本が出ました!「美しい風景写真のマイルール」

雲海写真の撮り方!発生条件や設定、撮影ポイントの選び方を解説!!

雲海写真の撮り方アイキャッチ

全国1億3千万人の雲海マニアのみなさんこんにちは。

寒暖差の大きくなる秋から初冬にかけては雲海の発生しやすくなる時期。眼下に広がる雲の海というのは非常に美しく、ぜひ一度は実際に見てほしい被写体のひとつです。

今日は、そんな雲海がいつどんなふうに発生するのか、そして雲海をどのように撮影したらいいのか解説してみます。

雲海とは

石鎚山の紅葉

雲海とはその名のとおり、高い位置から見下ろした雲が海のように見えることをいいます。

雲というと空の高い位置にあるものを思い浮かべますが、条件が揃うと低空に水の粒が溜まりそれを見下ろす形で雲海を見ることができます。

秋口から冬にかけてはこの雲海が発生しやすい時期になってきます。非常に幻想的で美しい光景なので被写体としてはもってこいであり、他のものと絡めやすいというのも雲海写真の楽しみのひとつです。

雲海が発生する仕組み

水蒸気が溜まる

空気中の水蒸気

空気の中には水蒸気が含まれています。水蒸気は目に見えず、気温が高いほどその含有量は増えていきます。

梅雨の時期などムワッとするのは気温が高いため水にならず空気中の水蒸気の含有量が増えていくからですね。

水蒸気を含んだ空気が一気に冷やされる

空気が冷やされる図

暖かく湿った空気が急激に冷やされることで細かい水の粒である霧が発生します。この霧が溜まった状態で上から見ると雲の海のように見える、つまり雲海が発生するというわけです。

雲海は霧

霧につつまれた道

水蒸気が水に変わったとき、その中にいれば霧、そこより高い場所から見下ろしたときは雲海に見えるというわけです。さらにいえば下から見上げている場合が雲ですね。すべて空気中に溜まっている水の粒です。

ポイント
  • 暖かく湿った空気が急激に冷やされることで霧が発生する
  • たくさん発生した霧を見下ろすと雲の海のように見える雲海となる

雲海が発生する条件

雲海が発生するためにいくつか条件が重なる必要があります。雲海が発生しやすい場所というのはこの条件を満たしやすいということ。

ではどんな条件が揃うと雲海が発生しやすいのか?ということを見ていきましょう。

1.放射冷却の起きた朝

雲ひとつなくよく晴れた翌日の朝というのは非常に冷え込みます。これを放射冷却と呼びます。

日中の太陽の熱

日中は太陽の熱で地表は温められています。その後夜になると太陽は隠れてしまうのでその熱源はなくなります。

雲に熱が跳ね返される

日中に温められた温かい空気は上に登っていくのですが、上空に雲があるとその熱は雲に阻まれ跳ね返されます。

放射冷却の図

この雲がないと、阻まれるものがない熱は上空へと抜けてしまうことになり、地表は一気に冷え込むことになります。これを放射冷却と呼びます。

放射冷却は霧が発生しやすくなる

空気が冷やされる図

雲海の発生条件は「水蒸気を含んだ空気が急激に冷やされること」でした。

つまり、放射冷却が起こる日というのは「日中は暖かく、空気の中に水蒸気の含有量が多く」なりその後朝方にかけて「水蒸気をたくさん含んだ空気が急激に冷やされる」という、非常に雲海の発生しやすい条件だということがわかります。

