本が出ました!「美しい風景写真のマイルール」

登山して撮影をするためにカメラを持ち運ぶ方法を考えてみる!!

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GREGORY バルトロ

山という被写体は非常に素晴らしく、下界では見ることのできないような光景に出会えます。

しかし、登山自体にも体力や経験、知識が不可欠なうえ、さらにそこにカメラを持ち込んで撮影となると非常に悩ましいわけです。

今日は山で撮影するためにカメラを持ち運ぶ方法を考えてみましょう。

どのような装備が必要か?

バルトロ 荷物

まずは山にどんな機材を持っていくか考えてみます。

100あるキャパの中でやりくりしないといけない

八方池山荘 夕焼け

登山というのは自分の体力だけが頼りです。仮にあなたの体力が100しかないとすると、あとは100を削って装備を増やしていくわけです。

例えば基本装備が50、カメラが20、レンズが10、三脚が20。もちろんこのへんは登る山によっても変わってきます。

もっとレンズを増やしたいとか、もっといろんなものを持っていきたい!となると、100の体力を150にするとか三脚を小さい10くらいのにするとか、そういったことを考えないといけなくなってきます。 車で行けるような場所はとにかくたくさん機材を持って行っとけばいいかもしれませんが、山ではきちんと取捨選択をしなければいけないのですね。

山に持っていくものは取捨選択しないといけない

小さいは正義

NIKKOR Z 14-30mm f/4 S装着

山の撮影において小さい、軽いは正義です。

100キャパがあると我々はどうしても100ギリギリまで詰め込みたくなってしまうものです。しかし、ギリギリのキャパ、体力で持てる限りの機材をかついで行ったところで、撮影ポイントにたどり着いた時にその体力がなくなっているとどうにもならないわけなんです。

あなたが想像している以上に山の撮影ポイントというのはしんどいです。足場は不安定、空気は薄い、ちょっとのアップダウンでも歩くのがしんどい。けれど、そんなきつい環境の中、構図を探すためにあちこちうろつかないといけない。

荷物を持って上がるだけで精一杯な体力だとこの構図を探したりカメラをセッティングするだけでも心が折れそうになります。もう、ビールでも飲んで寝ちゃおかという誘惑に駆られます。

なので、「撮影するための体力」をきちんと残しておく必要がありますし、そのためにも100のキャパガチガチになるまで荷物を積むこむのはあまりおすすめいたしません。

小さいは正義。体力ギリギリまで機材をつめこまない

まずは準備をおこたらない

燕岳 朝焼け

安全に下山するまでが山岳写真です。

まずはあなたが無事であること。そのついでにお山の美しい光景を少し残せたらラッキー。それくらいの心持ちで望んでほしいと強く思っています。

じゃあ、何が必要か?体力、知識、経験は絶対の前提条件

そりゃあ、分かります。山の美しい紅葉だとか、稜線から見下ろす雲海だとか、まばゆいばかりの星空だとか。あなたが撮りたい素晴らしい光景は確かにそこにあります

しかし、だからといって山は逃げたりしません。まずは安全に下山できるくらいの優しい山から少しづつ挑戦し、体力と知識と経験をひとつひとつ増やしていきましょう。

一足飛びできつい山行に挑戦したけどなんとかなった!撮れた!なんて人もいるかもしれませんが、たまたま幸運が重なっていただけかもしれません。ひとつ間違ったら何が起こるかわからない。それが山なのです。

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基本装備はしっかりと

バルトロ 荷物

山に写真を撮りにいきたいからカメラを持っていく、というのは当たり前に聞こえますが実は大変なことです。

100あるキャパの中でもっとも最優先すべきは高性能なカメラやレンズではなく、山に登るべき基本法装備です。

水、非常食、レインウェア、防寒具などなど。

何をどれくらい持っていくべきが分からない、という方はまだ知識と経験が足りません。まずは一旦、カメラを置いておいて知識を増やし、比較的安全な山で経験値をつんでみましょう。一度登るといろんな経験が得られます。慢心は禁物ですが、百聞に一見にしかず。安全に登ることで得られるものは多いはずです。

そして、知識、体力、経験を増やしていきながら100のキャパが少し余裕ができそうかな?と思った時にあらためてカメラなどの機材を増やしていけばいいのです。大丈夫、山は逃げません。じっくりいきましょう。

