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レンズが違うとここまで変わる!焦点距離ごとの特徴を比較してみた!!

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レンズシステム

レンズというのは焦点距離が1mm変わるだけでもその印象はガラリと変化するものです。

今回は広角から望遠まで、いろんな焦点距離のレンズでどんな雰囲気の写真が撮れるのか、その焦点距離を使うときの特徴はどんなものかまとめてみました

新しいレンズが欲しいときのなにかの参考になれば嬉しいです(๑´ڡ`๑)

その前に

同じ焦点距離のレンズでもカメラが違うとその雰囲気が変わってきます。

カメラのセンサーの大きさによって画角が変化していくためです。ということで今回は35mmフルサイズのセンサーを基準にAPS-CをA、マイクロフォーサーズをMとして書いてみます。例えば50mmであれば「50mm(A:33mm M:25mm)」という感じで表記します。(35mm換算で小数点以下は切り捨ててます)

センサーが違うと画角が変わる理由はこちらを参考にしてみてください

初心者がつまづきやすい35mm換算を徹底的にわかりやすく解説してみる! – ログカメラ

超広角

15mm(A:10mm  M:7)

高台寺 竹林 ライトアップ

広角レンズの中でも15mmくらいのものを超広角レンズなんて呼んだりしますね。もっと広いものには14mmや11mmなんてものもあります。

広角レンズの最大の特徴はなんといってもそのパースペクティブ(遠近感)です。手前が大きく、奥にいくに連れて小さくなっていくので、写真に迫力を出すのにもピッタリです。

志多備神社のスダジイ

デカい木なんかを下から煽って撮るとなんだかどっかのボスキャラみたいになるのでおもしろいですね。

涸沢の天の川

また、非常に広い範囲を写すことができるので天の川を前景といれて撮影、なんてのも15mmならではです。

ただ、天の川も前景も入れると、どちらも小さくなってしまうので何を見せたいかは明確にしておきたいです。

足元に咲いているような花を前景に入れ、奥へと視線誘導させるような構図も、超広角レンズは作りやすいですね。

水槽を額縁構図で撮影

広角レンズになればなるほどブレが目立ちにくくなるので、暗い場所の撮影なんかにも便利ですね。

20mm(A:13mm M:10mm)

15mmとかだと広く撮れすぎて何撮ってるか分かんなくなるときもあります。そんな時に使いやすいのが20mmくらいの焦点距離。

メインの被写体をきちんと写しながらも、広角ならではのパースペクティブやパンフォーカスの魅力も存分に味わえますね。

立山の天の川

20mmは天の川の撮影するのにもちょうどいい画角です。天の川のいいとこをしっかり入れながらも、地上部も大きく切り取ることができます。

星景写真を撮影するときに必要なレンズの選び方
南禅寺 紅葉 ライトアップ

20mmくらいだとまだまだブレにも強いので三脚が使えないような京都の庭園の紅葉なども手持ちでいけます。

広角レンズ

24mm(A:16mm M:12mm)

夫婦滝 光芒

フルサイズカメラの標準ズームレンズの広角端は24mmスタートのものが多いです。広角ながら非常に使いやすい画角。

猫の写真

広角ならではのパース感もあるので被写体にガッツリ近づいて撮るのも楽しいです。

天の川

天の川全体はさすがに難しいですが、根本の部分のおいしいところまでは入るので星の撮影なんかもいけますね。

備中国分寺 ヒマワリ

全体にバチッとピントを合わせての撮影も広角ならでは。

28mm(A:18mm M:14mm)

清水寺 ライトアップ

APS-Cの一眼レフカメラのキットレンズの広角端に多いのがこの画角。APS-Cだと18mmになりますね。28mmの画角というのは肉眼の視野にもっとも近いと言われています。

夏の立山

視界いっぱいの被写体を撮りたい時にはこれくらい画角が広いものがあったほうが安心です。

広角ながらも、小さく写りすぎないのでしっかりと主題を明確にできます。

エスカレーター

もっと短い焦点距離のものと少しパース感は薄れますが、それでも撮り方しだいで遠近感の表現が可能。

RICOH GRやFUJIのX70など単焦点の高級コンデジによく採用されている画角でもあります。

35mm(A:23mm M:17mm)

神磯の鳥居

視界全体よりもちょっとせまい、ぼーっとしているような時のものの見え方に近いのがこの35mm。

塩浜エリア 工場夜景

広角と標準レンズの中間くらいな、この焦点距離。パースもだんだんおとなしくなります。

パースも付きすぎないので風景を構図に入れる場合、非常にいいバランスで収まってくれます。

ヒメボタル 森

けっこう手軽な値段で買える単焦点レンズも多いので、ホタルなどの明るいレンズが必要な場合にもおすすめです。

標準レンズ

50mm(A:33mm M:25mm)

太皷谷稲成神社 雪

みんな大好き50mm。何かを見ているときの物の見え方に近いのではないでしょうか。

丸ボケもきれいなものが多く、明るい単焦点もたくさんあるのでホタルの撮影をするにはちょうどいい画角です。

ヒメボタルの撮り方
士林夜市への道

見ている感じがそのまま切り取れるので、この画角でスナップを撮るのが好きです。

コスモス

50mmは非常に使いやすい画角なうえ、各メーカー低価格の単焦点レンズを出しています。明るいレンズなのでしっかりとボカすこともできますね。

ポートレート

人物の撮影などにも、適度な距離感がとれ使いやすい画角

APS-C機で使う場合は35mmの単焦点などがこの画角に近く使いやすいです。

60mm(A:40mm M:30mm)

