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三脚(さんきゃく)というのは、カメラを固定して撮影するために必要なものです。
たったこれだけのことなんですが、三脚選びっていうのは実は結構奥が深く、初めて三脚を購入されるかたはけっこう迷われるのではないでしょうか?
写真を撮る時に三脚があるだけで撮影の幅がいっきに広がります。今日はそのちょっと難しそうな三脚選びを、初心者のあなたからマニアでニッチなあなたまで、後悔しないピッタリな三脚の選びかたを説明してみたいと思います。
三脚があればこんなことが出来るようになる!
三脚って、ただカメラを固定するだけでしょ?と思いがち。でも、たったそれだけでいろんなことができるようになるんです!まずは三脚はどんなときに使うのかちょっと見てみましょう。
きちんと写真を撮れる
まず一番の目的はカメラがブレるのを抑えることです。手持ちで撮られるかたも多いと思いますが、写真の撮影というのは実は手ブレとの戦いだったりします。最近はカメラやレンズに手ブレ補正のついたものもたくさんありますが、それでもやはり理想は完全に固定された状態でシャッターを切ること。
また、水平出し、ピント合わせなども、きっちりやろうと思うと案外難しいものです。カメラが三脚に固定されていれば慌てることなく撮影に望めます。
なんだかめんどくさそうに思えますが、それでもこの一手間をかけてやることであなたの写真の完成度は格段にあがります。
高価な機材を揃えるのもいいんですが、三脚を1本あなたの機材に加えることでそれ以上の効果をもたらしてくれることでしょう。
風景写真を撮るために揃えるのは高いカメラやレンズじゃない!まずは三脚を手にいれるべき4つの理由!!
スローシャッターでいろんな表現に挑戦できる
カメラの多くはシャッタースピードをコントロールすることができます。数秒間シャッターを開けて撮影すると、普段見ている景色とは違う世界を見ることができ、とても楽しいものです。少し紹介してみます。
夜景
夜間の撮影というのは光が少ないのでどうしても手ブレを起こしてしまいます。三脚がひとつあるだけで隅々まで美しい夜景を撮影できます。
星
天の川や星の光跡の撮影、もちろん普通の星の撮影など。これらも三脚で固定し数秒間シャッターをあけてやらなければ難しい撮影です。初めてきちんとしたカメラで撮影した星の写真というのはホント感動できます。
花火
夏の風物詩の花火。次々と打ち上げられる花火を撮影するにも三脚は必須。
滝
滝の撮影にはいろんなやり方がありますが、スローシャッターで撮影するとご覧のような白糸のような光景を撮影できます。
写真の合成
この写真は比較明合成という手法で、たくさんのホタルが一度に飛んでいるような表現をしています。写真の合成というのは、デジタル真っ盛りな今の時代、写真の表現の重要なひとつのファクターだと、個人的には思っています。
- 比較明合成
- HDR合成
- 被写界深度合成
などなど、いろんなものがありますが基本的には複数枚の写真を重ねることが多いので、写真自体の位置のズレは厳禁。なので、必ず三脚が必要になります。
三脚に必要な性能
さて、では三脚を選ぶ際に求められる性能というのはどんなものがあるんでしょうか?
