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写真は目で見たままを撮るのもおもしろいのですが、カメラならではの表現をすることでいつも見ているものとはまた違った世界を写しとることができます。
今日ご紹介する長時間露光もその方法のひとつです。シャッター速度を長くするだけなんですが、すごく幻想的になります。
難しそうですが、やってみると案外かんたんなのでぜひチャレンジしてみましょう(๑´ڡ`๑)
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長時間露光とは
カメラはシャッターを開けている間、ずっと光をセンサーに記録し続けます。普段はシャッター切るときの「カシャッ!」っていう瞬間に光を記録し終えることができるのですが、明るさが足りないようなときはシャッター速度を遅くすることでたくさん光をセンサーに集めるのです。
シャッターを開いている間に動いてしまうと、そのまま記録されてしまいます。暗い室内などで写真を撮るとブレてしまった経験はないでしょうか?あれはシャッター速度が遅いから動いたところまで光が記録されてしまっているのですね。
長時間露光というのは、このシャッターを開いているあいだ動いたものも記録し続けるという特性を活かした撮影方法になります。
例えば上の写真、雲がグワーっと流れているように見えますよね?これも長い時間シャッターを開けることで雲が動いている軌跡を記録し続けたのでこのような写真になるのです。
詳しいことは以下を参考にしてもらうといいのですが、すっとばしても何も問題ないので気軽にいきましょう。光をセンサーにあててやることを露光というのですが、これを長い時間やるので長時間露光、と呼ぶことだけ覚えてもらったら大丈夫です。
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[blogcard url=”https://logcamera.com/ss/″]
必要なもの
ただたんにシャッターを長く開けているだけではブレブレの写真になってしまいます。止めたいものはしっかりとめる、動かしたいものは動いている写真が撮りたいのでカメラ自体をしっかい固定する必要があります。
三脚
カメラを固定するのに必要なのが三脚です。長時間露光だけでなく三脚があるといろいろ楽しめるのでぜひ1本もっておくといいと思います。
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レリーズ
カメラを三脚で固定しても、シャッターを押すときにどうしてもブレちゃうことがあるのでレリーズがあると便利です。
また、ほとんどのカメラはシャッタースピード30秒がマックスだと思うんですが、長時間露光だと30秒を超えて撮影することもあります。そういう場合はシャッターボタンを押している間だけシャッターが開いているバルブモードで撮影するんですが、いちいち自分で押しっぱなしにしているのも面倒です。
世の中にはタイマー機能がついているタイマーレリーズという便利なものがあるので活用しましょう。僕はROWAのタイマーレリーズを使っています。安いので良いです。
[blogcard url=”http://logcamera.com/rowa/″]
NDフィルター
今日、紹介する長時間露光の中には日中に撮影するものもあります。ただ、日中に長時間露光すると光を取り込みすぎて白飛びしてしまうんですね。
そういうときに、カメラに取り込む光をカットしてくれる便利なものがあります。それがこのNDフィルター。すごく簡単にいうとサングラスみたいなものです。
いろんなNDフィルターがあって選ぶの悩ましいですが、ギャンギャンに長時間露光で楽しみたいならND500とかND1000買っておくとおもしろいと思います。
角型と丸型あるのですが、最初は丸型でいいと思います。
[blogcard url=”http://logcamera.com/nd/″]
比較明合成ソフト
長時間露光の撮影では1時間とか、ガチで長い時間撮影するような場合もあります。延々とシャッター開けていてもいいですが、ノイズがのったり失敗したりとかすることがあります。
比較明合成というテクニックがありまして、数秒のシャッタースピードのものをたくさん撮影したものを後で合成することで何時間とかの長時間露光と同じ結果を得ることができます。
この比較明合成をするにはソフトが別途必要です。とはいえ、フリーソフトなんかもたくさんあるので恩恵にあずかっておきましょう。フォトショップを持っている人はそれを使ってもいいですね。
[blogcard url=”http://logcamera.com/composite/″]
パーマセルテープ/マスキングテープ
数秒のシャッタースピードくらいならそこまで気にしなくてもいいかもしれませんが、かなり長い時間露光をするとカメラのファインダー側から光が侵入してしまい、感光することがあります。
マスキングテープなどで塞いでおくといいでしょう。また、露光中のピントリングやズームリングが動いてしまうのを防ぐため貼っておくのもいいですね。
まあ、なければないでなんとかなります。
[blogcard url=”http://logcamera.com/kamo/″]
カメラレンズヒーター
夜や湿度の多い日などはカメラに夜露がついてしてしまうことがあります。長時間露光中はカメラを動かすことができないので数時間の撮影などでは夜露防止のカメラレンズヒーターをつけておくといいかもしれません。
まあ、なければないでなんとかなります。
基本的な撮り方
被写体や撮りたいものによってちょっとずつ撮り方は変わるのですが、とりあえず基本的な設定を。
カメラを三脚に固定してレリーズをつける
カメラを三脚に固定します。長い時間露光することになるので、足場もしっかりしたところを選ぶようにしましょう。シャッターを指で押すとブレの原因になるのでレリーズをつけましょう。
手ブレ補正は切っておく
レンズに手ブレ補正がついているものはオフにしておきましょう。レンズによってはこの手ブレ補正が悪さをしてしまい、逆にガタガタになることがあります。
撮影モードはマニュアル
マニュアルで撮影します。Sモードとかでもいける場合もあるんですが、まあ基本はマニュアルと思っておきましょう。
撮りたいイメージのシャッタースピードに合わせてF値やISOをコントロールしてやる感じですね。複数枚撮影してあとから比較明合成するつもりならホワイトバランスとかもオートにせずにあらかじめ設定しておきましょう。
長時間のノイズリダクションは撮りたいものごとにオン、オフする
Nikonのカメラであれば「超秒時ノイズ低減」という機能。
超秒時露光をしていると、赤、青、緑などカラフルなブロックノイズが出てしまいます。カメラにはこのノイズを低減させる機能がついているのですが、撮影時間と同じ時間だけの時間がかかります。例えば30秒の露光時間であれば、その後30秒かけてこのノイズを消去します。
30秒くらいであればガマンできますが、何分も撮影する場合はいちいちそれと同じ時間かかってしまいます。
比較明合成で撮影する場合であれば比較的短めのシャッタースピードにして、そもそも長時間ノイズが出ないようにしておきましょう(それでも出るときは出ちゃいますが)
僕であれば30秒〜2分くらいの露光時間であればオン、それ以上になる場合は比較明合成とかにするのでシャッタースピードを20秒くらいにしてあとで比較明合成するようにしています。このへんの適正な露光時間はカメラによって変わってくるのでいろいろと試してみましょう。
[blogcard url=”http://logcamera.com/noise-chobyo/″]
実際に撮ってみよう!
