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太陽というのは非常にエネルギーのある存在です。ですので、写真を撮影する際も、太陽を構図の中に入れることで非常にエネルギッシュなオブジェクトとして存在感を放ちます。
太陽の写し方はいろいろとありますが、光条を描く太陽というのはもっとも魅力のある撮影方法のひとつ。
今日はそんな光条を描く太陽の構図への活かし方と、撮影するための方法を書いてみようと思います。
光条を描く太陽の構図への活かし方
光条とは
光条とはこのように太陽の光がトゲのように伸びていることを言います。前は光条も光芒もごっちゃになってた気がしますが、最近ではこのトゲトゲを光条
このように光が差し込んできているようなものを光芒と区別されてきた気がしますね。
太陽は非常に強いエネルギーを持つ
太陽は非常に強いエネルギーを持っています。人の生活は太陽を中心に回っているといっても過言ではないほど、そこからの影響というのは非常に大きなものです。
ですので、これが写真であっても太陽が構図の中にあることで大きな意味とエネルギーを持つことになります。この写真を見てもやはり強くエネルギーを持って目をひくものの一つが太陽であるといえます。
太陽それ自体がストーリーを持っているともいえるでしょう。
写真に奥行きを描くものは『ストーリー』ではないか?という話太陽を構図に入れることで非常に大きなエネルギーを持つオブジェクトとなる
光条に限らず、太陽というのは構図の中で非常に大きなエネルギーを持つオブジェクトとなりえます。写真を撮影する際にマジックアワーが好まれるのは、光がきれいだったり色がきれいだったりするのに加え、構図の中に太陽を配置しやすいというのもあります。
太陽を配置するだけで、見る人の視線はそちらへ向かってしまう。そういった大きなエネルギーをもつオブジェクトが太陽なんですね。
というわけで、構図の中で効果的に太陽を配置していきたいところです。
どんなものでもキレイに写る魔法の時間!マジックアワーを逃さず撮影しよう!!光条はベクトルをもった強いオブジェクト
光条はご覧のとおり、ウニウニとした形をしています。この形状というのは構図内で視線の誘導をさせるのに非常に都合のいい形をしているのです。
まず、太陽自体が非常に強いエネルギーを持つオブジェクトだということは何度も説明しましたね。なので、この構図の中ではおそらくまずは太陽のほうに目が行くかと思います。
そして、いったん太陽へと集められた視線はそこから発せられている光条の向かう先へと向かっていくかと思います。
この放射状のウニのトゲはそこから四方八方へと向かっていくベクトルを持っているのです。
上の写真ではセイタカアワダチソウの群生がありますね。
強いエネルギーを持つ太陽から発せられた光条はやはり強いベクトルを持っているので、視線を画面全体へと向けます。
しかし、周辺へと向けられたその視線は、その後また強いエネルギーを持つ太陽に吸い寄せられるように戻っていきます。ここで視線の循環が生まれることになります。
他の作例を見てみる
こちらは京都の紅葉の写真です。この写真なんかも光条を使った視線の誘導を意識して構図を作りました。
伸びやかな紅葉の木の幹がまず強烈なベクトルを持った存在になっており視線はまずそこに向かうのではないでしょうか。そこから向かう先には太陽があり、太陽からは光条が伸びているのでまた画面内に視線を押し戻します。川下りの船の舳先も太陽のほうへと向かうベクトルとなっているのでここで視線の循環が生まれています。
しかし、今回の構図では中央ではなく周辺に位置しているため1枚目と比べると多少そのビジュアルウエイトが弱いのがわかるのではないでしょうか?
