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via:NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct – 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
全世界77億人のNIKONファンのみなさんこんにちは。
2019年10月12日は我々ニコンマニヤにとって延々と語り継がれるであろう1日となりましたね。
そう、あの伝説の銘玉「Noct」の名を再び冠し、現代に復活を遂げたNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctの受注開始日でした。
そして私saizou。受注開始から遅れること2日の10月14日。悩みぬきましたが、このNIKONの技術の粋を尽くしたレンズを予約することにしました。
NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctとは
AI Noct Nikkor 58mm f1.2
nocturne(夜想曲)からその名をとったと言われるAI Noct Nikkor 58mm f1.2。
開放絞りでの夜間撮影を目的に作られたそのレンズは開放f1.2という大口径レンズ。開放絞りというのは点光源が鳥が羽を広げたようになる現象「サジタルコマフレア」が出やすいのですが、それを徹底的に抑えるよう作られたということも有名な話です。
1997年に販売を終了し、その後他のレンズに設計思想を受け継ぎながらも、一度その幕を下ろすことになります。
Zマウントでよみがえる「Noct」
via:NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct – 製品特長 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
その名を再び我々が耳にするには実に20年の歳月を必要としました。
NIKONは過去連綿と続いてきたFマウントに加え、ミラーレス用の新規格であるマウント「Zマウント」を発表。これにより今まで狭いレンズ径、長いフランジバックで制限されていたレンズ設計の制約がとりはらわれました。
そして、2018年8月23日。
新しいZマウントのフラッグシップレンズとなるべくしてNoctの名前はよみがえります。
『NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct』
それが、21世紀に再びよみがえった新しいNoctにつけられた名前。
銘玉「AI Noct Nikkor 58mm f1.2」の設計思想を受け継ぎながらも、Zマウントいう新たな未来に挑戦するためNIKONの技術を結集し、究極の光学性能を追求したレンズです。
NIKONが追い求めた究極の光学性能
via:NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct – 製品特長 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
f0.95。
NIKON史上、もっとも明るいレンズとなりました。明るいレンズというのは様々なメリットがある反面、サジタルコマフレアのようないろんな収差に悩まされるということも知られています。
ただ明るいだけではない。
そう、このあらたなNoctにはレンズに発生するあらゆる収差を抑えるべく、NIKONがこれまで培ってきた技術が存分の注ぎ込まれているのです。
レンズ構成は10郡17枚。EDレンズ4枚、非球面レンズ3枚と高い性能に応えるべくハイスペックなレンズがふんだんに使われています。さらにはナノクリスタルコート、アルネオコートとレンズコーティングもしっかりとほどこされています。
もちろん、これらのハイスペックなレンズやコーティングを施すことで価格が高くなってしまうというデメリットもあります。しかし、NIKONのフラッグシップであるこのレンズ。値段のことなんていうのは野暮というものです。
そんな気になる価格ですが
via:NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct – 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
(つд⊂)ゴシゴシ
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
1,265,000えん! ! !
買えるかーーーー! ! ! !
( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
まじで頭おかしいでしょ。126万円とか、どういう値付けしてんねん。レンズ何本買えると思ってんねん。消費税でカメラ買えるやないか。
via:トランクケース CT-101 – 概要 | アクセサリー | ニコンイメージング
んでもってこの箱が119000円とかどういうことやねん。冗談も休み休みにしときなさいよ。箱やんけ!担当者、ノリで値段つけただろ!
これ二重の構造になって下に小判でも入ってんのか!越後屋そちも悪よのうってやかましいわ!!!