さて、では実際の作例を交えて長時間露光での写真の撮り方を紹介してみましょう。
白糸のような滝の写真
滝は長時間露光デビューするならオススメの被写体です。シャッタースピードを長くすることで滝が白糸のように表現できます。目で見るのとはまた別の幻想的な世界になるのでおもしろいですね。
設定
上の滝の写真は
- f20
- iso 100
- ss 1秒
で撮影しました。滝の勢いとかにもよりますが、それくらいのシャッタースピードでも十分糸を引いたような写真になります。朝のまだ日がそんなに高くない時間帯ならしっかり絞れば1秒くらいのシャッタースピードが稼げます。
とりあえず三脚さえあれば手っ取り早くおもしろい写真が撮れるのでぜひチャレンジしてみてください。
こちらはNDフィルターを使いました。
- f5
- iso 250
- SS 30秒
滝の雰囲気がまたちょっと違うのがわかるでしょうか?手前の川の流れもヌルヌルとした雰囲気になっておもしろいです。
人がブレている写真
こちらの写真は
- f7.1
- iso200
- ss 0.6秒
日中、人が歩いているだけの場所でも長時間露光することでおもしろい風景に様変わりします。長時間露光とはいえ、これはシャッタースピード0.6秒くらいでとってます。
この日は夏のピーカンだったのでND1000をつけて撮影しましたが、天気によっては0.6秒くらいならND無しでも撮れると思います。
逆に1分くらいの長時間露光すると人が消えたような写真になるのでそれはそれでおもしろいです。
ツルツルとした水面
- f8
- iso100
- SS 180秒(3分)
夕方といえど3分もの長時間露光になってくるとNDフィルター必須です。あと、気温にもよりますがけっこう長秒ノイズが出てきます(気温が高いほどよく出る)気になる人は長秒ノイズ低減機能を使うといいと思います。
あまり激しい波があるようなところだと、こんなふうにまっ平らなツルツルにはなりません。波がプカプカしているようなところがおすすめです。
岩などの固くて動かない被写体があるとすごく不思議で幻想的な風景になります。
露光時間は3分ってきまってるわけでもないのでいろいろ試してみましょう。
流れるような雲
これもNDフィルターを使って撮影
- f20
- iso100
- SS 180秒(3分)
3分くらいシャッターを開け続けていると雲がブワーッと流れるような写真が撮れます。できれば風の強い日のほうが動きが出ていいかと思います。
水があるような場所で撮影すると水面もツルツルになるので、非常に幻想的な雰囲気の写真になります。
雲の流れも横に動くとあんまりおもしろくないので手前や奥に向かって流れているのが個人的には好きです。
グルグルの星
空に浮かぶ星は、地球が自転しているのでけっこうなスピードで動きます。長時間露光することでその動いている軌跡を撮影することができるんですね。
北極星を中心として1時間に15度。24時間で360度動きます。
数秒撮影しても星が動いているのが確認できるのですが、せっかくですからギャンギャンに撮影してギャンギャンに星が流れる写真を撮ってみましょう。
こちらの灯台の写真で4時間くらい。
こちらの写真は6時間くらい撮影。もう、星がエライコッチャになっていますね。
そんなに撮影してられないよ!という人はまずは30分くらいからやってみましょう。こちらが30分くらいの写真。前述の写真に比べておとなしいですが、それなりにグルグルしているのがわかりますね。
こちらの写真は北極星を右上のほうに入れているので、それを中心に円を描くような軌跡になっています。東西南北で雰囲気の変わる写真が撮れるのでいろいろチャレンジしてみてください。
撮影の設定
ISO感度を上げすぎてしまうと高感度ノイズが出やすくなってしまいます。僕は星を撮るときはISOは800〜1000くらいまでで抑えることが多いです。
[blogcard url=”http://logcamera.com/noise-kokando/″]
あとから比較明合成するので、切れ間がなくシャッターを切り続けるためにレリーズは連写モードにしておきます。長秒ノイズ低減がオンになっているとシャッターごとにノイズリダクションがかかってしまうのでオフにしておきます。
とはいえ、あまりにも長い時間シャッターを開けているとやはり長時間ノイズが気になるのでシャッタースピードは20〜30秒くらいにしておきます。
そうすると必然的にシャッタースピードとISOがきまってくるので、あとは適正な明るさになるようf値を決めていきます。概ね開放付近になる事が多いかもしれません。このへんはいろいろと試してみてくださいね。
まとめ
スローシャッターで撮影すると目で見るものとはまた違った幻想的な雰囲気になります。こんな表現ができるのも写真に魅力のひとつですね。
案外簡単なのでぜひチャレンジしてみてください。