本が出ました!「美しい風景写真のマイルール」

【Nikon】Z7Ⅱ・Z6Ⅱ・Z5を購入するまえにちょっと考えたいこと【フルサイズ】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

Nikon大好きsaizouです、こんにちは。

僕自身、Nikonが大好きで10年以上Nikonのフルサイズカメラを使い続けてきました。

しかし、最近のラインナップや技術の進化を見ていると、このカメラを買う前にちょっと考えたほうがいいんじゃないかと思うモデルかいくつかあるのです。

それはどのカメラか?

僕が今、購入する前にちょっと考えたほうがいいと思っているカメラ、それがZ7II、Z6IIそしてZ5です。

いやね、いいカメラ。もちろんいいカメラです。しかし、先日発売されたZ50II。このZ50IIによって、ちょっと状況が変わってきたのです。

YouTubeもアップしました!いいねとチャンネル登録お願いします!

APS-Cによるフルサイズへの下剋上が始まった!

カメラにはレンズから入ってきた光を記録するセンサーという部品があります。この緑の部分がセンサーですね。

センサーは、カメラの心臓部ともいえる非常に重要な部品です。そして、このセンサーの大きさによって、Nikonでは2つの規格のカメラが存在します。それが『フルサイズ』『APS-C』

フルサイズのほうがAPS-Cより大きいセンサーの規格になります。

じゃあ、このセンサーが大きいとどうなるかといいますと

  • 階調が豊かになる
  • ノイズが少なくなる
  • 明暗差に強くなる

といったメリットが生まれます。簡単にいうとよりきれいな写真が撮れるようになる、ということですね。

一方で

  • カメラ自体が大きくなる
  • 価格が高くなる

といったデメリットもあります。

そして、Z7II、Z6II、Z5がフルサイズ、Z50IIというのはAPS-Cのカメラ。

つまり、フルサイズであるこれらのカメラのほうがきれいな写真が撮れるのです。というわけで、カメラにはセンサーサイズによって明確なヒエラルキーが存在するんですね。

しかし、このヒエラルキーをぶっ壊したのがZ50IIなんですよ。

カメラはデジタル機器なので後発のモデルのほうが、格上のモデルよりも性能がよくなるという下剋上がけっこうあるんですが、これまでの、少なくともNikon機ではフルサイズのほうが明らかに格上でした。

しかし、Z50IIはその常識を覆したのです。

ある1点において、このZ50IIはZ7II、Z6II、Z5をはるかに上回りました。それがオートフォーカス性能

Z50IIは最新のアルゴリズムを搭載し、動体追尾性能や被写体認識能力が格段に向上しています。実際、このオートフォーカス性能はNikonのフラッグシップモデルであるZ9に匹敵していると実感しています。

これにより、動きの速い被写体を撮影するようなスポーツや野生動物、さらには日常のスナップ写真においても、Z50IIは驚くべきパフォーマンスを発揮します。

そう、APS-Cによるフルサイズへの下剋上が起こったというわけなのです。

残念ながらZ7II、Z6II、Z5の動体性能はいいとは言い難い

もちろん、フルサイズにはAPS-Cにはない画質の良さや、ダイナミックレンジの広さをもっています。ノイズ耐性もあるので、早いシャッタースピードを求められる動体撮影でもISO感度を思い切って上げることだってできます。

それなりのフォーカス性能をしていれば、そこはやはりフルサイズ。なんぼZ50IIのフォーカス性能がいいとはいっても、今回動画にしてまでこれらのカメラを買うなとはいいません。

しかし、残念ながらこれらのフルサイズはお世辞にも動体性能がいいとは言い難いんですね。

もちろん、普通に撮影してフォーカシングする分には問題ないんですが、野鳥やスポーツ、動物などの動きの早いものを追うにはちょっと物足りない。

フルサイズで画質がいいとはいっても、そもそもピントが合ってなければお話になりません。

一方でZ50IIはほんと何にも考えず、被写体に向けてシャッターを切るだけであたりまえのようにピントの合った写真を撮ることができます。

被写体認識も素晴らしく、小さい鳥の瞳にもしっかりフォーカシングしてくれます。

動体撮影をメインで考えているならフルサイズよりZ50II

via:Z50II – 概要 | ミラーレスカメラ | ニコンイメージング

というわけで動体撮影をメインにしている方にとっては、フルサイズ機だからといって安直にこれらのカメラを買うよりもZ50IIを検討してみたほうがいいと思うのです。

もちろん、もうちょっとISO上げたいなと思う場面も無いわけではないのですが、最近ではLightroomのノイズ除去もかなり優秀なので、思い切ってあげちゃっても大丈夫だったりもします。

それよりも動体撮影での数少ないシャッターチャンスをしっかりものにできるというほうがはるかにメリットが大きいんですよ。

コスパも半端ない

このZ50II、コストパフォーマンスも非常に優れています。

価格は日々変わるので正確な数字はAmazonリンクを貼っておくのでそちらを確認してほしいのですが、今日現在

Z7II・・・39万円

Z6II・・・26万円

Z5・・・14万7千円

Z50II・・・14万5千円..