- 剛性
- 軽さ
- 高さ
- 雲台
- 各種機能
ざっくり分けるとこの5つが挙げられます。ひとつずつ見てみましょう。
剛性
剛性、というとなんだか大袈裟な感じがしますが、カメラがしっかりとブレずに撮れるか?ということ。三脚にのせていても、実は思っている以上にカメラってブレちゃうもんです。
じゃあ、この剛性ってどうやったら確保できるのか?答えは実にシンプル。ゴツくて重いものを使ってやればいいのです。重い三脚であれば自重でしっかり固定されますし、太さのゴツイものは風などの影響で足がたわむようなこともありません。
載せるカメラの重量で、必要な剛性というのは変わってきますが、それでも三脚を選ぶ際にもっとも重要視すべき点はここです。
三脚を選ぶときに安いものを選ぶな、とよく言われますが、安いものはどうしても細かったり軽かったりしてこの剛性が無いものが多いのです。三脚において大は小を兼ねます。カメラとのバランスがギリギリのものを選んでしまうと、結局後で不満がでてきて買い直すことになるんですね。
軽さ
さきほど重くてゴツイのがいいと言っておいてひっくり返すようですが、軽さというのも重要な要素。そりゃあ理想は押しても引いてもびくともしないような三脚なんですが、じゃあ、それを持ちあるくのって誰なんだという話です。あまりにも重いものは外に持ち出す気にもならなくなりますし、撮影地で三脚を持ってあっちに行ったりこっちに行ったりというのは体力がいるものです。
使わない三脚なんてただの棒ですからね。ご自身の移動方法(車・徒歩・公共交通機関)や体力に見合った三脚選びが必要。
この剛性と軽さの妥協点を見つけるのが、三脚選びの難しいところであり、おもしろいところです。
高さ
アイレベル、という言葉があります。これは三脚を立てた時、カメラのファインダーがきちんと目のあたりにくるという意味。
これがあまりにも低ければ、いちいち屈んでファインダーを覗きこまないといけないですし、かといって高ければ背伸びしなければいけなくなります。
ご自身の身長を考慮し、適正な高さ(アイレベル)になるような三脚を選びたいところです。
しかし、アイレベルにきちんと合った三脚というのは、三脚を縮めた場合でもけっこう大きかったりします。大きればやっぱりかさばり、またもや持って出かける気がなくなるかもしれません。かといって、小さければアイレベルに届かず。
また、縮めた時の低さもどれくらいになるかというのも注意が必要。がっしりしている三脚は花やローアングルを撮りたい時に思ったとおりの低さにできないものもあります。
この、ちょうどいい高さも、どこに妥協点を持ってくるかでかなり悩ましいところです。
雲台(うんだい)
三脚には雲台というものが付いています。この丸く囲ってある部分がそれ。
この上にカメラを載せ、雲台の部分でカメラの向きを操作します。この雲台は基本的には三脚と一緒に販売されていますが、取り外しが可能で別のものに取り替えることもできます。
この雲台もいろんな種類があるので、用途によって必要なものが変わってきます。
初心者からマニアまで!あなたにぴったりのおすすめの雲台(うんだい)の選び方!!
各種機能
三脚といっても、用途に合わせ、各メーカーからいろんな種類の三脚が発売されています。水準器が付いていたり、めっちゃ低い位置まで下げられたり、非常にコンパクトに折りたためるものであったり。
あるだけで、撮影がグッと楽チンになるいろんな機能がありますので、自分が撮影するときに必要なものをいろいろ選んでみましょう。
三脚を選ぶ前に、どんな場面で使うか考えてみよう
三脚を選ぼうと思っても、ほんとにたくさんのものがあります。実際に店舗やネットショップに行ってみると、ただの3本足の棒がズラズラと並んでいるのを見ると確実に面食らうことでしょう。んで、なんか「初心者でもおすすめ!」なんて書いてある無難なのを買っちゃって、結局あとで買い直すということにもなりかねません。
三脚を選ぶ前に、まずは自分がどんな三脚が必要なのか?というのを考えてみましょう。こうすることで、必要の無いものはガンガン消去法で消していけますし、結局残るのは数本になるはずです。
載せる機材は何か?