どんな機材を選ぶべきか

カメラ機材

基本装備も整った。何度か登ってみて知識や経験、体力も増えてきた。となればいよいよカメラ機材。 実際山に持って登るときどんなものがいるでしょうか?あくまで参考までに僕の機材選びについて書いてみます。

カメラ

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

最近、山でも使い始めたのがZ7。Nikonのフルサイズミラーレスカメラです。

[blogcard url=”https://logcamera.com/z7review/″]

以前はD750を持っていっていたのですが、ミラーレスに変更してからは重量が減るため山行が格段に楽になりましたし、それにともなって撮影地についてからの体力も温存できるようになりました。防塵防滴ですし、故障やトラブルなども少ないのがありがたいです。

山ではしんどかったり体勢が不安定だったりします。それに伴ってどうしてもカメラの扱いも雑になることがあるんですが、多少雑に扱ってもNikonなら大丈夫という謎の信頼感があります。

軽くなったとは言ってもやはりフルサイズ。レンズなども含めればそれなりの重量になります。体力に不安があるならapscやマイクロフォーサーズなど小さいカメラも検討してみましょう。

レンズ

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S ボタン

レンズに関しては体力がある限り持っていきたいところですが、やはり厳選せざるをえません。

僕はわりと広角の写真が好きなので

標準ズームと広角ズームの2本で行くことが多いです。

星などにも対応できるよう24-70はf2.8をチョイスしています。望遠側もほしい時がありますが、僕の体力だと確実にキャパオーバーなのでZ7の高画素機を活かしトリミングでなんとかしてることが多いです。

ガチガチに星が撮りたい!という人なら20mmあたりの単焦点と広角ズームを入れ替えてもいいかもしれませんね。

また、広角から望遠まで撮りたい!けどちょっと体力が不安、、なんて人は少しf値が暗いですが24-200mmのような高倍率ズームもいいかもしれません。撮影スタイルや体力によっていろんな組み合わせがあると思うので、いろいろ試してみましょう。

追記:NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを購入した

NIKONの24-120mmを購入しましたが、登山に持っていくレンズとしてかなりいい感じです。

それぞれレンズを入れ替えて

という構成で登ることが多くなりました。星を撮ることも考えてf2.8の広角と風景用で高倍率ズームの24-120mmという感じです。

これまでも望遠で撮りたいなというシチュエーションに何度か遭遇したんですが、24-70mmだとけっこうトリミングしないといけなかったんですよね。

かといって望遠レンズを入れるほどの体力はないので諦めていたんですが120mmまで使えるのでAPS-Cサイズにクロップしたら200mm近くまでいけるようになりました。

待望のf4通し5倍ズーム!NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを徹底レビュー!!

三脚

TFC-14mk2

お昼の明るい時間帯であれば最近は手持ちで撮ることが多いのですが、マジックアワーの撮影、星の撮影などなど、やはり三脚がなければ撮れない写真もあります。

三脚はデカくて重いほど安定感が増しますが、体力がガンガンに削られます。

僕は昔はジッツオの2型を持っていっていましたが、最近はRRSのTFC-14 Mk2に変更しました。非常に軽くコンパクトで使いやすいです。

[blogcard url=”https://logcamera.com/tfc-14mk2/″]

全伸は比較的短いのでアイレベルには届きませんが、山でアイレベルまで伸ばさないと撮れない、みたいなシチュエーションは今までほとんどなかったので軽くて取り扱いやすいTFC-14 Mk2を愛用しています。個人的には山用三脚の正解のひとつかなと思っています。

レリーズ

レリーズは三脚と併用するなら、やはり持っていっておきたいところですね。

星など撮られるかたはタイマーレリーズのほうが使いやすいかと思います。僕はロワのこちらを使っています。

[blogcard url=”https://logcamera.com/rowa/″]

フィルター

NiSi NDフィルター装着

フィルター類も悩ましいところ。とはいえ、広角用の角型フィルターなどはガラスでできているものが多く、それ1枚でもけっこうな重量になります。

山でフィルター使っている方も多々お見かけしますが、僕は最近はあきらめてハーフNDのかわりにブラケットなどで対応しています

歩きながら撮るか、着いてから撮るか?

