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ホタルにはいろいろと種類がいます。
なかでも僕が一番好きなのはヒメボタルの光。真っ暗な森の中に黄金色の光がまたたくその様子は、まるで異世界にでも迷いこんでしまったような気さえしてきます。
その微かな息遣いを写真に収めるのは、非常に難しいのですが今日はその撮り方を書いてみたいと思います。
基本的な撮り方はゲンジボタルとそんなに変わりません。以前、ゲンジボタルの撮り方も書いていますのでぜひ一読していただければと思います。
[blogcard url=”https://logcamera.com/genji-satuei/″]
どこでどんな時期に見れるのか
ゲンジボタルの発生時期がだいたい5月中旬〜7月中旬くらいなんですが、およそヒメボタルも同じような時期に現れます。発生する時間も7時〜9時がピークだったり、場所によってはもう少し遅い時間であったりとマチマチなようです。
ホタルといえば清流の側をイメージしますが、ヒメボタルに限って言えば森の奥のほんと真っ暗な場所で見ることができます。
ヒメボタルの撮影のいちばん難しいのは実際にヒメボタルに出会うことだったりします。
ヒメボタルを守るために細心の注意を
ゲンジボタルの記事でも書いたのですが、ほんとにマナーに気をつけていただきたいと思います。
ヒメボタルはゲンジボタルよりも光が弱いのです。ということは、ゲンジボタル以上に光がキライです。撮影中、車が通ることもありますが、その一瞬のヘッドライトでしばらく光ることをやめてしまうくらい、ほんとにデリケートな生き物です。
某ヒメボタルの有名な場所の注意事項なんですが
- 人工光、懐中電灯、カメラのストロボ、携帯電話等はもちこまない
- 虫除けスプレー、蚊取り線香は使用しない
- 大声や音をたてない
- ホタルを捕らない
- 生息地に立ち入らない
このようになっています。
さらに
カメラマンへのお知らせ
土曜、日曜日のホタルの写真撮影は禁止しています
この場所ではカメラマンも例外無くいっさいの明かりを禁止しています。
どんな小さな明かりも点けないでください。アクセスランプの明かりもだめです。
撮影が終わったからといって明かりを付けるカメラマンがいます。勘違いしないでください。
明かりを点けてはいけないのはホタル達の保護のためです。カメラマンの保護ではありません。
再三注意されてもモニターなどを点けるカメラマンがいます。即刻帰ってもらっています。
またそのようなカメラマンは二度と来ないでください。
カメラマンの撮影機材よりホタルの方が大切です。暗闇の中で撮影機材等を落としてもいっさいの明かりの点灯を認められてていません。次の朝明るくなってから探してください。
発生地の駐車場、近くの道路などで車中泊する事は止めてください。地元の方に迷惑です。
ここはカメラマンのための場所ではありません。
ホタルを観にきた人たちも、気持ちよく観れるように注意をはらって撮影してください。
トラブルが起きたとき、閉め出されるのは、カメラマンです。そうならないためにもご協力をお願いします。
こういった注意書きもあります。
かなり厳しく書かれていると思われるかもしれませんが、実際それくらいデリケートな生き物だということを理解しておいて欲しいです。
これを見てちょっとめんどうだなと思われたらヒメボタルの撮影は控えたほうがいいかなと僕も思います。この時期他にも撮れるものはたくさんありますからね。
ヒメボタルの撮影方法
とはいえヒメボタルを観賞するマナーをきちんと守り、住みやすい場所を維持できれば、彼らは毎年その短い命をリレーすることができ、黄金色の命の輝きを僕たちに見せてくれることでしょう。
幸運にもその輝きの前に立つことができた時、そのシャッターチャンスを不意にしなくていいよう、撮影方法を書いておきたいと思います。
基本的な流れはゲンジボタルと変わりません。
必ず必要なもの
- ISO・シャッタースピード・絞りが設定できるカメラ
- 明るいレンズ
- 三脚
- レリーズ
- ライト
- 長袖・長ズボン
- 比較明合成ソフト
ひとつずつの解説はゲンジボタルの撮り方の項で触れているのでそちらをご参考に。
この中で注意したいのが「カメラ」と「明るいレンズ」です。
カメラ
最初にも書いたように、ヒメボタルの光は非常に淡いものです。僕が撮影する時は最低でISO感度1600くらいまで上げています。ISO1600と言ったらカメラによってはノイズが気になるレベルだと思います。
このへんはカメラの性能による部分が大きいので一概にはいえませんが、それでも一眼レフカメラのAPS-C機やフルサイズ機などのようにセンサーサイズの大きい機種を選ぶほうが安心です。
明るいレンズ
F値の小さい明るいレンズであればISO感度をそこまで上げる必要がありません。ノイズ対策にもなります。
そして、もうひとつ、明るいレンズを選びたい理由がホタルの光跡です。
ヒメボタルはゲンジボタルよりも速い間隔で点滅するため、宝石のような光跡を写真に描くことができます。この光跡、あまりF値を大きくしてしまうとキレイな丸になってくれません。
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの18mm、f/3.5で撮ったのがこの写真ですが、ちょっと光が伸びてしまっていますね。
こちらがAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gでとった写真。f/2.0です。光がキレイな丸になっているのがわかると思います。画角的にも使いやすいですし、35mmくらいの単焦点レンズを使うと失敗が少ないと思います。
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あったほうがいいもの
- 傘・雨具
- パーマセルテープ/マスキングテープ
- ぬかるんでても大丈夫な靴
- カメラにかけられる布やタオル
- 熊鈴
- 折りたたみのイス
- 時計
あったほうがいいものがコチラ。液晶やアクセスランプの光を漏らさないためにもパーマセルテープ、マスキングテープ、カメラを覆う布など必ず対策しておいてください。
撮影手順
撮影手順も基本的にはゲンジボタルと同じ。
- セッティング
- 背景の写真を撮影
- ホタルの長時間露光
- 比較明合成ソフトで合成
となります。
ゲンジボタルの時と違うのはカメラの露出の設定ですね。
f1.4〜f2.8くらいの時でISO1600〜2000 20秒
f2.8〜f3.5くらいの時でISO2000〜3200 20秒
僕はだいたいこんな設定で撮ります。RAWで撮って後でいくらか調整するので、jpg一発撮りされるなら保険のためにもう少し明るい感度にしてもいいかもしれません。
合成枚数
僕はギンギラギンにするのが好きなので、撮影したものはすべて合成します。光りだしてピークをすぎるまでの時間がだいたい1時間30分から2時間。
うまく撮影できればこんなふうに金の絨毯のようなヒメボタルを撮影することができます。
淡い感じが出したいかたは、合成枚数も少ないみたいです。
まとめ
僕の一番好きな被写体のうちのひとつがヒメボタルです。
この美しい輝きがいつまでも見られるよう、大切にしていきたいものですね。
いい写真撮れたらぜひ教えて下さいね(*´ω`*)