一番大事なのどんな機材をのせるのか?ということ。カメラと一言でいっても、コンパクトなコンデジから大きな一眼レフまでたくさんあります。
装着するレンズが何かっていうのも大事。望遠レンズなどはレンズ自体が長いので、どうしても重心が前に来てしまいブレやすくなります。
大きなカメラ・長いレンズはより剛性の高いものが求められますし、小さなものであれば三脚自体も小さくても問題ありません。
自分の身長に合った三脚
アイレベルというのは、身長によってそれぞれ変わってきます。あなたが小さいならコンパクトな三脚でいいでしょうし、身長が高ければそれに見合ったものが必要になります。
アイレベルってどのくらいの高さのものを選べばいいのか?これは三脚の高さ、雲台の高さ、カメラの高さ、あなたの目線の位置の4つで微妙に変わってきます。
三脚の高さ
三脚の高さはカタログに明記されていますが、製品によって「雲台込みの高さ」と「三脚のみの高さ」の2通りがあるので注意しましょう。一般的な三脚は雲台とセットで販売されているので「雲台込みの高さ」のことが多いですが、ちょっと高いものになると三脚のみの販売になったりします。
また、高さも「エレベーター込みの高さ」と「足だけ伸ばした時の高さ」の2つがあります。
エレベーターというのは、このように三脚の真ん中にある棒。高さが足りない時に調整するのに使います。ただ、ごらんのとおり開いた足からさらに伸ばしているので必然的にバランスが悪くなりますし、ブレる原因のひとつになります。エレベーターを使用する場合はほんとに救急的な場合にして、基本は三脚の足だけの高さで対応しましょう。
ですので、アイレベルの高さの目安というのもエレベーターを伸ばした時の高さではなく「足だけ伸ばした時の高さ」を基準に選びましょう。
雲台の高さ
雲台込みの高さが書いてあるものならいいですが、自分で別に雲台を選ぶ場合は雲台の高さも考慮します。だいたい10〜15cmくらいが目安になります。
カメラのファインダーまでの高さ
三脚、雲台の上にさらにカメラを載せます。カメラのファインダーまでの高さは機種によりますがだいたい8cmくらい。コンデジやミラーレスなどではもう少し低いので、これも調べてみましょう。
目線の位置
目線の位置というのは、だいたい(身長ー10cm)くらいのところにあります。ですので、アイレベルを出す時はここも考慮しましょう。
ざっくりとした計算
では、170cmの人がアイレベルを出すために必要な三脚の高さを、ざっくりと計算してみましょう。
170cm(身長)ー10cm(目線)ー8cm(カメラの高さ)ー10cm(雲台の高さ)=142cm(三脚の高さ)
この高さだと、自分が直立した状態の高さになりますね。場所によってはちょっと背伸びをしなければいけなかったりするのでここからちょっと低いくらいのものが使いやすいでしょう。なので、135cm〜140cmくらいのものを選べばいいということがわかります。
三脚を選ぶ際はこの高さを基準に、実際に機材をつけて高さを試してみましょう。
移動手段はなにか?
いくらアイレベルのもので使い勝手がいいとはいえ、そういった三脚はわりと大きくなりがち。三脚を徒歩や交通機関で持ち歩くのはけっこう邪魔だし難儀します。ご自分のメインの移動手段はなにか?というのをきちんと考慮してみましょう。何度もいいますが、持ち運びができない三脚なんてただの棒です。
車で移動
車をお持ちのかたは三脚の重さを気にしなくていいメリットがあります。なので、機材に合ったできるだけ重くてゴツイのを選びましょう。
ただ、車で移動するとはいえ、駐車場から少し移動するような場合であったり、初めての撮影スポットでいろいろと構図を足で探したいような場合、あまりにも重い三脚だとやっぱり苦痛になってきます。
公共交通機関
