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「困ったら魚眼」という言葉をご存知でしょうか?古くは旧約聖書に出て来るその言葉。
何かを撮ってるとき、どんな画角を試してみてもダメだったのに、魚眼にしてみたらなんだかしっくりきた。そんなところから転じて、人生には様々な艱難辛苦がありますが、どんな時にも諦めることなく、八方手を尽くすことでもしかしたら解決の糸口が見つかるというかもしれないという意味の言葉です。
僕が幼いころに他界してしまった祖父。まだ小さな僕がうまくいかないことがある度に泣いていると、昭和の激動の時代を生き抜いた彼が優しく教えてくれた言葉がそれでした。
すみません、うそです。
sayangの12mm魚眼レンズ
さてさて、いつもどおりよくわからない導入部をこえてここまでごらんいただいているみなさまこんにちは。今日は僕の使っている魚眼レンズを紹介してみようと思うのです。
samyangというメーカーの12mmの魚眼レンズ「SAMYANG 12mm F2.8 ED AS NCS FISH-EYE」です。samyangというと聞き馴染みのないかたも少なくないかもしれませんが、韓国にあるレンズメーカー。SIGMAやTAMRONなどのようにサードパーティ製のレンズを作っており、NikonはもちろんCanon、SONY、PENTAXなどなどいろんなマウントのレンズを作っています。
わりとコストパフォーマンスのいいレンズを作っていることでよく知られていて、最近ではケンコートキナーが国内での販売を手がけるようになりましたね。
SAMYANG 12mm fisheyeの魅力
周辺の歪みが楽しい!
魚眼レンズには円周魚眼と対角線魚眼の2種類があります。円周魚眼は水平垂直が180度写るので、写真が円形になります。僕がもっているこのsamyangの12mmは対角線魚眼に分類され、対角線が180度で写ります。
今回は小難しい説明をすっ飛ばしますが、この対角線魚眼レンズで撮影すると周辺が歪曲します。この歪曲をあえて残すことで、いわゆる魚眼レンズ独特の歪みが生まれ、普通のレンズとはちょっと違った雰囲気の写真を撮影することができるのです。
ここの文章読んでみてよくわかんない人は、魚眼レンズだとなんか歪んでタノシー、くらいに覚えておきましょう。そうしましょう。
困ったら魚眼
さてさて。
写真を撮っていると、なんか、どうしてもどうにもならない時ってありません?いまいち主題が明確じゃないし、そこに添える副題も見つからない。なんだか、せっかく写真撮りにきたのにボウズで終わりそう、なんてこと。僕は1ヶ月のうち、35日くらいあります。
そんな時、魚眼レンズを付けてみるとあら不思議。案外ハマっちゃうような場面ってけっこうあるんですよ。これを我が家では「困ったら魚眼」と呼んでおり、家訓として江戸時代から代々受け継がれてきています。すみません、うそです。
それでも魚眼なら…魚眼ならきっとなんとかしてくれる。それはまるで陵南対海南大附属戦において、陵南の選手が仙道に頼るかのごとく、僕は困ったらいっつもsamyangタンにお願いするんです。なので、いろんなレンズを置いていかなければいけないときでも魚眼レンズだけはなんとかカメラバッグの片隅にいれるようにしています。ただし、最終的に陵南は負けます。
画角が広いので思わぬ光景もゲットできる
これは浜野浦の棚田の光景です。普通のレンズで撮影すれば、こんな感じに。
この日はたまたま夕方くらいに2機の飛行機が交差するように飛んでおり、飛行機雲が空で交わりました。
棚田の風景から空の飛行機雲まで写しきれるのは、画角の広い魚眼レンズならではですね。
気になる写りは
さて、気になる写りですが、いわゆるひとつのまあまあです。
上の写真はネモフィラのを大きめに切り出してます。それなりに周辺は緩いですし、色収差なんかも出てきます。とはいえ、Nikonの純正よりもMTF曲線はいいですし、このへんは魚眼レンズの宿命なのかもしれませんね。
ただ、このへんの解像感マシマシな写りというのは普通の単焦点レンズに任せておけばいいんだと、僕は思います。それよりもダイナミックにデフォルメされた魚眼ならではの写りというのを楽しめばいいのかなと。
けっこうパキッとした色が乗るのでHDRなんかもオススメの撮影方法ですね。色の濃さも、普通の広角レンズよりもおもしろい感じで出てきます。
外観
では、その外観を見ていきましょう。装着するカメラのメーカーによってレンズの大きさは変わるようですが、Nikon用のレンズだとだいたい7cmちょい。重さは500gです。
ご覧の通り、ダンボーよりも小さく、非常にコンパクトなレンズです。
魚眼レンズ独特の出目金レンズ。使ったことない方は、プロテクトフィルターがないので取り扱いが不安かもしれませんが、案外なれるもんです。
フードをつけるとこんな感じ。とはいえ、やっぱり対角で180度もの画角があるので、おまじない程度に考えておきましょう。
太陽を真正面に構えて撮影したらこんな感じ。一応、ナノコーティングシステムというコーティングがしてあって、フレアやゴーストを抑制するようにはしてあるようですが、やっぱりそれなりに盛大にゴーストは出ます。まあ、このへんは他の広角レンズでも出るので。素直にポチポチ、スポット修正してあげましょう。
レンズカバーはこんなのがついてきます。
カチッとはめ込むタイプです。わりとすぐすっぽ抜けるので、注意が必要ではあります。
24−70mmの横に置いてみるとこんな感じ。とってもコンパクトなのがわかりますね。
さっきも書いたんですが、当たり前に見ている風景も魚眼レンズにしてみると新しい発見があったりします。なので、なるべくカメラバッグの中には入れておきたいんで、このコンパクトさはうれしいですね。
オートフォーカスはできない
この魚眼レンズに限らないんですが、samyangのレンズの多くはマニュアルフォーカスです。普段オートフォーカスで撮影しているかたはちょっぴり気を付けましょう。
僕は基本的にはライブビューでピントはマニュアルで合わせるので、そこまで不便に感じません。また、広角レンズ以上にパンフォーカスなので、そこまでシビアなピント合わせをするというのも少ないですね。
また、最近のNikonのレンズにはありませんが、昔のレンズには根本に絞りリングという絞りを変更する機構があります。このsamyangのレンズにもその絞りリングがついています。
カメラに装着するときはこの絞りリングの絞りを最小絞り(このレンズならf22)にしておかないと、カメラ側で絞りのコントロールができません。はじめて使った時は知らずにいたのでかなりパニックになりました、ご注意を(笑)
F値は2.8なのでけっこう明るい
F値は2.8なのでけっこう明るいレンズになります。天の川の撮影などに使ってもいいですね。
天の川のアーチは何枚か撮っておいてあとでパノラマ合成することがおおいですが、samyangの12mmならかなり画角が広いので、上手いこと撮れば合成なしでアーチも撮影できるみたいです。
まとめ
魚眼レンズというと、ついつい飛び道具的な使いかたばかりを想像してしまいますが、きちんと使いこなせばかなりおもしろいレンズだと思います。
なんだか同じ写真ばかり撮れそう、なんておもうかもしれませんがアイデア次第でいろんな表現も可能です。んで、やっぱりなんだかんだ言って、困ったら魚眼なので、必ず1枚はどんな風に写るのかチェックします。
そんなに難しいものでもないので、まずは気楽に魚眼の撮影をしてみてくださいね。
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