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全国1億3万人のNIKONファンの皆さんこんにちは。いやいや、やってきましたね。そう、Zマウントの広角端を担う大三元レンズNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S。
圧倒的な描写力の超広角レンズながらも、出目金レンズではないという画期的なデザイン。僕もめちゃくちゃにヘビロテしているレンズです。
ちなみに、デジタルカメラマガジンの方でレビューの記事も書いてるのでこちらもご覧になっていただけると嬉しいです。
デジタルカメラマガジン11月号でNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sの記事を書かせてもらいました!- 出目金レンズじゃなくなりフィルターが装着可能
- 逆光性能が非常に高い
- 広角レンズなのに歪曲収差をしっかり抑えられている
- もちろん解像感も抜群
神レンズと評された旧モデルの伝説を塗り替えるレンズが来た
本題に入る前に、ちょっと聞いてほしいんです。Nikonにおいて14-24f2.8mmというレンズの立ち位置を。
f2.8通しのズームレンズのことを大三元レンズと呼びます。望遠、標準、広角の3種類。
旧モデルであるAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDが発売されたのは実に十数年前。同期の大三元である標準、望遠に関しては少し前にFマウントでリニューアルされましたが、この広角だけはリニューアルされることなく、Zマウントに突入していきました。
神レンズと呼ばれる伝説のレンズ
神レンズ、なんて表現をよく聞くようになり、なんだか神様の大安売りな気がしないでもない昨今。
しかしながら、名と実を伴った神レンズを1本あげろと言われれば僕はこのAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDあげます。それくらい素晴らしいレンズ。
14mmスタートながらf2.8通しを実現。周辺までしっかり解像する表現力。これが10年以上も前に設計されたということに驚きを隠せない恐ろしいレンズでした。
僕ももちろん持っていて、不動の4番を担う最高のレンズでした。
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDをついに手に入れて、念願の大三元をつもった話
その伝説を塗り替えるレンズが来た
もちろん、そんな神レンズにも欠点がないわけではありませんでした。
14mmを実現するために大きく前にせり出した、いわゆる「出目金レンズ」。それゆえねじ込み式のフィルター類が付けられず、サードパーティの角形フィルターに頼らざるを得ないこと。これまた超広角ゆえにでる歪曲収差。
とはいえ、そんな欠点などそのレンズの性能を考えると瑣末なことでしかなかったのです。そう、今日この新しいNikonの14-24mmが出るまでは。
Nikonユーザーのみなさん、Nikonで良かったですね。
あの神レンズであるAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDも過去のものとしてしまうような素晴らしいレンズがNikonから出たのです。そう、それがこのNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sなわけです。
14-24の外観をチェック!
というわけでここからか本題です。特に今回、外観からもそのレンズの素晴らしさを伺い知ることができるので、そのあたりを見ていきましょう。
Zマウントになってフランジバックが短くなっているのですが、広角レンズというのはフランジバックが短くなることの恩恵を受けやすいレンズです。特に、このNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sはその恩恵を十二分に感じられるものとなっています。
出目金レンズじゃなくなった!!
とりあえず2020年、カメラ界隈においてもっともぶったまげのが、この「新しい14-24mmが出目金じゃなくなったこと」です。ぶったまげましたね。
f2.8通しの広角レンズはこれまで各メーカーから発売されていますが、ほとんどが前玉が大きくせりだした出目金レンズでした。もちろん、神レンズと評された旧モデルAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDも例に漏れず出目金レンズ。
その形状ゆえ、通常のレンズで付けられるねじ込み式の円形フィルターは使うことができません。
また前にせりだしているため、その扱いにも気を使います。どこかにぶつけてしまいそうでヒヤヒヤしたものです。
とはいえ14mmスタートのf2.8通し広角ズームなんてそんなもんだという諦めがあった中、発表されたこのレンズ。まさか、こんなレンズを使える日がくるとは。
フィルターが装着可能に!
前玉が出目金でなくなったことで!ついに!f2.8通しの広角ズームに!!フィルターが装着できるようになりました!!