2.前日までに雨が降っており、湿度が高い

雨が降って湿度が高くなる

当日は放射冷却が発生するために雲ひとつない快晴が理想ですが、その少し前までには雨が降っていると湿度が高くなるので雲海が発生しやすくなります。

雨が降り、午後から一変して快晴になった翌日の朝、なんてのは雲海が発生しやすいシチュエーションですね。

近くに川がある場所も雲海が出やすい

近くに川がある場所というのも湿度が高くなりやすいので雲海が発生しやすいです。川の方から雲海が流れてくる、みたいなスポットもたくさんあります。

3.無風、または風が弱い

風が弱い

雲海が発生しても風が強いと流されて消えてしまいます。発生した雲海が溜まるためには無風、もしくは風が弱い日を狙いましょう。

4.盆地

盆地と雲海

山に囲まれているような盆地は、発生した雲海が溜まりやすい場所になります。山に囲まれているため風も強くなりすぎないのも要因のひとつ。

また、囲んでいる山の上に行くことで雲海を見下ろすことができるというのもメリットのひとつ。雲海の名所というのは盆地を見下ろす場所が多いですね。

雲海が発生する条件
  1. 放射冷却の起きた朝
  2. 前日までに雨が降って湿度が高くなっている
  3. 無風、または弱い風
  4. 盆地

雲海の発生を予想する

吉野の雲海

雲海の発生条件はわかりましたが、この条件さえ揃ったらだいたい出るような雲海スポットもあれば、なかなかお目にかかれないようなレアなスポットもあります。

実際にどのように雲海の発生を予想したらいいか見ていきましょう。

雲海が出る場所を調べる

星峠の棚田 雲海 逆光

まずはどんな場所で雲海が発生しているか調べましょう。

「盆地」「近くに川や湖がある」「発生した雲海を見下ろせる高台がある」といった場所が候補にあがりますし、そういったところをロケハンしてみるのもいいですが、手っ取り早く撮りたい我々としては文明の利器を使いましょう。

インスタグラムで「#雲海」と検索してみれば、先人たちのたくさんの素晴らしい写真を拝見することができます。雲海撮影スポットでググってみるのもいいでしょう。

また、お目当てのスポットが見つかったらそこでどれくらいの頻度で雲海が発生しているのか?シーズンはいつ頃か?というのも合わせてチェックしてみましょう。

撮影日前日までの天気を確認する

雲海が出やすい天気

via:goo天気 – 天気予報 / 防災情報

まずは週間天気予報をチェックしましょう。前日までに雨が降っており、一変して快晴になっているような日があったら候補のひとつになります。

例えばここでは2日に雨がふっています。その湿度が3日の快晴で温められ空気中の水蒸気が増えます。快晴で雲ひとつない天気であれば3日の夜から冷え込むことが予想されます。3日の最高気温が19℃、4日の最低気温を見ると6℃なのでググッと冷え込みそうですね。

ということは4日の夜から朝にかけては雲海が出るんじゃないのかな?と予測することができます。

10℃以上の寒暖差があると「お、これはもしかしていいんじゃないの?」と思っていいでしょう。秋〜冬にかけて放射冷却が起こる日はこのよう条件にあてはまりやすいです。

当日朝の風速チェック

天気予報風

via:天気予報 – ウェザーニュース 

次に風速をチェックします。天気予報だけ見てけっこう浮かれて出かけてしまいますが風が強くて駄目だったということも多々あります。

夜から朝にかけてほぼ無風であるかしっかり確認。とはいえ、多少風があっても出る日は出るのでこのへんはあまり神経質にならなくても。

雲の有無を確認

GPV

via:GPV 気象予報

続いて、雲の有無を確認しておきましょう。GPVというサイトを見ればかなり精度の高い予測をみることができます。

この白いモヤのようなものが雲。白くなればなるほど雲が濃くなります。ということは真っ黒だと雲ひとつない快晴、ということがわかります。

天気予報は晴れでも雲が残っていると放射冷却による冷え込みがイマイチといういこともあります。また、予報はけっこう広範囲のものなのでお目当てのスポットにピンポイントで雲がかかっているということもよくあります。

注意報なんかもチェック

道央の警報 注意報 Yahoo 天気 災害

via:Yahoo!天気・災害 – 天気予報 / 防災情報

もしも天気予報をみていて濃霧注意報が出ていたらけっこう期待できます。このへんもぬかりなくチェックしておきましょう。

過去の傾向と対策を練る

どれだけ出そうな天気予報でもなかなか雲海にお目にかかれない、といった激レアなスポットもたくさんあります。

そんな場合は過去の天気予報と雲海の発生日を照らし合わせてどのような天気の日に発生したのか過去の傾向を知り対策を練りましょう。

過去の天気予報は

tenki.jpや

goo天気で見ることができます。それぞれ天気図や気象衛星からの雲の様子など見ることができます。

あとはとにかく突撃する

竹田城跡の雲海

雲海が出るかどうかというのは、結局は行ってみないとわからないもの。予報で精度をあげるのも大事ですが、通うくらいに突撃しまくるというのも大事です。

とにかく数撃ってなんぼの世界です。

ちなみに、雲海が出なかったからといって写真が撮れないわけではありません。出なかったから出なかったなりに撮影を楽しみましょう。こちらも参考にしてもらえると嬉しいです。