シイノトモシビタケ

マクロレンズで多いのがこの焦点距離。テーブルフォトや近くにあるものに寄って撮りたい時に扱いやすい距離間です。

ウユニ塩湖 鏡張り

もちろんマクロ以外にもぜんぜん使えます。パースがなくすっきりとした雰囲気の写真になります。

宍道湖の夕景

漠然と全体を写すのではなく、何を撮りたいかしっかりと決まっている構図が作りやすいですね。

中望遠

85mm(A:56mm M:42mm)

紫陽花とヒメボタル

85mmは「何かをしっかりと見つめている」雰囲気の写真が撮れる画角。自分がこれが撮りたいんだ!っていうものを撮りやすい焦点距離ですね。

あしかがフラワーパーク 藤

中望遠にもなると、その焦点距離の長さからボケを作りやすくなってきます。前ボケ後ろボケをいれることで写真に立体感が出てきますね。

ネモフィラ ポピー ひたち海浜公園

パースも少なくなり、非常にすっきりとした写真を撮れるようになります。

ですので、人物の撮影などでも歪みのない美しい写真が撮れるのでポートレートに使用することも多い焦点距離。

ポトレを撮るときはワーキングディスタンスはちょっと遠目でバストアップを狙うような画角です。

100mm(A:66mm M:50mm)

100mm付近の焦点距離はマクロレンズが多くラインナップされています。花の撮影など被写体との距離間がとりやすく扱いやすいためです。

焦点距離が長いことで被写界深度も薄くなってくるため美しいボケ感が楽しめます。

与一野のしだれ桜 夕方

もちろん風景にだって使えます。前ボケなども作りやすい焦点距離ですね。

湯の山のしだれ桜

これくらいの焦点距離から「圧縮効果」と行って、背景と被写体がググッと圧縮されたような写り方をするようになります。これも桜の奥は山から下りてくる霧なんですが、まるで桜の真後ろにあるような感じがします。

100mmもパースが少なく、ボケを使って被写体を浮き上がらせやすいのでポートレートにも多様されます。

望遠レンズ

135mm(A:90mm M:67mm)

吉野の朝

135mmくらいから「被写体を引き寄せる」望遠レンズとしての分類になってきます。山の上から眼下の町を狙ったり、遠くの被写体を切り取ったりできます。

又兵衛桜 朝 光

画角が狭くなってくるので、必然的に背景の整理もしやすくなります。何を撮りたいか明確にできるので、広角で撮ってたものも、望遠レンズで撮り直してみるとまた違った表情が見えてきます。前ボケや圧縮効果も作りやすくなってきます。

単焦点レンズだと明るいf値と焦点距離の長さボケが非常に作りやすく、道端に咲いている小さな花などを撮影するのにちょうどいい画角になります。

浜野浦の棚田 夕焼け

単焦点レンズでは扱いづらい焦点距離ではありますが、ハマればこれ以上ないくらいどハマりするような、画角です。

180mm(A:120mm M:90mm)

マクロレンズで撮った紫の花

望遠マクロに多いのが180mm。その焦点距離の長さと相まって、非常に被写界深度のうすい写真を撮影することができます。

クモ マクロレンズ

被写体との距離(ワーキングディスタンス)をしっかりとりたい、昆虫などの撮影に使いやすいでしょう。

安野花の駅公園

もちろん望遠レンズの1本としても使えます。圧縮効果もかなり実感できるようになる焦点距離ですね。焦点距離の長さによる前ボケ、後ろボケも美しいです。

200mm(A:133mm M:100)

蓮

フルサイズ用の望遠ズームレンズのテレ端に多いのが200mm。被写体にググッと近づき切りとることができます。望遠ならではのボケも際立ってきます。

竹田城跡の雲海

山の上から遠くの被写体を狙うのにも使えます。200mmくらいあると使いやすいですね。

動物などを撮影するのにはやはり200mm以上の焦点距離が欲しくなってきます。

ベタ踏み坂

圧縮効果もかなりわかりやすくなってきます。有名なベタ踏み坂がものすごい急勾配な坂に見えるのも圧縮効果を利用して撮影されているからです。

300mm(A:200mm M:150mm)

彼岸花

300mmくらいになるとボケと圧縮効果で独特の世界観が作れるようになります。背景の彼岸花の草むらもとろけるようにボケてしまし水彩絵具のように。

子猿と母ザル

なかなか近づきにくい野生動物なども300mmならここまで切りとることができます。

荒神谷史跡公園 古代ハスとカエル

マクロ的につかってもおもしろいですね。

400mm(A:260mm M:200mm)

400mmくらいあると野生動物も撮影しやすくなります。

ウメジロー

鳥の世界も覗けることでしょう。小鳥などはもっと長いレンズでもいいくらいですね。

ボケもしっかり出るようになるので、被写体をしっかりと浮き上がらせることができるようになります。

花などを撮影するのにテレマクロ的に使うのもいいですね。

経島の夕景

焦点距離が長くなれば画角が狭くなるのでシンプルな写真になりますね。どんなものを撮りたいかきちんとイメージしたいところです。

600mm

さらに遠くから動物などを撮影する場合に使うのが600mm

テレコンなどで焦点距離を稼ぐのもいいですね。

1260mm

月

ちなみに余談ですが、600mmのレンズに×1.4のテレコンつけてAPS-Cでとると600×1.4×1.5=1260mmというわけのわからない焦点距離になり、月とってもノートリミングでこれくらい大きく写ります。だからどうしたという感想以外でてきませんが。

まとめ

いかがだったでしょうか?

広角・標準・望遠と少し焦点距離が違うだけでまったく違った表情の写真を撮ることができます。写真に正解はありません。あなたが撮りたい被写体をどんなレンズで、どんな表現したらいいかいろいろと試してみましょう。

また、新しいレンズ選びの参考にでもしていただければ嬉しいです(๑´ڡ`๑)

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