まさかこんな日が来ようとは…Nikonでよかった…。
フィルター装着可の大きめのフード
今回、2種類の大きさの違うフードが同梱されています。大きい方は前の部分にねじ穴が切ってあり、ここに円形のフィルターが装着できるようになっています。
ちなみにフィルター径は112mmとかなり大きめではありますが、それでも今まで150mmの角形フィルターのシステムを使っていたことを考えるとかなり運用が楽になりそうです。
Nikonからも112mm径のプロテクトフィルターとPLフィルターが発売されていますが、まあ目ん玉が飛び出るくらいの値段なのでサードパーティの充実を待ちたいところ。
追記:サードパーティからも112mm径のフィルターが発売されました
サードパーティのフィルターメーカーからもいくつか112mm径のものが発売されています。選択肢が増えるのは嬉しいですね。
KANIからはCPLフィルターが
K&FからはNDフィルターが発売されています。
このフィルター装着用のフードはかぶせ式のレンズキャップになります。フィルターをつけたままガバッと付けるような感じに。
リアフィルターも装着可能
リアにはシートタイプのフィルターが装着できるフィルター枠がついてます。
前面につけるフィルターは112mmと大きく、価格もそれなりにするので、NDなどはリアに付けて運用もできます。まあ、いちいち付けるのめっちゃめんどくさそうですが…。
フィルターがつかない小さめのフード
もう1つのフードはねじ穴が切ってないコンパクトなフード。おそらくケラレの関係上、フィルター径はちょっと大きめになっているのでしょうね。なので、フードもそれにあわせて大きいのですが、フィルターを使わない時はちょっと取りまわししにくい。
ということで、フィルターが必要ない時は小さいフードを使用することでコンパクトになります。こちらはレンズキャップも普通のタイプです。
びっくりするくらいコンパクト!
フランジバックが短くなることで、レンズの大幅な軽量化に成功した本レンズ。
旧モデルと比べてもかなりコンパクトになってるのが分かります。この辺は実際に手に持ってみてもらったほうがよく分かるのですが、まあ、僕は初めて見た時思わず笑ってしまいました。スペック以上にコンパクトに感じます。
14-30mm f4と比べてみる
すでに発売されているNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sも非常にコンパクトで素晴らしいレンズでした。ということで、2つのレンズの外観を比べてみましょう。
こんな感じなんですが、どうですかね?確かに14-30mmの方が小さいのは小さいんですけど、14-24mmの方も充分戦えるといった感じではないでしょうか?
正直、出目金レンズだろうしサイズもそれなりに大きいだろうし、山では14-30mm、それ以外では14-24mmと使い分けようかと思ってたんですが、いやもう、ここまでコンパクトなら14-24mm1本でぜんぜんいけるんじゃないかと思いました。なによりf2.8を持っていけるというのがアツい…。
[blogcard url=”https://logcamera.com/14-30z/″]追記:山でのレンズは14-24mm f2.8と24-120mm f4になりました
結局、14-24mmが十分にコンパクトなのと、NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sという高倍率ズームながらも高い描写性能のレンズを購入したので登山ではこの2本の組み合わせで登ることが多くなりました。
星が撮りたい場面ではやはり24mm以下の画角のほうが使いやすいということもあります。
登山して撮影をするためにカメラを持ち運ぶ方法を考えてみる!!
コントロールリングとレンズ情報パネルも
Nikonのハイエンドレンズには最近よく付いてる、コントロールリングとレンズ情報パネル。もちろん14-24mmにも付いてます。
まぁ、個人的にはこれイマイチ使い道が分からないので、あってもなくてもいいかなぁという感じではありますが…。
レンズ性能をチェック!
圧倒的解像感
とにかく解像感がすばらしいです。周辺の葉っぱまで1枚1枚解像しているので立体感をしっかりと感じられる描写。
17mmとほぼ広角端で撮影していますが、周辺の歪みもかなり抑えられています。
歪曲収差もしっかり抑えられている
旧14-24mmの数少ない弱点のひとつに歪曲収差がありました。
タル型に歪みが出ていたのですが、新14-24mmではその歪曲収差もしっかりと抑えられており、都市夜景などの直線をしっかり出したいものにも非常に使いやすくなりました。
このへんはレンズ側ではなくソフト側で補正しているかと思うのですが、歪曲が出ないことはいいことですね。
これが広角レンズか!?と思うほどの逆光耐性
14-24mmを使ってぶったまげたことは多々ありますが、その中でも最たるもののひとつが逆光性能。
こんなに強い太陽を真正面にとらえて一切ゴーストが出てないってやばくないですか?
