本が出ました!「美しい風景写真のマイルール」

NIKONのミラーレスフラッグシップ「Z9」をレビュー!!

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全国1億2千万人のNIKONユーザーのみなさんこんにちは。

今日は満を持して発売されたNIKONのミラーレスフラッグシップモデル「Z9」のレビューをしてみようと思います!

とりあえず作例から

作例といっても、ばりばりレタッチしているのですが、まあこんなのが最終的にアウトプットできますよという。

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桜とスズメ。フラッグシップモデルということで一番期待していたのがAF性能なんですが、まあやっぱりすごかったです。

これまでZ7をメインで撮影、フラッグシップモデルは初体験なんですが、ここまで違うものかと思いました。さすがフラッグシップ。

メインは風景なので動体撮影は年に数回程度。なので、そんなに得意なわけではないんですが、なにも考えなくてもシャッターさえ切っていればいい具合に写ってくれます

鹿野城跡公園の桜

フラッグシップモデルは以前は連射性能は高いけれど画素数は少し低めといったものでした。実際、前モデルであるD6なんかは14コマ/秒ですが有効画素数は2082万画素ですね。しかし、Z9は20コマ/秒撮れるのにも関わらず有効画素数4571万画素。高画素機で爆裂連写できるというとんでもないモデルとなっています。

なので、細かい葉っぱなんかの描写も非常に美しいです。

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4571万画素と、高画素なのでノイズ耐性に関しては、2600万画素くらいのモデルとくらべるとちょっぴり弱め。とはいえ、星の撮影などには充分使えるくらいには仕上がっています。

最近はノイズ処理に関してもカメラ内を始めPC周りでも便利なものが増えてきているのでそこまで気にしなくてもいいかと思います。

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そして、声を大にしていいたいのが操作性の良さ。もともとNikonのカメラの操作性の良さに惹かれて使い続けているのですが、これまで使っていたカメラさえちょっと使いづらいと思ってしまうほど、操作感の向上を感じとることができます。

このへん、スペックや数値に表しにくい部分なのですが、こういうところをしっかり手を抜かず作っているのはとても好感がもてます。

それでは、細かいところを見ていきましょう。

動体撮影

オートフォーカス性能

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まずはなんといってもZ9のキモであるオートフォーカス性能

これまでZシリーズのカメラはいくつか出ていますが、どれもオートフォーカスの性能はイマイチでした。風景を撮っているのであればそこまで気にもなりませんが、動いているものにグイグイ食らいつくようなフォーカシング、というのはやはり難しかった。

そんなフォーカス性能が著しく向上しております。

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AFエリアモードは

  • ピンポイントAF(シングルAFのみ)
  • シングルポイントAF
  • ダイナミックAF(コンティニュアスAFのみ)
  • ワイドエリアAF
  • 3Dトラッキング(コンティニュアスAFのみ)
  • ターゲット追尾AF(動画モードのみ)
  • オートエリアAF

から選んで使用することができます。

また、被写体認識も人物や犬、猫、鳥、バイク、自転車、列車、飛行機を検出可能。

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例えばこのように、鳥の小さな瞳もきちんと認識しフォーカシングしてくれます。

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鳥の小さな瞳にばっちりピントがきているのがわかるでしょうか。

このフォーカシングを被写体が動いても追い続けてくれるため、これまで以上に撮影の歩留まりが向上しています。

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羽ばたいている鳥を連写してみました。

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こちらに向かって、けっこうな速さで鳥が飛んでくる様子を撮影。一瞬、ピントが外れても被写体を認識してくれているので再び鳥にピントを合わせてくれます。

背景やスピード、向きによって歩留まりは変わってくるものの、かなり高い精度でピントが合います。

これまでのZシリーズではフォーカスの食いつきがいまいちだったのですが、Z9になってようやくミラーレス機で動き物を狙えるようになったというところでしょうか。

ファインダー像が消失しない!