移動が公共交通機関である場合、あまりにも長い三脚は他のかたの迷惑になることもあります。移動の多くは乗り物に乗っているとはいえ、やっぱり重さも気になるでしょう。
少しコンパクトなものを選ばれるといいかもしれません。
徒歩
登山であったり、海外旅行や徒歩の移動が多い旅行などではできるだけ機材をコンパクトにしましょう。三脚の中にはトラベル三脚という、軽量で非常にコンパクトになるものもあります。多少、剛性は劣りますがそれでも持ち運びできない棒より、持っていける三脚です。これらを検討されるのもいいでしょう。
目安の重さ
あくまで個人的なイメージではありますが、目安の重さを書いておきますね。ご自分の体力などに合わせて検討してみてください。
実際に三脚だけを持ってみた重さと、カメラなどの他の機材を持って撮影地で歩きまわったときの重さはまたイメージが変わってきます。できるだけ負担がないけれど、それでもしっかりしたものを選びたいですね。
雲台込みでの重量を目安にしています。僕はけっこうMっ気が強く機材が重いと喜びを感じるタイプなんで、人によってはもう少し軽いものがいいかもしれません。
- 車で移動・撮影地が駐車場の目の前ーできるだけ重くてゴツイもの
- 車で移動・撮影地までちょっと動くー3kgくらい
- 公共交通機関ー2kgくらい
- 徒歩ー1kg〜2kgくらい
あなたにピッタリな三脚の選び方
さて、ここまででだいたいどんな三脚が必要か、どういう場面で三脚を使うかがある程度イメージできたでしょうか?では、ここからは実際にその必要な三脚を選んで行きましょう。
- 予算
- 耐荷重
- 足の太さ
- アイレベル
- 材質
- 重さ
- 足の段数
- 収納した時の大きさ
- 雲台
- 雲台との接続方法
- ロック方式
- 水準器の有無
- 三脚の種類
- デザイン
なんか選ぶのにいろんな要素があってめんどくさい気がしますが、あまりにも膨大な三脚をいろいろ探すよりは、自分の用途とこれらを見比べることでホントに必要なものがかなり絞られると思います。詳しく説明していきますね(๑´ڡ`๑)
予算
やっぱり予算って大事ですよね。三脚は安ければ数千円のものから高いものでは10万円を超えるものまであります。僕も三脚って数千円くらいのイメージで買いにいったのに思いの外に高くておったまげた記憶があります。
とはいえ、安物買いの銭失いということになりやすいのが三脚。できれば自分の機材に見合ったものを、ちょっと多めの予算を組んで購入されるのをおすすめします。材質によっても金額が変わるので一概にはいえませんが、高いものほど剛性が高く軽いものが多いです。
ここも、あくまで目安ですが最低これくらいの予算が欲しいなという金額を書いてみます。
- ミラーレスカメラ:1〜2万円
- 一眼レフカメラ(APS-C):1〜6万円
- 一眼レフカメラ(フルサイズ):3〜10万円
やっぱり高ければ性能のいいものになりますので、ひねり出せる予算と必要な機能との妥協点を見つけてみてください。
耐荷重
三脚のカタログなどを見てみると、それぞれに耐荷重が設定されているのがわかります。これは言葉そのまんまの意味で、その三脚にどれくらいの重さのものを載せても耐えられるかというものです。
ですがこれ、メーカーごとにその数値をどういうふうに計測しているかというのはマチマチです。Aというメーカーではただ単にそれくらいの物を載せられるというのもあれば、Bというメーカーでは実際にそのくらいの重量の機材を載せた時でもしっかり固定できるという数値だったりと。
カメラのブレというのは前述したとおり、機材やレンズによっても変わってきます。また、耐荷重ギリギリの値だと載せるには載せられるけど、安定性に欠けるということもよくあります。
あくまでひとつの目安の数値というのを理解して、耐荷重は余裕があるものを選びましょう。
足の太さ
では、実際にどれくらいの機材が載せられるのか?というのを知るにはどうしたらいいのでしょう?
