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レンズを選ぶときに出てくる「焦点距離」と「画角」という言葉。
焦点距離と画角の関係をきちんと理解しておくと、レンズ選びにも幅が広がってきます。ちょっと小難しいのですが、なるべくわかりやすく説明するので今日はその関係性について学んでみましょう。
焦点距離とは
焦点距離というのは「レンズの主点から焦点までの距離」のことをいいます。
以前、こちらの記事で詳しく説明しているので分からないかたはまずご覧になってみてください。
[blogcard url=”https://logcamera.com/shoutenkyoritoha/″]こんな長いの読むのめんどくさいというあなたのためにざっくり説明すると「レンズの中心からセンサーまでの距離」です。かなりざっくりなのでハショリまくっていますが、とりあえず今日はこんな認識でOKです。
レンズごとに焦点距離が決まっている
レンズの中心からセンサーまでの距離を焦点距離というので、その焦点距離はレンズによって違います。
例えば上の写真は「18-55mmのズームレンズ」
下の写真は「24mmの単焦点レンズ」です。
その数値はレンズごとに記載されています。
- 焦点距離はレンズの中心からセンサーまでの距離
- 焦点距離はレンズごとに決まっている
- 単焦点レンズは焦点距離がひとつ
- ズームレンズは複数の範囲の焦点距離がある(例:18−55mm)
焦点距離が短いと広く、長いと狭く写る
さて、この焦点距離が短かったり、長かったりするとどうなるのでしょう?
ここも難しいことを置いといて結論から「焦点距離が短いレンズだと広く」、「焦点距離が長いレンズだと狭く」写ります。
赤いラインが焦点距離が短いレンズで撮った時の写る範囲、緑のラインが焦点距離が長いレンズで撮った時の写る範囲。
焦点距離が短いレンズで撮った場合
焦点距離が短いレンズで撮った赤いラインの写真。
焦点距離が長いレンズで撮った場合
同じ場所から焦点距離が長いレンズで撮った場合の緑のラインの部分。撮れる範囲が狭いぶん、このように被写体を大きく切りとることができます。
遠くの被写体を大きく写せる望遠レンズと呼ばれるようなものは焦点距離が長いのです。反対に広い範囲を写せる広角レンズなどは焦点距離が短いのですね。
・焦点距離が短いレンズ=広く写る(広角レンズ)
・焦点距離長いレンズ=大きく写る(写る範囲が狭い)(望遠レンズ)
なんで焦点距離の長短で写る範囲が変わるのか?
こちらもかなりザックリとしたイメージ図ではありますが、焦点距離の長短で写る範囲が変わるのは、こんな感じになっています。もう少し詳しく説明するとかなり理系な感じになってくるのでまずはこんなイメージで覚えておきましょう。
焦点距離が短いと広く、長いと狭くなる雰囲気がつかめるでしょうか。
写る範囲のことを画角という
さて、さっきから写る範囲、と言っていますが、この写る範囲の角度の事を画角と呼びます。
ですので
- 焦点距離が短いレンズは画角が広い
- 焦点距離が長いレンズは画角が狭い
と言えるわけです。
焦点距離ごとの画角の違いを比べてみよう
では実際に、焦点距離が違うと、どれくらい画角が変わってくるのか見てみましょう。
この画角というやつは、センサーサイズによって変わってくるのでややこしいのですが、今回はエントリーモデルの一眼レフでよく使われるAPS-Cというサイズのカメラを使って撮影しています。
カッコ内は35mm換算した数値です。35mmについてはこちらを参照。
初心者がつまづきやすい35mm換算を徹底的にわかりやすく解説してみる!
全て同じ位置から、レンズを変えて撮影しました。
10mm(15mm)
10mmは超広角と言われるような焦点距離。画角もかなり広い範囲で写すことができます。
24mm(36mm)
24mmでもかなり広め。
50mm(75mm)
50mmになってくるとだいぶその範囲が狭くなってきます。また、遠くにあったダンボーの姿も見えてきます。
100mm(150mm)
100mmの焦点距離のレンズは望遠レンズに分類されますね。ダンボーがかなり大きくなってきました。また、写る範囲である画角もだいぶせまくなってきたのが分かるでしょうか。
200mm(300mm)
200mmになると、ダンボーをここまで大きく写すことができるようになります。
レンズの焦点距離が短いと広く、長いと遠くのものが大きく写すことができるのがわかりましたか?
画角と焦点距離の関係、もう少し理解してみる
さてさて。
こういった感じのことはけっこうネットとかでも書かれているのですが、ここで終わっちゃうと、焦点距離と画角の関係性についての理解がイマイチになってしまいます。
だって、広く写したければ後ろに下がればいいし、大きく写したければ近くによればいいと思いません?
ズームレンズならまだしも、世の中には単焦点レンズというズームのできないレンズがあります。
これらは24mmとか50mmとか200mmとかたくさんあるんですが、なんでわざわざいろんな種類のレンズを集めなければいけないんでしょうか?35mmと50mmの写る範囲なんてそんなに変わりません。ちょっと動けばいいじゃないですか?
それでもカメラが好きな人はそのそんなに写る範囲の変わらないレンズをたくさん集めるわけです。なんでだ?