 

電子ビューファインダーもさらに進化をとげました。その名もリアルライブ・ビューファインダー(Real-Live Viewfinder)という横文字の多いもの。

これの何がすごいかというと、これまでシャッターを切るとミラーアップなどで画面が暗くなっていました。これが、今回まったくなくなったのであります。すごい!とりあえずYouTubeの動画貼ってるので見てみてくださいよ。まあすごい時代がきましたよ。

これまでにもあったブラックアウトフリー機能のことかと思っていたのですが、ブラックアウトフリーでは若干の遅延やスキップがあったりする一方、リアルライブ・ビューファインダーでは実際の被写体の動きをそのまま表示しながらもシャッターが切れるというものみたいですね。

使ってみると、新しい体験に面食らいました。シャッター音がするので撮れているんだろうなと理解はできるのですが、ほんとに撮れてるのか不思議な感覚です(笑)

ちなみにこのシャッター音も、実際にシャッターがパタパタしてるわけではないので、擬似的な電子音です。サイレントモードにすることだって、もちろんできます。

シャッター音ってカメラを選ぶときのわりと重要なファクターで、いい音がするとやっぱりノッてくるもので、この電子音になってしまったカメラに最初は一抹の寂しさを覚えたのですが、完全に電子シャッターになった恩恵ははるかに大きいので、そんな感傷も燃えないゴミの日に出してしまいました。

完全に電子シャッターに

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さきほどシャッター音がないといいましたが、そう、このカメラ、ついにメカシャッターがなくなり、完全な電子シャッターとなっています。

電子シャッターは物理的なシャッターがなくなることで、連写が速くなったり、シャッター速度が速くなったり、サイレント撮影ができたり、シャッターブレがなくなったりと、いいことづくめなんですがそれを帳消しにするデメリットがありました。それがローリングシャッター歪みです。

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電子シャッターではセンサーの読み込みにタイムラグがあるため、動くものなどを撮影したときに歪んでしまうことがありました。

動体メインのカメラなのに、動くもの撮ったら歪んでたら話にならないわけですよね…

グローバルシャッターとローリングシャッターの違い!それぞれのメリット・デメリットとは?

なので、これまで一眼カメラではメカシャッターと電子シャッターが併用されることが多かったのです。ローリングシャッター歪みが出そうなシチュエーションでは自動的にメカシャッターに切り替えるといった感じ。

しかし、今回のZ9はその読み出し速度がZ7Ⅱの約12倍とめちゃくちゃ速くなり、極限まで歪みを抑制するセンサーを搭載しています。

ということで、ついにメカシャッターのない構造を実現させているのですね。

メカシャッターがなくて大丈夫かしや…などと思っておりましたが、今のところまったく気になることもなく使えておりまして、文明の進歩はすごいなあと思う次第であります。

延々にシャッターが切れる

 

連写性能もすばらしいわけですが、とりあえずこちらをご覧ください。

Z9では高効率RAWを使用した場合20コマ/秒のスピードで撮影することができます。1秒間に20枚撮影できるということです。ただ、カメラの連写速度というのはずっとこの速度で撮れるかというとそうでもなかったりします。

連写で撮影する速度にメモリーカードの書き込み速度が追いつかなくなるとそこで連写が止まってしまうんですね。そうならないようにカメラの中にはバッファメモリーというものがあってある程度は連写ができるようになっています。ちなみにZ9ではバッファで21枚くらい撮れる設定です。

連写が途中でとまっちゃう!?カメラの連写速度にも影響するバッファメモリとは

しかし、今回のZ9、CFexpressカードに対応しました。こちら、XQDよりもさらに読み書きの早いカードでして、SanDiskの128GBのカードで書き込み速度が1200MB/秒です。Z9のRAWファイルが1枚30MBくらいなので1秒間に40枚くらい書き込みができるという計算になりますね、、、

一応、これ最大値なのでこの通りにはなかなかいかないのですが、この動画のように、バッファメモリがなくなってもCFexpressの書き込み速度が早いので延々と連写を続けることができます

何も考えなくても動き物が撮れる時代に…

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まだまだそんなに撮影の回数が少ないながらもひしひしと感じたのが「これ、何にも難しいこと考えなくても動き物撮れるな…」ということ。