こちらは旧14-24mmで撮影した写真。
旧レンズは出目金レンズということもあり、逆光にとにかく弱かったのです。それはもう盛大にゴーストが出ていたものです。そんな弱点が見事に解消されています。
もちろん、ひとつも出ないということはないのですが、それでもゴーストを入れるほうが難しいくらいの性能です。
個人的には太陽を構図に入れて光条を出すのが好きなのですが、その光条も美しく、しっかりウニウニした太陽が撮影できます。
コンパクトなので山にも持っていける
旧14-24mmは970gと1kg近い重量級のレンズだったのですが、新レンズは650gまで軽量化されています。
300gを登山の装備で削減しようと思うとけっこう大変なんですよね。さらにカメラ側もミラーレスとなり軽量化されているので登山での持ち運びがかなり楽になりました。もちろん、上が軽くなれば三脚も軽量化することができます。
山では小さい軽いは大正義なのですごく頼もしいレンズです。
もちろん防塵防滴
もちろん防塵防滴のレンズなので、悪天候の日や波の高い海などのシチュエーションでもしっかりと使いこなすことができます。
レンズの前玉にはフッ素コーティングがしてあり、水や汚れをしっかりと弾いてくれ、レンズのお手入れも楽ちんです。
星を撮って性能を見てみる
星のような点光源というのはレンズの良し悪しがわかりやすいもの。ということで星を撮って性能をチェックしてみましょう。右上の赤い枠線あたりを拡大して見てみます。
すべて赤道儀を使って撮影。ISOは2500で固定、f値を変えながら同じ露出になるようにシャッタースピードを調整しています。
広角端 14mm
まずは広角端の14mmからチェックしていきましょう。
f2.8
初っ端から衝撃的な結果です。いわゆるひとつの開放からシャープってやつですね、こりゃ。
コマ収差の子供みたいなのが少しニョキッとしていますが、エグいくらいの解像度です。非点収差の影響下少し星が伸びているものの、まあこんくらい許したれよといった感じです。
f4
1段絞って、コマ収差もかなり落ち着きました。赤道儀を使っての星景であれば十分に使えるくらいの状態ですね。
f5.6
f5.6になるとコマ収差の影響はかなり少なくなり、星がきちんと点になってきました。まだ多少、星が伸びているのですが、ほんと周辺の隅っこだけなので、こんくらい許したれよという気持ちです。四隅以外はバチバチに点光源として写っております。
望遠端 24mm
f2.8
24mmの開放だとこんな感じです。こちらはけっこう盛大にサジタルコマフレアが出ていますね。
MTF曲線を見ても広角端より望遠端のほうが落ちる結果だったのですが、実際に撮ってみても同じ印象ですね。
とはいえ、中央部なんかはしっかり解像しているので、開放でも十分に使えるレベルにあるとは言えます。
f4
1段絞ってもまだコマ収差や非点収差によるサジタルコマフレアが出ています。
f5.6
f5.6まで絞ってもコマ収差は残りますね。望遠側で星を撮りたい人は単焦点の20mmや24mmがえげつないくらい解像するのでそちらもおすすめです。
ただ、等倍以上にしてよっぽどマジマジと見ないと気にならないくらいのレベルです。それよりも14mmから24mmでここまで使えてf2.8、さらにはコンパクトというのがすごいと思うわけです。
なんだっていけるオールマイティな大三元
風景、星景、シティスケープ、シースケープ、山岳写真。
およそ風景を撮影しにいく、どんなシチュエーションにも対応してくれる最強の広角レンズ。
やはり大三元レンズにはオールラウンドで戦ってもらいたいという思いがあるのですが、そんな期待にしっかりと答えてくれます。
神レンズと崇められた先代を軽々と超えてくれる、新世代の神レンズとなってくれました。
あまりにも使いやすいので基本的にはカメラバッグに入れているレンズです。
カメラバッグにいつも入れてるもの全部見せてみる in 2023
まとめ
本当に素晴らしいレンズが来てバイブス上がってしまいますね。このコンパクトさ、フィルター装着できる前玉、f2.8の明るさなどなど。特に風景ではかなり使える仕上がりになりました。