まずはメーカーごとに「一眼レフカメラ用」とか「ミラーレスカメラ用」、「f2.8の望遠レンズを載せても大丈夫」なんて分類を分けているものもありますので、まずはそれを参考にしてみます。
また、足の太さというのは安定性の良し悪しに直結してくるので、足のパイプ径(脚径)を見てみるのもいいでしょう。
- 20mm以下:ミラーレスカメラ・コンパクトデジタルカメラ
- 20mm〜25mm:ミラーレスカメラ+望遠・一眼レフカメラ(APS-C)+標準
- 25mm〜29mm:一眼レフカメラ(APS-C)+望遠・一眼レフカメラ(フルサイズ)+標準〜中望遠
- 30mm〜35mm:一眼レフカメラ(フルサイズ)+望遠
- 46mm〜40mm以上:一眼レフカメラ(フルサイズ)+超望遠
このへんもあくまで「これくらい」という基準ではありますが、各社のパイプ径と推奨レンズを見ると、だいたいこんな感じの分類になっています。
実際にご自分の使用される機材を載せてみて、バランスが悪くない、足がたわまない、ファインダーを覗いてみてもしっかり止まっているというのをきちんとチェックしてみましょう。
アイレベル
さきほども書いたアイレベル。自分の身長に合ったものを選びましょう。
可搬性を重視するなら、アイレベルの高さと足を収納した時のバランスをどのへんで妥協するのかも考えます。
最近では液晶モニターが可動するカメラも少なくありません。こういったカメラであれば、ファインダーを覗く必要がないので多少アイレベルと合っていなくても充分使用できます。
また、テーブルフォトや花のマクロ撮影など、そこまで高さを出さなくてもいい被写体であれば、もっと小さなミニ三脚を選ぶという選択肢もあります。
材質
三脚の材質にはいろいろありますが、現在の主流はアルミとカーボンの2つにわけることができます。それぞれメリット・デメリットがあるのでちょっと見てみましょう。
一概にどちらがいい、悪いということではないので、用途や被写体によって使い分けてみましょう。
カーボン
メリット
- 軽い
- 剛性に優れる
- アルミに比べ冷たくなりにくい
- 振動減衰性に優れる
カーボンを使用した三脚はなんといっても軽いことがメリット。同じパイプ径で重量を比較した時、アルミに比べかなり軽く、それでいて剛性はしっかりとしています。
また、風などの振動で三脚にブレが生じた時も振動が素早く収まるので撮影時に重宝します。アルミは金属なので冬場などは手で持つのも辛くなるくらい冷たくなるのですが、カーボンでは炭素素材で作られているので冷たくなりにくいです。
デメリット
- 高い
- 軽い
カーボンはアルミと比べると非常に高価です。同じくらいのレベルのものと比べ1.5〜2倍くらいの価格差があるので、手を出しづらいのも確かです。このへんは重さと価格をどう妥協するかによりますね。
また、軽いことはメリットでもある反面、デメリットにもなりえます。やはり三脚というのは自重で支える部分が大きいですからね。このあたりは三脚におもりを引っ掛けるなどして対応が可能です。
アルミ
メリット
- カーボンに比べ安い
- 重い
アルミはカーボンに比べ安くあがります。また、重いことは安定性を増してくれることにもなります。
用途によってはカーボンよりアルミのほうが向いている場面も多々あることでしょう。
デメリット
- 重い
- 冬場に冷たい
重いとどうしても持ち出す気になれない時だってありますし、アルミ三脚で登山や旅行というのもけっこうしんどいものです。
また、冬にはすごく冷たくなってしまうので、素手で持つのはかなり辛くなってきます。
重さ
これも前述しましたね。
ご自分の体力と移動手段によって、ふさわしい重さのものを選びましょう。同じくらいの剛性であれば、アルミよりカーボンのほうが重量を抑えられます。
足の段数
足の段数は大きくわけて3段と4段のものがあります。
三脚の段数が多いと、コンパクトに収納できますが、その分足の先が細くなり剛性が減っていきます。とはいえ、3段のものはけっこう大きなものが多いですね。
