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BLUE GIANTを見てきました。
もともとマンガを持っていて、ああ映画がやっているんだという感じだったんですが、評判よさげだったので映画館に行ってきました。
このBLUE GIANTという物語はサックスを始めた主人公である宮本大がジャズの世界で成長し世界一になっていく様を描いたものでして、今回のBLUE GIANTの映画版の内容は単行本でいうと4巻〜10巻のあたり、仙台でサックスの活動を始めた主人公が上京していったところの話になります。
僕はマンガを見ることが多く、映画化とかアニメ化とかは、基本内容がかぶるのでそんなに見なくてもいいかなと思っちゃうことが多くて、今回もスルーしていたんですね。
ただ、このBLUE GIANT、そんなジャズをテーマにした映画で実際にその音楽が流れるということなんです。例えばピアノの演奏や音楽を担当しているのは上原ひろみさんと、ジャズにはうとい僕でも名前やその演奏を見たこともあるくらいの人です。
音が聞こえないマンガ・音の聞こえる映画
マンガではもちろん音なんて聞こえません。だからこそ、マンガで描かれる「素晴らしい演奏」というのは読み手の想像力に委ねられる部分があります。実際に聞こえないからこそ「こんなすごい演奏をしているんだろうな」と思えるわけです。作者の石塚先生の表現力のすごさもあり、BLUE GIANTでは聞こえなくとも十分にその演奏のすばらしさを想像できるマンガであるのです。
似たようなマンガでいえばBECKがありますね。こちらは少年たちがロックバンドを組んで成長していく過程を描いた傑作マンガ。僕も大好きな作品のひとつですが、これもまた音が聞こえないからこそ聞こえてくるバンドサウンドの素晴らしさというのがあったわけです。
けど、やっぱり気になるわけです。これってどんな音が鳴っているの?って。
実際にそこで演奏されている曲をApple Musicで流しながらBLUE GIANTのマンガを読んだこともありました。
音が聞こえないからこそいいのがマンガなら、音が聞こえるからこそいいのが今回の映画だというわけですね。
音が聞こえるのめっちゃよかった
んで、実際に行ってみたんですが、いやね、いいですね、音が聞こえるの。
上京した宮本大は、あるライブハウスで沢辺雪祈という天才的なピアニストと出会い、強引にバンドを組もうと持ちかけるんですね。
そんな強引な誘いに、ピアニストの沢辺雪祈は最初怪訝な対応をするのですが、やはり非凡な才能を持つ宮本大の実力を目の当たりにしてその申し出を受けるわけです。
そんな才能ある二人なので、まあ、どうやったって演奏はうまいわけです。なので、最初はCDから流れてくるような音楽が映画で流れるです。
そこに、玉田俊二というドラマーが二人のバンドに入ってきます。彼は宮本大の同級生でたまたま進学で上京しており、同じく上京してきた宮本大に強引に居候として住み込まれていたのですが、大に触発されてドラムを始めます。
それまでは普通に大学に通っていて、音楽とは無縁の玉田。
そんな玉田がまったくの初心者としてバンドでドラムをする。当初はその加入に否定的だったピアニストの沢辺も玉田の情熱と少しづつ上達していく彼に徐々に理解を示していくというエピソードがあります。
そのエピソードが、実際に音が聞こえる映画で爆ハマりしていました。
実際に始めたばかりの玉田の演奏は本当に拙くて、見ているこちらが冷や冷やしてしまいそうなくらいです。ライブに出れば圧倒的な二人についていけなくて、手が止まってしまう瞬間も。そんなたどたどしさも音が実際に聞こえることでものすごくリアリティのあるものとなっていました。
圧倒的な演奏もよかった
玉田も必死に練習を続け、メキメキ上達していくことになります。
そして、大きな舞台で披露する3人の演奏。これもまた、まあ素晴らしかったわけです。観客がスタンディングオベーションで立ち上がるシーンがあるのですが、思わず僕も立ち上がりそうになりました。
ジャズのライブを実際に聞きにいったことはないのですが、延々と続く3人のかけあいに次第にトランス状態になっていってものすごく気持ちが高揚していきます。マンガでは聞こえなかった、けど頭の中では鳴り響いていた音がそこにはありました。
ストーリーも間違いない
BLUE GIANTは舞台を変えながら「BLUE GIANT SUPREME」、「BLUE GIANT EXPLORER」と話が進んでいますが、個人的にはこの東京編がいちばん好きだったので、ストーリーも申し分ない良さでした。
けっこう前に読んでいたので、久しぶりに映画館で見ると忘れていた部分とかもあって、新鮮に感動するところも多々ありました。けっこう端折ってあるところもあるので、映画を見て楽しめたらマンガもぜひ読んでほしいです。
岳もおすすめ
あと、余談にはなりますが、このBLUE GIANTの作者である石塚真一先生は前作で「岳」というマンガも書いていらっしゃるのですが、これもまたクソおすすめなのでぜひ読んでほしいです。
こちらは長野の北アルプスを舞台に山岳救助ボランティアをしている島崎三歩を主人公にした、山がテーマの作品です。
僕も、今でこそいろんな山を登るようになったのですが、その大きなきっかけになったのがこの「岳」でした。山の厳しさ、美しさ、その魅力をありありと描いている名作。今回のBLUE GIANTが刺さった人には間違いなく刺さると思うのでぜひ読んでみてほしいです。
まとめ
音のある映画を見てすごく楽しめたので、逆にまた音の無いマンガも読み返したくなりました。