焦点距離と画角をきちんと理解するには被写体と背景の関係も知っておこう
広く写したいから焦点距離の短いレンズ、狭く写したいから焦点距離の長いレンズだけではないんです。
焦点距離の違いをもう少し理解するにはメインの被写体と背景の関係にもぜひ注目してみましょう。
先ほどは同じ位置からレンズを変えて撮影した写真でしたが、今回はメインの被写体が同じような大きさで写るように撮影してみます。焦点距離が長いほうから見てみましょう。
APS-Cカメラで撮影しているので、カッコ内は35mm換算したフルサイズの焦点距離です。
200mm(300mm)
200mmの望遠レンズで撮影。焦点距離が長いので画角が狭いのがわかります。
そして、もう1個だいじなのが、ダンボーのすぐ後ろに草むらがあるように見えませんか?今から焦点距離の違うレンズで撮影しますが、変わっているのはカメラの位置でダンボーと背景の位置じたいは変わっていません。
また、背景がかなりボケているのがわかります。
100mm(150mm)
100mmになると、さっき真後ろに見えていた草むらと距離間が出てきました。
被写体を同じくらいの大きさにした時の背景の雰囲気がだいぶ変わってきているのがわかるでしょうか。
55mm(82mm)
55mmくらいになると、メインの被写体であるダンボーがどんなところにあるのか、背景との関係性がわかるようになってきました。また、後ろの草むらとも、思ったより距離があることに気づきますね。
200mmと比べるとボケの具合が小さくなってきたのがわかります。
24mm(36mm)
24mmになると背景がしっかりわかりますし、奥の草むらとの距離もだいぶ出てきました。
さらに、台になっている部分、手前が広く奥に向かって狭くなっているのもわかりますか?なんとなく遠近感があるような写真になってきました。
10mm(15mm)
ダンボーの背景の公園の様子が分かるくらい広く写っています。また、台座の角度もキツくなっているのがわかるでしょうか。左の草むらも55mm→24mm→10mmとなるにつれて傾きがきつくなってきてますね。背後の滑り台もかなり遠くに見えます。
背景のボケもほとんど無くなりました。
最後に、焦点距離が長いレンズから短いレンズで撮った写真をまとめてみます。焦点距離が違うとだいぶ写真の雰囲気が変わってきてるのがわかります。
- 焦点距離が違うと、撮れる絵も違ってくる
- 焦点距離が違うと被写体と背景の遠近感が変わってくる
- 焦点距離が違うと背景のボケ方も変わる
焦点距離を変えると被写体と背景の遠近感が変わってくる
焦点距離を選ぶ際、広く写すから短い焦点距離、狭く(大きく)写すから長い焦点距離だけではないというのを理解しておきましょう。
焦点距離を変えるだけで、メインの被写体と背景の関係性が変化したり、写真の奥行き感(遠近感)が変わってくるのです。一つの焦点距離しか撮影できない単焦点レンズがたくさん種類があるのは、焦点距離が違うだけでまったく違う雰囲気の写真をになってしまうからなんです。
圧縮効果
焦点距離が長いレンズで撮影すると、背景と被写体との距離がすごく近いように見えます。まるで圧縮されているような感じがしますね。ということで、これを圧縮効果といいます。
パースペクティブ(遠近感)
また、手前のものが大きく、奥に向かってどんどん小さくなるようなことをパースペクティブ(遠近感)がある、なんて言います。焦点距離が短くなるにつれて、このパースペクティブはきつくなっていきます。
焦点距離が長いほどボケやすく、短いほどボケにくい
カメラの位置を変えずに撮った場合、被写体の大きさを変えずに撮った場合どちらも焦点距離が長いほどボケが目立ってきたのがおわかりいただけたと思います。今回の撮影では絞りは全て固定しf16で撮っていますが、焦点距離の違いだけでボケ方がまったく変わっていました。
ボケた写真には焦点距離が長いもの、全体にピントを合わせたいときは焦点距離が長いものを選べばいいのがわかりますね。
最後に焦点距離ごとの特徴をまとめてみましょう。
焦点距離が短い
焦点距離が短いレンズになればなるほど、広い範囲を写すことができるようになります。(画角が広い)
また、画角が広くなるにしたがって画面全体に遠近感が出てくるようになります。ボケも焦点距離が短いほど目立たなくなります。
- 焦点距離が短いと画角が広くなる
- 画角が広いと遠近感(パースペクティブ)が出てくる
- ボケも少なくなってくる
- ピントが合う部分が多くなる
焦点距離が長い
焦点距離が長いレンズほど、遠くにあるものを大きく写せるようになる反面、撮影できる範囲は狭くなっていきます(画角が狭い)
また、遠近感がだんだん無くなり、背景との距離感が無いような写真を撮ることができるようになります。焦点距離が長くなるほど背景もボケやすくなります。
- 焦点距離が長いと画角が狭くなる
- 画角が狭いと遠いところのものも大きく写せる
- 画角が狭いと背景との距離感が近く、圧縮しているように見える(圧縮効果)
- 背景がボケやすくなる
- ピントが合う部分が少なくなる
各焦点距離ごとの特徴とその作例をまとめてみたのでこちらもご覧になってみてください。
レンズが違うとここまで変わる!焦点距離ごとの特徴を比較してみた!!
まとめ
レンズの焦点距離によって画角の広さ、被写体への近づき方、背景との距離間、遠近感、ボケなどなど、まったく変わってくるのが理解していただけたでしょうか?
たくさんある単焦点レンズはそれぞれ写り方に個性が出てきますし、ズームレンズを使っても被写体との距離、画角でまったく違った写真が撮れます。
この焦点距離だとこんな絵が撮れる!っていうのがわかってくるとまた写真が楽しくなりますしレンズ選びにも役立つはずです。