雲海の撮影に必要なもの

雲海撮影に必要なものをリストアップしてみましょう。

カメラ・レンス選び

カメラ機材

雲海撮影は高台から雲を見下ろしての撮影になります。ということは必然的に丘や山の上からの撮影が多くなってきます。

駐車場が整備され展望台に車を横付けできるような場所ならいいのですが、けっこう山道を歩くことがあるので機材はできるだけ軽量のものがおすすめです。

場所によりますがレンズに関しては標準〜望遠あたりを揃えておくといいでしょう。展望台のように山を切りひらいているような場所が多いので広角だと木々が画角に入ってしまうことがあります。ただ、その木々を額縁のように使うのもテクニックの一つだったりします。

三脚

TFC-14mk2

雲海が発生しやすいのは夜から朝にかけてが多いです。日中は発生した雲海は温められて消えてしまう。

ということで暗いうちからの撮影になるので三脚は必須になります。こちらもできれば軽いもののほうがいいんですが、場所によっては展望台になっていて柵があるところがあります。トラベル三脚とかだと柵を越えない長さのものもあるので注意しておきましょう。

初心者からマニアまで!あなたにピッタリなおすすめの三脚の選び方!!

レリーズ

ロワジャパン タイマーレリーズ

三脚撮影にはレリーズがあるといいですね。最近はめんどくさくてたまに使わなかったりもしますが、望遠撮影などではシャッター触るだけでブレたりするので丁寧に撮っておくのは大事なことです。

コスパ抜群!ROWA-JAPAN(ロワジャパン)のタイマー機能付きリモートレリーズ!

防寒具

バルトロライトジャケット

防寒具はしっかりと揃えていきましょう。放射冷却が起こるくらいなので前日はかなり暑く感じていても当日の朝はとても冷え込みます。

特に足元からの冷え込みになるので靴や靴下など足先の防寒をしっかりしておかないと撮影どころではなくなってきます。

これで冬も大丈夫!防寒の基礎知識と具体的なその対策!!

レンズヒーター

レンズヒーター

雲海が発生するということはとても湿度が高い状況となっています。レンズも結露しやすくなってくるのでレンズヒーターがあるといいかもしれません。

僕はめんどくさいのであんまり巻きませんが…。

タオル・レンズクリーニングペーパー

レンズクリーニングペーパー

こちらも湿度対策に。雲海撮りに行くとカメラやレンズ、三脚なんかがびっちゃびちゃになるのでタオルやレンズクリーニングペーパーを持っていっておきましょう。

カメラバッグに忍ばせておくとめちゃくちゃ便利な「レンズクリーニングペーパー」

雲海の撮り方

雲海が出てしまえばあとは好きに撮ってもらって構わないのですが、いくつかポイントを上げておきましょう。

三脚に固定しISOは低めに

状況にはよりますがISO感度はできるだけ低くしておきましょう。雲海はけっこうノイズが乗りやすい被写体です。写真によっては640くらいから気になる場合もあるのでしっかり三脚に固定してISOを下げて撮影しましょう。

気になるザラザラのアイツ!高感度ノイズの原因とその対処法!!

NDフィルターやタイマーレリーズがあれば雲海を流せる

雲海 流す

雲海は雲なのでゆっくりと動いています。長秒露光することで雲が流れるような表現をすることができるのでチャレンジしてみると面白いでしょう。

夜間に雲海が出ていれば撮りやすいですし、NDフィルターがあれば日が上がってきても長秒露光することができます。

NDフィルターとは?NDの選び方・種類・使い方をまとめてみた!

望遠レンズで切り取る

星峠の棚田の雲海

モクモクの海のような雲海を撮るのもいいですが、望遠レンズで切り取ることによって山水画のようなわびさびのある雰囲気の写真に仕上げることができます。

光芒を狙う

星峠の棚田光芒

雲海は霧が発生している状況なので光芒を狙いやすいシチュエーションでもあります。日が登ってきてもまだ雲海が残っていれば太陽が差し込んでいる場所を見つけ光芒を狙ってみるのもおもしろいですね。

実際の雲海写真の仕上げ方

高ボッチ雲海

noteのほうに雲海のレタッチについて記事を書いているので、仕上げ方や現像についてはぜひこちらもご覧になってみてください。

まとめ

雲海を初めて見たときはとても感動したのを今でも覚えています。とても幻想的な写真が撮れる雲海の撮影、あなたもチャレンジしてみてくださいね。