また、光が強く少し白飛びしてしまっているぶん、光条のトゲが見えにくくなっているのでそこから視線が画面外へと逃げ出してしまうポイントにもなってしまっています。
光条を出す方法
光条が構図の中でどんなふうに活躍してくれるかお分かりいただけたでしょうか?それではここからは実際に光条を出すための方法についてふれていきましょう。
絞りを目一杯しぼる
レンズによってどれだけ絞れるかは変わってくるのですが、光条をだすためにはなるべくいっぱい絞ってやるといいです。こちらは「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」で撮影した太陽です。
f11に比べると、最小絞りであるf22のほうが光条がシャープに出ているのがわかるでしょうか?(f11のほうは少しモヤッとしている)
レンズは絞りすぎると解像感が低下してしまう回折現象が起きてしまいまうのでこのへんはお好みにはなりますが、それでもf16以上で撮ってやるとシャキッとした光条が出てくるので僕は好きです。
回折現象についてはこちらでも少し触れています。
絞り広角レンズを使う
標準レンズでも出ないことはないですが、広角レンズのほうがシャープで印象的な光条を出しやすいです。しかし、広角すぎると今度は肝心の太陽が小さく写ってしまうのでいい塩梅のところで撮影しましょう。
逆光に強いレンズを使う
逆光で強い光源を入れると、どうしてもゴーストが出てしまいます。こちらはFマウントの広角レンズ「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」で撮影しましたが、ちらほらとゴーストが出ているのがわかります。
意図的にゴーストを入れるのも表現方法のひとつではありますが、あまりにも盛大に出られるとちょっと困ってしまいます。もちろん、フレアが発生してコントラストが弱くなってしまうこともあります。
ゴースト・フレアに関してはこちらを参考にしてみてください。
フレアとは?ゴーストってなに?発生する原因と対策方!最近のZマウントの広角レンズはズーム、広角共に逆光性能が非常に高くなっているので光条を出した作品を撮影したいときには非常におすすめです。
特にNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sなんかはかなり逆光性能に優れています。
日中のほうが光条が広がりやすい
光が強ければ強いほど光条のトゲが広がりやすいです。ですのでマジックアワーの時間帯よりも日中のほうがシャキッとした太陽が撮りやすいでしょう。
マジックアワーでも光条は撮れるのは撮れるのですが、サイズはちょっと控えめになりますね。(焦点距離でもサイズが変わりますが)それでも印象的なオブジェクトのひとつとして構図内に配置できるので、狙えるなら光条を狙ったほうが個人的には好みです。
なにかの隙間から太陽を狙う
光条というのは光の回折現象によって発生します。入ってきた光が絞り羽根という障害物に回り込んでしまうことで発生するので、絞りを絞ったときに光条ができるのです。え?よくわからない?僕もわかりませんよ、こんなもん。
写真の勉強をしているとき、難しい言葉が出てきたら適宜すっとばす。これは一番大事なことなので覚えておきましょう。
とりあえず、ここで理解したいのは「なにか障害物があると光条ができる」ということ。例えば試しに太陽を薄目でまぶしくない程度に見てみましょう。光条っぽい感じになるのがわかると思います。これはまつ毛が光の障害物となって光条となります。
絞りを絞ると、絞り羽根が光の障害物となるので光条ができるわけですね。
というわけで、木の葉や枝などの隙間から太陽を狙うとそれらが光の障害物となるので光条にすることができます。
光条を狙うときの注意点
太陽を直視しない
特に一眼レフを使っている方はファインダーで直接太陽を見ないようにしましょう。レンズで収束された光は目にとって悪影響を及ぼします。
センサーが焼けないように気をつける
ミラーレスだからといっても油断しないようにしましょう。レンズで収束された光はとても強いので場合によってはセンサーを焼いてしまうことがあります。用法用量を守って逆光撮影しましょう…。
主張が強すぎる
太陽というのは非常にエネルギーの強いオブジェクトですので、ビジュアルウエイトをしっかり考えて構図を作らないと全部そこに視線をもっていかれるということにもなります。
画面の中央というのも視線を集めやすい場所なのでそこに太陽を配置するとギャンギャンに視線を独り占めしてしまって主題がぼやけてしまうことも。
そのエネルギーの強さを理解しながら構図を作ってみましょう。
構図の中の重さとは?ビジュアルウエイトを考えてみる!まとめ
光条がひとつあるだけで、構図のなかで非常に印象的に仕上げることができます。いろんな時間帯や角度、構図内での配置などなどいろんなパターンを試してみてくださいね。