フォトショップを使用したレタッチでは合成をすることがよくあります。
ただ単に合成といっても、実はけっこういろいろと種類がありわりと小難しい横文字が並んでいるのでちょっと混乱していまします。
今日はその言葉の意味と合成方法の違いを紹介してみます。
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いろんな合成方法の種類
ブレンディング
ブレンディングは日本語になおすと『混ぜる』という意味になります。
その名のとおり、複数の写真を混ぜる合成方法になります。一番よくやるのが『露出ブレンディング』ではないでしょうか。
現在のカメラでは明暗差の強いシチュエーションなど、明るいところから暗いところまで鮮明に写すことができません。
なので異なる露出の複数枚の写真を撮影しておき、Photoshopでそれらの「いい部分」を合成することを露出ブレンディングといいます。
例えばこのような写真。背後に強い光源がある場合、空に露出をあわせれば前景が黒くツブれ、前景に露出をあわせれば空が白飛びしてしまいます。
けれど、それぞれはきれいな露出で撮れているのでそのいい部分をPhotoshopのマスクなどを使って合成してやることです。
HDR(ハイダイナミックレンジ)合成
似たような合成方法にHDR合成があります。カメラが明暗差を写し出せる範囲をダイナミックレンジと呼ぶのですが、露出差のことなる写真を合成することで既存のカメラでは出すことのできないダイナミックレンジの広い(ハイダイナミックレンジな)写真を表現できます。
こちらはPhotoshopだけでなく最近ではLightroom、はてはスマホなどにも搭載されています。
露出の違う写真さえ用意すればあとはPCが合成してくれるので、露出ブレンディングよりも簡単にできる一方、細かい調整などは手作業の露出ブレンディングに劣ります。
スタック
スタックは日本語では『積み重ねる』という意味。
複数の同じ写真を重ねて合成することでいろんな効果を得る手法のことをいいます。
被写界深度合成(フォーカス・スタック)
パンフォーカスを得たい場合、通常は絞りを絞りますが広角レンズなどで近景から遠景まで構図にいれている場合どうしてもピントが合わない部分が出てきます。
そういった場合に異なるピント位置で撮影した写真(近景に合わせたものから徐々に遠景に合わせていったもの)を複数枚重ねるように合成することをフォーカス・スタックと呼びます。
上の例では近い場所にピントがあった写真と遠くの場所にピントがあった写真をマスクすることで全体にピントがあうように処理しています。
詳しくはこちらも参考に。
加算平均
星景などでノイズを消すときに使う加算平均。
ISOをあげて撮影したときに発生する高感度ノイズはランダムに発生するノイズ。なのでたくさん同じ写真を撮影してそれを平均化していいけばノイズのな写真になるというわけです。
これも同じ写真を重ねていくことになるのでスタックと呼びます。
この処理をコンポジットと呼ぶこともあります。コンポジットとは直訳すると『複合』。複数のものを合成もしくは組み合わせることをいいます。
パノラマ
水平方向に長くなっている写真をパノラマ写真と呼びます。
これも複数枚の写真を横につなげて合成することでこのような写真にします。最近はPhotoshopだけでなくLightroomでも簡単に合成することができるようになりました。
横方向に長い写真は広がりを演出できたりすることができます。
バーティカルパノラマ
パノラマ写真を垂直方向に合成することをバーティカルパノラマと呼びます。日本語では縦パノラマ。
縦方向にパノラマすることで広角レンズとはまた違ったパースペクティブが得られます。
まとめ
字面が難しくてなんだかちんぷんかんぷんな合成の言葉ですが、やってみると案外かんたんでそれでいてすごく便利です。
ぜひいろんな表現方法にチャレンジしてみましょう。