このへんもご自分が「どういった所で使うのか?」ということをまず考えてみましょう。移動に差し支えなければ太さを維持できる3段、ちょっとコンパクトなものがよければ4段にしましょう。
5段以上あるもの
足の段数が5段以上ある三脚はちょっと特殊なタイプが多いです。
かなりコンパクトに収納できるトラベル三脚であったり、ローアングルを撮影できるミニ三脚、柵を越えて撮影できるような大きな三脚など。用途にあったものを選びましょう。
これらを選択する際も、段数が多いぶん、足を伸ばすと剛性が少なくっていくのも覚えておきましょう。
収納した時の大きさ
段数とも関連してきますが、足を全部収納した時の大きさも大事な要素。アイレベルまできっちりあるような三脚の多くはカメラザックに横付けしたときでもちょっと頭が出てしまうことも。
小さいものであればこんなふうにバッグの中にはいってしまうようなものもあります。
車に載せるにしても、あまり大きなものだとかさばってしまうこともあるので、どんな方法で持ち運びするのかよく考えて、持ち出すのが億劫にならないサイズのものにしましょう。
雲台
三脚の多くは雲台とセットで販売されているものが多いです。
- 3way雲台
- 自由雲台
この2種類がセットになっていることが多いですね。
3way雲台
3way雲台はレバーが2つあり、3方向にそれぞれ動かせるタイプ。水平や垂直が出しやすいです。
自由雲台
自由雲台はボールがついていて、それを固定するようなタイプ。3wayのようにレバーがついていないので比較的コンパクトになります
これらも用途にあったものを選びましょう。
雲台との接続方法
雲台にカメラを固定する方法も大きくわけて2つ
- 直付
- クイックシュー
直付は言葉の意味そのまま、カメラと雲台を直接とりつけます。取り外しがちょっとめんどくさいですが、しっかり固定できます。
クイックシューというのはこのようなプレートをカメラ側にとりつけ、雲台とワンタッチで取り付けることができます。着脱が非常に簡単な反面、雲台とカメラの間にムダな部分ができてしまうので、ブレの原因になってしまうようなものもあります。とはいえ、基本的にはどれもよくできているので現在は多くのモデルがクイックシュータイプになっていますね。
足のロック方式
足のロック方式も大きく2種類あります。
- ナット式
- レバー式
ナット式
ナット式はひねることでロック部分を緩めたり固定したりすることができます。いちいちひねらないといけないので、めんどくさそうに思えますが慣れるとそこまで不便でもありません。ただ、きちんとしまっているかパッと見でよくわからないこともたまにあります。
構造自体はけっこう簡単になっているので分解してのメンテナンスなんかもけっこう楽チンです。
レバー式
レバーがついていて、これをパチンとしてやれば足のロックができます。ワンタッチで固定できるので素早くセッティングが可能。
ただ、いろんな部品で作られているので、ナット式のように分解してメンテナンスするのはなかなか難しいです。
三脚というのは屋外で使用することが多いので、泥が噛んだり、海で使えば塩が結晶になったりするので、メンテナンスがしやすいというのは結構大事かもしれません。
このへんも、どんな環境での使用を想定しているのかというのを考えてみましょう。
ベルボンからは足自体を回すことでロックするウルトラロック式というものもあり、よりコンパクトに折りたためるようになっています。
水準器の有無
三脚というのは、水平をきちんと出したいという場面がよくあります。カメラ内に水準器がないような場合、三脚に水準器が付属していると非常に便利。
多くのものは雲台側に水準器が付いていますが、中には三脚自体にも水準器がついているものもあります。これがあると、足だけで水平が出せるのでパノラマ撮影や赤道儀を使っての撮影時にも便利だったりします。
三脚の種類
通常の三脚の他に、用途によっていろんな三脚があります。
トラベル三脚