大山 冬 登山 自撮り

持っていく機材を決めたら、それをどのように運ぶかという問題になってきます。そうなった時に考えなければいけないのが「歩きながら撮るか、着いてから撮るか?」という問題。

以前に記事にしてるのでこちらを参考にしてみてください。

[blogcard url=”https://logcamera.com/yamatoriaruki/″]

今回はかるくメリット・デメリットにだけ触れてみます。

歩きながら撮る

シャッターチャンスを逃すことがないですが、体力的にきつかったり安全面にリスクがあったりします。

着いてから撮る

撮影ポイントまでザックにしまっているので歩きながら撮るよりリスクは少ないですがシャッターチャンスを逃してしまうこともあるでしょう。

しかし、安全に下山するためには初心者の方にはこちらがオススメです。

山でカメラを持ち運ぶために今までやった試行錯誤の遍歴

唐松岳頂上山荘から望む剱岳

僕もまだまだ正解が見つかりませんが、これまでどのような装備をどのような理由で使ってきたかその遍歴をまとめてみます。

いろいろとやってきたので「あ、このやり方は自分に合うかも」みたいなのがあればぜひ真似してみてください。

apsc+フロントバック

一番最初に山にチャレンジしたときの装備です。 機材は

ザックはGREGORYのZ40。現在はZULU40にリニューアルされています。

はじめたばかりの時はapscサイズの一眼レフ機を使っていました。レンズもそこまで重くないので標準ズームと、余裕があれば単焦点レンズ。それらをmont-bellのライトフォトショルダーバッグに入れて体の前面で担いでました。

カメラが前面にあるので取り出しやすいのがよかったです。

フルサイズ機+カメラバック+コンデジ

その後フルサイズ機に移行。

合わせてザックはGREGORYのバルトロに変更しました。

[blogcard url=”https://logcamera.com/baltoro/″]

レンズは標準と広角のズームレンズ。三脚はジッツオの2型4段で登ってましたがまあめちゃくちゃ重い。apsc機時代と比べると雲泥の差があります。

カメラ、レンズも大きくなるのでmont-bellのフロントバッグには入らなくなりました。ただ、これ以上デカいフロントバッグが体の前面にあるのはかなり邪魔になりそう。

このへんからカメラは基本ザックの中に入れておくことにしました。Loweproのノバ170AWというバッグにカメラとレンズを入れ、それごとザックの中に。

記録用の写真も撮りたかったのでGRというコンデジを購入。グレゴリーのパデッドケースはハーネスのところにつけられる小さいポーチ。これにGRを入れておきいつでも撮影できるようにしておきました。

フルサイズ機+カメラバック+ピークデザイン

ある程度経験を積み、北アルプスのほうの山にも出かけるようになります。カメラやレンズはそのままですが、三脚をジッツオの2型からRRSのTFC-14 Mk2と入れ替え。

もともと山ではアイレベルまで伸ばすこと少なかったのでRRSは山にはちょうどよかったです。三脚もかなり悩みましたがましたが、こと山に限って言えば正解のひとつが見つかったかなと思ってますす。

ザックは変わらずバルトロ。ノバ170AWにカメラを入れてからザックの中に。

んで、やはり北アルプスなんかは歩いてるだけで楽しいし絶景なわけです。そうなってくると山行中にもサクサク写真を撮りたい。そう思って導入したのがピークデザインのキャプチャー

ハーネスにカメラを固定するタイプのものなので体のバランス崩れて疲れるかなと不安だったんですが、バルトロはしっかりしているのでそんなに影響なく登れました。

ブラブラすることもなくしっかりと固定されているので歩行の邪魔になることもありません。シャッターチャンスにカメラがすぐ取り出せるというのは精神衛生上、非常によろしいものです。

ミラーレス機+カメラバック+ピークデザイン

カメラをフルサイズからミラーレス機に一新しました。これが最新のラインナップ。

まあ、非常に楽になりました。機材を軽くして痛感するのは撮影ポイントにたどり着いた時の体力の残り具合がぜんぜん違うということ。今まで何回か疲れすぎてそれどころじゃないということもあったのですが、やはり軽いは正義ですね。

バッテリーなどミラーレス機ならではの不安もあるっちゃあるんですがそれ以上にメリットのほうが大きすぎるので今はとても満足しています。

相変わらずLoweproのノバ170AWとピークデザインのキャプチャーを併用しており基本ハーネスにつけておきながらも歩きにくい場所などはザックにしまい込んでいます。ザックもバルトロを愛用中。

まとめ

撮影のスタイルはひとりひとり違うので、これ!といった正解は出しにくいのですがまずは無事に下山できることを念頭においてカメラの持ち運びかたを考えてみましょう。

僕もまだまだ試行錯誤の途中ですが何かの参考になれば幸いです。