といった具合になっています。

70万もするフラッグシップモデル、Z9と同じオートフォーカス性能を持っている最新機種にもかかわらず、この中ではダントツに安くなっています。

もちろん、センサーサイズの違いはあり、一概に比べられるものではないのはわかっているのですが、この価格は本当にコスパがいいのです。

実際、一眼レフ時代の動体に特化したAPS-CモデルにD500があります。これは立ち位置的にZ50IIとよく似ているのですが、このD500の初値が23万円でした

僕は長年、Nikonのカメラを買い続けてきているんですけども、このZ50IIも20万くらいしててもおかしくない性能がてんこもりになっているモデルです。それが14万5千円とかほんとどうかしてると思うんですよね。

現行のフルサイズモデルでZ50IIと同じオートフォーカス性能をしているモデルは

  • Z9
  • Z8
  • Z6III
  • Zf

Zf以外は軒並み40万円近くとなっていますし、Zfのクラシカルなデザインでは動物や鳥などを狙うために望遠レンズをつけて振り回す、というのはちょっと現実的ではありません。

いかにZ50IIの性能とコスパがいいかおわかりいただけるでしょうか。

すでに4年も前のモデルになっている

そして、これらのフルサイズ機の発売日なんですがこのようになっています。

  • Nikon Z6 II:2020年11月6日
  • Nikon Z7 II:2020年12月11日
  • Nikon Z5:2020年8月28日

いずれも発売から4年以上が経過しています。Z6IIは後継機であるZ6IIIが出ており、こちらのモデルはZ9譲りのオートフォーカス性能と連写性能をしており、非常にいいカメラになっています。まあ、40万くらいしてるんですけどね…。

Nikonのフルサイズカメラの開発サイクルは一般的には約2〜4年くらいとなっており、Z7IIやZ5もそろそろ後継機が出てきてもおかしくない時期にもなっています。

おかしくない時期、にも関わらず、Z7IIやZ5の後継機の話は、噂話レベルでも出てきていない現状というのもあります。

Z7IIは高画素機という立ち位置ながら、Z8が実質Z7IIIのような性能で出てしまっていたり、またZ5のポジションにはデザイン性が高いZfが登場したりしています。

また、Z6IIIが登場したことで、Nikonのミドルレンジフルサイズは新世代に移行しました。しかし、Z6IIIは先代よりも高性能になり、実質的にZ7IIの立ち位置に近づいている部分があります。

このため、「Z7IIIをどう差別化するか?」という課題が生じている可能性が高いです。単純に高画素化するだけではZ8との差別化が難しくなるため、戦略を再考しているのかもしれません。

どちらにせよ、Z7II、Z6II、Z5の3機種はいまや完全に旧世代のミラーレスフルサイズモデルとなってしまっています。

ラインナップ的に、その場所を埋めるものが登場していないだけでZ7II、Z6II、Z5が今後も長く続くモデルではないというのは理解しておいたほうがいいわけです。

動体撮影をしないならフルサイズを選ぶのもあり

もちろん、動体撮影をしない、風景撮影などをメインに考えているのであれば、Z7II、Z6II、Z5というのは充分選択肢に入ってきます。特に、静止画メインの撮影ではフルサイズセンサーの恩恵を最大限に受けることができます。

例えば、Z7IIは4,570万画素という超高解像度を誇り、細部しっかり描写することができるカメラ。高画素センサーはレンズの解像力を最大限に引き出し、大きくプリントする用途にも適しています。正直、Z50IIの2000万画素では等倍でカリカリというわけにはいきません。

また、Z6IIはオールラウンドな性能を持ち、ダイナミックレンジの広さや高感度性能のバランスが取れています。低照度環境でもノイズを抑えた撮影ができるので、夜景などさまざまなシーンで活躍します。実際、ここのポジションのカメラって現在Z6IIしかなく、Z6IIIが出た今でも併売されているというのはしっかりとした存在価値があるといえるわけです。

Z5は非常にコストパフォーマンスに優れたモデルです。なんだかんだでフルサイズセンサーは画質がよくダイナミックレンジやノイズ耐性はAPS-Cよりはるかに優れます。それがAPS-Cと同じ価格で買えてしまう。ボケの大きさなんかもフルサイズの魅力です。

まとめ

最後におさらいしながらまとめていきたいと思います。

Z7II、Z6II、Z5は素晴らしいカメラですが、2025年現在では最新技術を搭載したモデルと比較すると見劣りする部分があるのも事実です。特にオートフォーカス性能においては、Z50IIがZ9並になっており、動体撮影を重視する場合はZ50IIのほうが適しているかもしれないということ。

同じオートフォーカス性能のカメラをフルサイズで買おうと思うと40万とかなりの価格差がある。

しかし、動体撮影をしない場合や、静止画の画質を最優先に考えるのであれば、Z7II、Z6II、Z5はまだまだ魅力的な選択肢である。

また、Z7II、Z5はそろそろ後継機が出るのか、または別の形でNikonのフルサイズのラインナップが再編されるのか、動向を注目したいところ。

ということで、動体撮影を目的でこれからカメラを買おうと思っている人はZ7II、Z6II、Z5を購入するのはちょっとまってもらって、最新でコスパのいいZ50IIか、高価なハイレンジのモデルであるZ6II以上のカメラを買ったほうがいいですよ、というお話でした。

素敵なカメラと出会えることを願っています!