まじで126万のレンズだしてきた
噂レベルでちらほらしていたのですが、まさかマジで出してくるとは思いませんでしたね。カールツァイスのOtusシリーズでさえ30~50万くらいなので、いくらNIKONの技術の粋を結集したといってもそれにちょっと毛が生えたくらいだろうと安直に考えておりました。
Noctの開発が発表されてから、これは絶対に買うしかない。そう思っていたのですがなんぼなんでも100万超えは予算オーバーです。買えるかこんな高いもん。
ポチった#Noct58mm pic.twitter.com/qCSm0oLdLo
— saizou (@saizou4) October 14, 2019
そう、ポチったんです。ポチッとね。
えー。みたいな。自分でもえー。みたいな気分ですおそろしい。
猛烈な吐き気をもよおし、手汗や脇汗がすごいことになり動機、息切れ、めまいがしました。ちょっとだれか求心もってきて…
Noctを買った理由
このNoctが出てリアクションされているほとんどの皆さまと同じ感想も僕もいだいております。なんぼなんでも高すぎる、税金でレンズ買える、下手したら車買える、f0.95なんてピントが薄すぎる、AFがない、重い、、、、
風景写真がメインでほとんど広角レンズでばかり撮影している僕に果たしてこれが必要なのか?というのを12日の発表から予約した14日までの2日間、延々と考えていたわけです。
Noctを買った理由なんて小見出しをつけていますが、ぶっちゃけ未だになんでこんな高いレンズを買ったのかはよくわかっておりませんがそれでもいくつか理由があるんで書いてみましょう。
そのレンズでしか見えない世界がやっぱり、ある
Zマウントには50mmf1.8Sという素晴らしいレンズもすでに発表すみです。明るいレンズなら50mmであればf1.4あたりのものもたくさんあります。
しかしね、やはりそのレンズでしか見えない世界があるわけです。
他のレンズで十分、なんてセリフは使ってみないと言えないんですよね。
僕はカールツァイスのApo-Sonnar T* 2/135 ZF.2というレンズを持っています。これもまあ使いにくいレンズの代表的なやつでほとんど使用機会がないのですが。
それでも僕は今所有しているレンズの中ではこのレンズが最も好きです。なぜなら、このレンズこの画角にしか描けない世界があるから。使いやすいとかではなく、唯一無二の写りをするというだけで所有し続けるに足るものとなります。
f0.95という明るさ、収差を取り除きまくった設計。果たしてどんな描写をするのか?そしてそのレンズから入った光は、こちらも素晴らしいカメラであるZ7に焼き付けられます。
今までできなかった、見えなかったあらたな表現がきっとできるはずです。
例えば開放で風景を撮る
Noctの作例サンプルには風景をf1.4で撮影しているものがあります。最初は「この人、なんで開放で風景なんて撮ってるんだ?」と思いました。あなたも思いますよね?
それこそが我々がすでに既成概念に囚われていることにほかなりません。
そう。開放で撮れるんです、風景を。
既存のレンズであれば開放で撮影するとどうしたって描写がゆるくなってしまいました。だから我々はf8くらいまで絞りを絞るわけです。
しかし、絞り開放から高い解像力があるということは、開放で風景撮ったっていいわけです。それが果たして作品作りにどのように影響してくるのか?そんなもん、このレンズを持っている人にしか分からんのですよ。
Zマウントはf0.95を実現するために設計されている
北岡氏によれば、そもそも新しいZマウントシステムは「F0.95を実現するためのもの」だといいます。大口径マウントとショートフランジバックは、この開放F値F0.95から逆算して設計されました。それもあって、NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctは技術の粋をつぎ込みつつ、光学設計には無理なく素直に設計できたそうです。
via:ニコンが「58mm f/0.95 Noct」を投入する理由 キーマンに聞く | マイナビニュース
マイナビニュースがNIKONの北岡氏にインタビューした記事をみて頭をガツンとぶん殴られたような気持ちになりました。
なるほどそうか。今僕が使っているZ7というカメラの性能は、もしかしたら100%の性能を発揮できていないのではないか。この小さな箱にはもっとたくさんの可能性を実現できるという希望がつまっているのではないか。
長い間続いてきたFマウント。その歴史を一度切り捨てるくらいの決断であるZマウントへの移行。もしかしたらユーザーだって離れてしまう懸念もあったかもしれません。
それでも新しい時代のために大きく舵を切ったNIKON。そしてその器であるZシリーズ。
すでに1年以上Z7とZレンズを使ってきましたが、その決断が間違ってなかったと実感を伴って言える、そう思っていたのですが。けどしかし、わかっていないのではないかと。
NIKONに携わる全ての人が狙っているのはもっと高いレベルなのではないか。そして、その一端に触れられることができるのがこのNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctではないか。そう思うわけです。
このレンズを通して初めて、NIKONが伝えたかった思いとかに触れられるのではないかとそう思うわけです。
NIKON愛なんてない
僕は、ほんと普通のそこらへんにいるただのアマチュアカメラマンです。
よくNIKON愛がある言われることがあるですが、NIKON愛なんてありません。だから、このやたら高額なレンズを買うことに対して、NIKONへの忠誠心だとか愛だとか、そういったものなんてのはありません。
ただ求めているのはカメラ、レンズという道具としての素晴らしさ。それだけです。
あるとすれば写真という奥の深い文化に対する愛。そして、そこで物語を綴るために僕に必要なものがNIKONのカメラとレンズだった。ただそれだけです。
NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctというレンズがどのような新しい物語を綴ってくれるのか。それが楽しみです。
まとめ
ということでいかがだったでしょうか。やたらと高い買い物をしたという罪悪感を少しでも軽くするためにもっともらしいことを言うという試みでした。
ただ、間違いなく素晴らしいレンズに仕上がっているのは間違いないので、手元に届く日が非常に楽しみです。