足の部分がやセンターポールを180度動かせ、通常の三脚よりコンパクトなサイズにできる三脚をトラベル三脚と呼びます。脚径の太いものであれば、トラベル三脚といえどしっかりとした剛性のあるものも多いので、その名の通り、旅行など荷物を小さくしたいときに非常に便利です。
一般のものと比べると若干高さが低いものが多いのですが、それでもアイレベルに足りない、というだけでわりと使い勝手はいいです。
ミニ(卓上)三脚
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トラベル三脚よりももっと小さいタイプの三脚。普通の風景など撮るならアイレベルのものが使いやすいですが、逆に低いものを撮る時はけっこく使いにくいものです。低くするには足を目一杯広げることになりますし、そうなると場所をとってしまいます。
普通の三脚を目いっぱい低くしたらこんな感じ。花など撮るには不向きなのがわかります。
ミニ三脚があれば、花などの低い場所にある被写体、机の上にあるものを撮りたい時などにかさばらず狙えるのでとても便利です。持ち運びに便利なコンパクトなものから、足をしっかり伸ばせる本格的なものまでいろいろとあるのでこちらもご自分にあったものを選びたいですね。
デザイン
三脚としての直接の性能には影響しないですが、それでもやっぱり大事なのがデザイン。三脚というとわりともっさいものが多いんですが、それでも探してみるとけっこうかっこいいものもたくさんあります。
デザインがいいからといって写真がきれいに撮れるわけではありませんが、それでもその三脚を持ち出すのはあなたです。かっこいい三脚であればモチベーションがあがりますし、モチベーションがあがればいろんな場所に行き、たくさんのシャッターチャンスに出会えることでしょう。
三脚のメーカー
たくさんのメーカーが三脚を出しています。それぞれ個性があるメーカーがたくさんなので、好みのメーカーから選ぶというのもいいですね。
全部を全部使ったことがあるわけではありませんが、ちょっと紹介してみます。
Velbon(ベルボン)
日本の三脚メーカー。量販店などで見かけることも多いのではないでしょうか。コストパフォーマンスのいい三脚から、重量級の機材まで載せられるカルマーニュシリーズなど、幅広いラインナップを展開。足をひねるだけで一気に足をロックできるウルトラロック式の三脚などもベルボンの三脚のひとつ。
SLIK(スリック)
こちらも日本の三脚メーカー。ベルボンと並び有名なメーカーで、小型のものから耐荷重のしっかりしているものまで幅広く展開。アルミ・カーボン・コンパクトなど多種多様の三脚があるので、ご自分にピッタリなものが見つかるでしょう。
Gitzo(ジッツオ)
三脚を探していると、誰もが一度は気になっちゃうのがジッツオの三脚。フランスで設立、現在ではイタリアに生産拠点を持っているメーカー。
カーボン製のラインナップが非常に豊富。少々値段は高いですが、一生もののカーボン三脚を探しているのならおすすめです。まさに質実剛健という言葉がピッタリ。デザインもかっこいい。
僕もジッツオの三脚を愛用しています。
最強の三脚!Gitzo(ジッツオ)の魅力と選び方を語ってみる!! – ログカメラ
Manfrotto(マンフロット)
イタリアの三脚メーカー。デザインが非常に洗練されていて、かなりオシャレな三脚がそろっています。トラベル三脚の「Befree」も有名。
別売りにはなりますが、ギア雲台もとても特徴的。ギア雲台というのはその名の通りレバーの代わりにギア(歯車)で動かすことができ、繊細な構図調整ができます。このギア雲台もマンフロットらしい、オシャレなデザイン。
VANGUARD(バンガード)
台湾のメーカー。こちらも特徴的なデザインがかっこいい三脚がそろっています。
センターポールが可動できるシリーズがたくさん揃っており、マクロや特殊な構図作りなどがしたい方にもいいかもしれません。トラベル三脚の「VEO」シリーズもよさげです。