写真にはいろんなジャンルがありますが、動体撮影というのはやはりひとつの花形のようなイメージがあります。

オリンピックにずらりと並ぶ大砲のようなレンズを構えたプロカメラマン達、野生動物を追いかけるストイックなフォトグラファー。そういった写真は熟練の技術で撮影されてきたと思うのですが、Z9の登場によってそのハードルが幾ばくか下がったのではないかと感じられるほどでした。

もちろん、僕のような初心者にはまだまだわかりえない世界もあるかと思いますが、それでもとりあえずZ9を持ってシャッターを切ればなにかしら撮れている、というのは衝撃的ではあります。

動いているものにカメラ向けてとりあえずシャッター押しさえすれば、なにかしら写っているという感覚。まあ、えげつないカメラだなと思うわけです。

写真の一番大切なことのひとつにシャッターチャンスを逃さない、というものがあると思っています。このZ9を手にすればシャッターチャンスを捉える可能性を最大限まで上げることができる。そう思うわけです。

フラッグシップならではの素晴らしい操作性

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NIKONのカメラの操作性の良さ。なかなかスペックに表しづらい部分ながらも、個人的には非常に重要なものと思っておりまして。

スペックに表しづらいからこそ、これブログでレビューするのもひっじょうに難しいのですが、いかにZ9の操作性が素晴らしいかがんばって書いてみようと思います。

サブセレクターがかなり動かしやすくなった

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この黒い出っ張りがサブセレクター。Z7やZ5にもついていたのですが、このサブセレクターが格段に動かしやすくなりました。同じNIKON機かと思うほどに操作感が違います。

このサブセレクター、フォーカスポイントを動かしたり、メニュー画面の操作をするのに使うんですが、実にちょうどいい感じに、自分の意のままに動いてくれます。

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また、AF-ONボタン、iボタン、コマンドダイヤルとの距離感が絶妙で、それぞれが干渉しない、かつ少し指を伸ばせば操作できる位置に収まっているというのが、もう最高なわけです。

これらのボタンは撮影中の使用頻度が高いボタン類なんですが、ボタンの高さ、形状が微妙に異なっており、ファインダーを除きながらも手元を見ずに操作できるのでとても使いやすいのです。

  • AF-ON:オートフォーカス
  • iボタン:押すとよく使うメニュー一覧であるiメニューが開く(カスタマイズ可)
  • コマンドダイヤル:絞り値など操作するダイヤル

マルチセレクターはちょっと固め…

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一方で、マルチセレクターと呼ばれるボタン。これはカーソルの移動などに使うんですが、これがZ7に比べて固くなって使いにくくなっていました。

個人的にはもう少しクリック感があったほうが操作しやすいんだけどなあという感想です。似たような操作はサブセレクターでもできるので、マルチセレクターよりもサブセレクターでの操作が多くなりました。

レリーズ周りのボタン配置もいい

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レリーズの押下感はしっかりしており、半押しAFも誤作動することなく使えます。

レリーズ周りは

  • 動画撮影ボタン
  • ISO感度
  • 露出補正

が配置してあり、これまた使う頻度が多いボタンが指の届きやすい場所にあります。動画を撮ることが少ない人なら動画撮影ボタンは他の機能を割り当てることも可能。

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これまた、それぞれが高さの違うデザインとなっているため、ファインダーを除きながら手探りでも思ったとおりの操作をすることが可能です。

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背面のボタン配置はこんな感じ。フラッグシップモデルならではの大きなボディの中にたくさんのボタンが散りばめられています。

Cursor と Notification Center

これまでのZシリーズでは再生ボタンがあったところがプロテクトボタンとなっています。再生ボタンは右下のほうに移動させられました。

再生と削除やプロテクトをしやすくするため、とNikonさんはおっしゃっていますが、このへんはZシリーズは統一しておいてくれたらよかったのになと思っています。僕なんかはZ9とZ7を併用しているので、このあたりのボタン配置が違うとちょっとやりづらいわけです。

