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バルブ撮影やシャッタースピードを長くして撮影した時に、なんだか書き込みが遅いなあ…なんて経験ありませんか?
SDカードの読み込み速度がおそいのか、カメラが悪いのか?なんでだろう…
じつはそれって長時間ノイズを低減させる機能がONになっているからかもしれません。
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長時間ノイズ低減機能とは
長時間ノイズ軽減機能をオフにする
まず結論からいきましょう。
普段の撮影では読み込みが気にならないのに、シャッタースピードを遅くした、バルブ撮影や長時間露光などの時にやたら書き込みが遅くなっている気がする時があると思います。
それは、長い時間シャッターをあけたから、書き込みスピードが遅くなっているというわけではありません。
おそらく「長時間ノイズ軽減」する機能がオンになっていると思います。これ、各カメラメーカーで呼び方が違うのでざっくりまとめてみます。ノイズリダクションというのはノイズ軽減を英語にしただけすね。
- Nikonー長秒時ノイズ軽減
- Canonー長秒時露光のノイズ低減
- SONYー長秒時NR(ノイズリダクション)
- PENTAXー長秒時NR(ノイズリダクション)
- OLYMPUSー長秒時ノイズ低減
- panasonicー長秒ノイズ除去
- FUJIFILMー長秒時ノイズ低減
これをオフにして、もう1度撮影してみましょう。どうですか?すぐに書き込みが終わったと思います。
なんでわざわざ、こんな書き込み時間が遅くなる機能がついているか不思議ですよね?今日はこれ、何をやっているのかちょっと解説してみたいと思います。
長時間ノイズ(長秒ノイズ)
そもそも、長時間ノイズってなんでしょう?
写真を写す時、大きくわけて2つの気をつけたいノイズがあります。
- 高感度ノイズ
- 長時間(長秒)ノイズ
高感度ノイズ
ひとつは高感度ノイズ。たとえば暗いところで写真を撮った時、なんかザラザラになったような写真がとれますよね?これが高感度ノイズです。
この写真みてもなんだかザラザラしてるのがわかりますか?
ちょっと拡大してみます。これはISO25600まであげているのでけっこうひどいですね。カメラのセンサーや高感度性能によってこの出方は変わりますが、ISO感度をあげる(高感度にする)ことで発生するノイズです。このノイズはランダムで発生する、というのをちょっと覚えておきましょう。
長時間(長秒)ノイズ
一方、長時間露光をしているときに発生する「長時間ノイズ」というノイズがあります。長秒ノイズともいいます。この写真、パッと見は案外よさげなんですが……
このように、明るい点のようなものが見てとれます。白、赤、青の色のものが多いですね。こういうノイズが長時間ノイズです。
背景があると、見落としやすいので真っ暗にしたところで撮ってみました。ここにもいくつか長時間ノイズがあるのがわかりますね。
長時間ノイズが発生する理由
長時間ノイズが発生する理由は名前の通り、長時間シャッターを開けるバルブ撮影や長時間露光撮影のときにでてきます。
このノイズはデジタルであるがゆえの副産物で、フィルムではこういったノイズは発生しません。どういった理屈でできるのかというと小難しくなるので割愛しますが、
- 長時間、シャッターあけている
- 温度が高い
という場合に、発生しやすいです。
もうひとつ、大事なことを覚えておきましょう。高感度ノイズがランダムなノイズだったのに対してこの長時間ノイズは同じ場所に現れる固定ノイズです。これちょっと覚えておいてくださいね。
長時間ノイズ低減の仕組み
この長時間ノイズはわりと簡単に無くすことができます。いろんな方法があるんですが、一番わかりやすいのが今回のテーマである「長時間ノイズ低減機能」です。
ではいったいこれ、どんなことをやっているんでしょう。
同じ条件で撮影すれば、同じノイズがでてくる
この長時間ノイズなんですが、おもしろいことに、同じ条件で撮影すれば同じノイズがでてきます。(もちろんカメラごとには違いますが)
同じ条件とは?
- 同じシャッタースピード
- 同じ温度
- 同じISO感度
この3つです。長時間ノイズの発生原因を考えるとわかりやすいですね。
出てくるノイズがわかっていれば、元の画像からノイズだけを引けばいいわけです。これをカメラの中でやっているのが長時間ノイズ低減なんです。
長時間ノイズ軽減中は、また同じ条件で撮っている
ここで、ようやく最初の疑問が解決できると思います。
長時間ノイズ軽減をオンにするっていうのは、もう1度同じ条件で、ノイズだけをカメラ内で撮影しています。シャッターを切ったすぐあとに書き込みができなくなるのは、同じ条件じゃないと、ノイズを抜き出せないからですね。
そうやって、元画像とノイズだけの画像を2つ作りだし、元画像のほうからノイズを引く、という処理をしているんです。
このノイズの出方もカメラごとに変わるので、長時間ノイズをきっちり引こうとおもったらカメラ内でやるのが理想的ですね。
とはいえ、2倍の露光時間がかかるので少し注意
そんな便利な長時間ノイズ軽減機能ではありますが、結局2倍の露光時間がかかります。
1枚だけ撮る場合ではその実力をいかんなく発揮しますが、比較明合成など長時間、複数枚を合成するような撮影の場合。例えば星の日周運動やホタルの撮影などは要注意です。星であれば1枚撮った後にノイズ処理し始めるので、星の光跡がとぎれますし、ホタルなんかでも飛んでる時間が短いのに露光時間が少なくなってしまいます。
比較明合成(コンポジット)の撮影方法と必要な道具〜その1「比較明合成とは」 – ログカメラ
あと、やっぱりいちいち撮った後に撮影が止まるというのもめんどくさいですよね。出てくるノイズはシチュエーションによって変わりますから、気にならないレベルであれば長秒露光の場合でもきっておいてもいいかもしれません。
ちなみに、僕の持っているD750なんかでは1秒以上のシャッタースピードからノイズ低減を始めるので基本オフにしています。
まとめ
夜間の撮影など、長時間露光や高感度撮影するとどうしても悩みどころなのがノイズの処理。
とはいえ、これをうまいこと消してやるのも腕の見せどころだったりします。きちんと理解して、ノイズの少ない写真を目指したいですね(*´ω`*)