Really Right Stuff(リアリーライトスタッフ)
アメリカの直販サイトのみで扱っている、このReally Right Stuff製品。日本で買うには個人輸入することになります。購入のハードルがやたらたかいマニアックな製品にもかかわらず、かなり評判のいいメーカー。性能もさることながら、デザインがめちゃくちゃかっこいいと個人的には思っています。
RRS製品のReally Right Stuff(リアリーライトスタッフ)な選び方
SIRUI(シルイ)
中国のメーカー。中華製だからといって作りが悪いということもなく、高い評価のレビューをよく見かけます。コストパフォーマンスもよさそうです。
HUSKY(ハスキー)
大きくて重くてゴツイ、アルミ三脚の堅牢さを十二分に感じられるのがハスキー。やっぱり三脚は重くてゴツイのが正義。バツグンの安定性を誇ります。
雲台の評価も非常に高いですね。
1本ではなかなかあらゆる場面に対応できない
三脚もそんなに安いものではないので、じっくり検討して自分にあった1本を選びたところです。が、しかし。やっぱり1本でなんもかんも対応するっていうのは、実はけっこう難しかったりします。
何度も書いてますが、三脚の選び方というのは「重さ」と「剛性」の妥協点をどこに見つけるかがポイントになってしまいます。望遠レンズをガッチリ固定させたいけど、登山や旅行にも持って行きたい、なんてかたもいらっしゃるでしょう。そうなってくると、1本だけでは「どっちつかず」になってしまうこともあります。
実際僕も3本使っています
いろんな場面に対応さえるのは、なかなか難しいので、僕は3本の三脚を使い分けています。Gitzoの1型トラベル三脚、2型、5型のロングタイプの3本。
- GITZO(ジッツォ)のマウンテニア2型4段「GT2542」を購入しました! – ログカメラ
- 海外旅行にも最適!Gitzoのトラベル三脚「GT1545T」 – ログカメラ
- Gitzoのフラッグシップ!5型6段ジャイアント(GT5562GTS) – ログカメラ
海外など車では行けないようなところは軽くてコンパクトなトラベル三脚。山や、撮影地もあっちこっち歩きまわるような場所では2型のちょっと軽い、けれどもしっかりした剛性のある三脚。そして、赤道儀や望遠レンズなどを載せたい時にはゴツくて重い、安定性と剛性バツグンの三脚。
半分、三脚集めるのが趣味みたいなところもあるので、ここまでは必要ないかもしれませんが、「移動用」と「腰を据えて撮影用」の2本を念頭に三脚選びをすると、1本で中途半端なものを使って妥協することなく撮影に望めます。
結局どう選んだらいいの?
とにかく1本買ってみましょう!
さっきも言いましたが、あらゆるシチュエーションに対応可能な三脚なんてものはありません。使っていくうちに必ずどこかしら不満が出てくると思います。そうなった時に、その不満点を解消してくれる三脚を買い足すのもいいでしょう。まずは使ってみないとなにがよくて何が悪いかがわからないと思います。三脚なんてのはひとりひとりによってピッタリなものが違いますから、オススメの三脚なんてものは存在しないのです。
ただ、やっぱり気にしたいのは
- 持ち出すことができるくらいの重さ
- 家計を圧迫しない程度に捻出できる最大限の予算
- 自分が必要な機能(高さ、携帯性、ローアングルなどなど)
- そんななかで一番重くてゴツイもの
このあたり。
なんとなく自分が欲しいものがイメージできてきたら「あなたにピッタリな三脚の選び方」の項で書いてるいろんなものをいる・いらないで分けていくと、最終的に各メーカーのものが5本くらい残ると思います。あとは、お好みで。
まとめ
理想の三脚選びというのはなかなか難しいですが、それだからこそ自分にあった三脚をゲットできると嬉しいものです。
カメラとあなたにピッタリな三脚があれば、様々な撮影が可能になりますし、その表現はもっともっと広がっていきます。ぜひお気に入りの三脚ですばらしい写真を撮ってくださいね(๑´ڡ`๑)