介しています。
三分割構図にすることで画面に配置する複雑な要素を簡単に、なおかつバランスよく配置することができるようになるのです。
こういったことから、初心者でも、難しいことを考えずにそれっぽい写真を撮ることができるようになるということなんですね。
ぜひ今度写真を撮りに行く際には三分割構図を試してみてください。
まとめ
では今回のまとめです。
- 画面を縦と横に3つに分割する。
- メインの被写体や副題などはこの3分割線の交点に置く。
- 空や地上、水平線などラインがあるようなものはこの3分割の線の上におく。他にもいろんなものをこの3分割の線や交点を意識して配置していくことで複雑な画面でもバランスよくきれいに構図を作ることができる。
これが三分割構図。
そして、三分割構図というのは黄金比という、古来から使われてきた非常にバランスのいい比率を元に構成されている。
使い方自体はとても簡単なので、いろんなものに三分割構図を当てはめてみてくださいね。