個人的には、位置的にもZ7のほうが使いやすいんですよね。ただ、このプロテクトボタンはカスタムで別の機能を割り当てることもできるので、僕はここに再生ボタンを当ててます。

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縦位置でも使いやすいようにAF-ONボタン、サブセレクター、iボタン、コマンドダイヤルが右下の位置についています。これもフラッグシップならではですね。

初めて使うんですが、縦構図の撮影が劇的に楽になりました。

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前面には3つのFnボタン。これも撮影の時に使いやすい位置に配置されており、大活躍します。

Fn1とFn3は縦と横で同じ位置に人差し指がくるので、同じ機能を割り振っておくといい感じです。

豊富なカスタムメニューで使えば使うほど手に馴染む

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撮影メニューの設定を4種類、カスタムメニューの設定も4種類記憶させておくことができます。

カスタムメニューからはボタンのカスタマイズなどもできるので、それぞれの撮影シーンによって割り当てる機能も変えることができるのです。

僕は

  • 風景
  • 動くもの
  • マクロ

の4種類でそれぞれで使いやすく撮影できるようにカスタマイズしています。これがあるおかげで、例えば風景を撮っている途中、突然鳥などの動くものを見つけたとき素早く設定を変えることができるんですね。

iメニューのカスタマイズや画面表示のカスタマイズなどもかなり細かく行うことができます。

しっかりと設定をしておくことで、あなただけの超絶使いやすいカメラの設定にすることができ、まさしく相棒のような活躍をしてくれるようになります。

4軸チルトビューが様々なアングルに対応

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Z9では縦横4軸チルト式画像モニターを採用。これまで横位置では上下に動かすことができましたが、今回は縦位置でも傾けることが可能に。

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これがまあ、めちゃくちゃ便利でした。

マクロ撮影などでは地べたに這いつくばるようなローアングルで撮影することもあるのですが、縦位置の撮影はけっこうやりにくかったんです。しかしご覧の通り、縦位置でもモニターを傾けることができるので構図づくりやピント合わせが格段に楽になりました。

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地面に近いところから撮影しているのできれいな前ボケができました。

スターライトビューも搭載し、星の撮影でも活躍

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スマホのカメラで撮ったのでちょっと画質が悪いのですが、こちら背面液晶モニターの写真です。

今回いよいよスターライトビューが搭載されました。このスターライトビューというのは暗い場所でも撮影画面が明るくなりピント合わせや構図づくりがしやすくなるものです。

こちらの写真、真ん中のあたりにうっすら天の川が写っているのがおわかりいただけるでしょうか?

今までだったら天の川が撮れるような新月の日は真っ暗なので、液晶モニターではなんにも見せませんでした。しかし、このスターライトビューのおかげで天の川の位置が分かるくらい明るく表示することができます。

いちいちテスト撮影を繰り返して、天の川の構図を決めることもなく、液晶モニターだけで構図を作ることができます

ピント合わせるのに、明るめの星を探すことも多いと思いますが、これくらい明るいと星もすぐに探すことができます。

初心者でも大丈夫!星にピントを合わせる4つの方法!

赤色画面表示

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暗さに目がなれてしまうと、背面液晶の明かりってかなり明るく感じてしまうものです。Z9は赤色画面表示を搭載しており、赤色の画面にすることができます。

まとめ

写真で最も大事なことのひとつが「シャッターチャンスを逃さないこと」だと個人的には思っています。

撮りたいと思ったときに、意図したままにシャッターを切れるという、あたりまえのようなことが実は一番難しかったりするものです。

そんな一瞬にシャッターチャンスを、このZ9はこれまで以上にしっかりと捉えてくれることでしょう。

AF性能、連写性能はもちろんですが、使えば使うほどに馴染んでくる操作性はこれまでのカメラには感じられなかった感覚です。

はじめてのフラッグシップですが、やっぱりフラッグシップはいいもんだなと痛感しました。

価格ゆえに、おいそれと手を出せるものではないかもしれませんが、最高スペックの機材を買おうとおもえば買えちゃうというのはカメラのいいところではないかなとも思うわけです。

とにかく素晴らしいカメラです。ぜひぜひ。